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  • アルフレックスの名作ソファ「MARENCO」がアート作品に。「色の秘密にせまる」展覧会が箱根・ポーラ美術館で開催中 会期は5月18日(日)まで

    取材・執筆 / 遠藤義人
    2025年1月8日更新

    • ホームシアター・コンシェルジュ
      遠藤義人

シンプル&ユーモラスな名作がアートとして展示にも/ソファとしてラウンジにも

1971年の発売から半世紀を経た今も、アルフレックスジャパンのアイコンとして存在し続ける定番ソファ「MARENCO(マレンコ)」。これまで100箇所以上の改良を重ね、メンテナンスのしやすさも相まって世代を超えて愛され続けています。

また、内部のモールドウレタンを包み込む麻カバーを異なるファブリックに代えることで、さまざまなコラボレーションも実現してきたことでも名を馳せました。このたび、画家の門田光雅氏が「カラーズ ― 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ」展開催にちなみ、MARENCOを使った作品2点を発表しました。

門田氏の作品スペースに絵画とともに展示されたのは、MARENCOを立体キャンバスとして描いた「Dice(polychrome)」と「Dice(monochrome)」の2点です。

  • アルフレックス「MARENCO」を立体キャンバスとして用いた作品2点が本展覧会のために制作されました(Photo by Ken Kato)
  • ソファ
    アルフレックス「MARENCO
    アームレス/片アーム/両アームの3タイプのほか、オットマンをラインアップ。356,400円(税込)から

ところで「カラーズ ― 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ」展は、近代から現代までの美術家たちが獲得してきた “色彩” とその表現に注目し、色彩論や色を表現する素材との関係にふれながら、色彩の役割について改めて考察するもの。

19世紀初頭フランスで生まれた「色彩論」をはじめ、20世紀前半のヨーロッパやアメリカで進んだ絵の具による抽象表現技法、それに影響を受けた作家達の創作活動を受けて、現代アートの可能性を探ります。これは、自然の景色よりもスマホやディスプレイ等のデジタル映像を観ることが主流となった私たちの日常に問いを投げかけるものでもあります。門田氏は、次のようにコメントしています。

「私たちは、白や黒の中に様々な色味を感じたり、あるいは散らばって見える色彩の中に、不思議なまとまりを感じたりすることがあります。そのような色の関係を意識して制作しました。物事には、先入観を越えた多くの側面や違い、可能性が含まれていることを、ダイス・モノクローム(白黒)とダイス・ポリクローム(多色)というタイトルに込めています。またサイコロを振るとき、出る目が決まっていないように、作品の色々な捉え方を楽しんでもらいたいです」

人が自分の目で捉え、それを再解釈して紡ぎ出したアナログ的表現。オーディオの世界でデジタルからアナログへの回帰がブームとなっているように、映像世界でも、いまいちど “本当の色” について再考を迫られる契機たり得るといえるでしょう。

  • 会期中はポーラ美術館内のラウンジスペースにもMARENCOをはじめとしたアルフレックスの家具を設えているとのこと。アート鑑賞の合間にゆったりとくつろげます(Photo by Ken Kato)
  • 門田光雅プロフィール
    1980年静岡県生まれ。2002年東京造形大学美術学科絵画専攻卒業、03年東京造形大学美術学科絵画専攻研究生修了。絵画表現の可能性をテーマに、鮮やかな色彩の抽象絵画を描いています。ポートフォリオサイトはこちら

EXHIBITION OVERVIEW

カラーズ ― 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ
期間:2024年12月14日(土) – 2025年5月18日(日)
会場:ポーラ美術館 展示室1、2、3、アトリウムギャラリー
神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山 1285
開館時間:9:00 – 17:00(入館は16:30まで)
休館日:年中無休(展示替えのため臨時休館あり/年末年始も休みなく開館)

主催:公益財団法人ポーラ美術振興財団 ポーラ美術館
後援:公益社団法人 色彩検定協会

入館料(税込):大人¥2,200/大学・高校生¥1,700/中学生以下無料/障害者手帳をお持ちのご本人および付添者(1名まで)¥1,100 ※団体割引あり

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