9月4日から7日まで(現地時間)米国コロラド州のデンバーにて、世界最大のカスタムインストール展示会「CEDIA EXPO 2024」が開催されています。ここでは、ホームシアターショップGLANCE(グランス)に在籍し、シアターインストールはもちろんネットワーク構築にも深い造詣を持つインストーラー・松﨑圭志氏のレポートを通して“ホームシアターの今”をお届けします。
インストーラー向け講習やメーカー出展など実施される
私が今回の「CEDIA EXPO」開催地であるデンバーに訪れるのは、2014年にCEDIA EXPOで訪問してから2回目となります。9月4日はエデュケーションのみの開催となり、翌日の9月5日の朝9時に会場となるコロラドコンベンションセンターのフロアがオープンします。
いますぐ実践できるAV機器のセキュリティ対策とは?
この日は9時半から興味のあったトレーニングへ参加。トレーニングのタイトルは「Firmware and Firewalls and Passwords Oh My : Securing A/V Systems and Mitigating」。要約すると「オーディオビジュアルシステムの保護と脆弱性の軽減:ファームウェアやパスワードやファイヤーウォール」となります。
ストリーミングサービスの急激な普及もあって、近年では多くのオーディオビジュアル機器がホームネットワークと接続されて久しいです。それらの機器が、潜在的に抱える脅威や脆弱性に対してどのように対策・強化すればよいのか、オーディオビジュアル環境を保護するために不可欠なセキュリティ対策の複雑な構造を、詳細な分析を通じて理解する内容でした。
このトレーニング内容のすべてをお伝えする事はできないのですが、一つユーザーの方々が簡単に取り入れられる方法があります。それは「できるだけオーディオビジュアル機器のファームウェアを最新の状態に保つこと」です。
ファームウェアを常に最新に保つことで、セキュリティの強化はもちろん、機器のパフォーマンス向上や互換性の改善にも期待でき、新機能の追加なども確認することができます。
この方法は、オーディオビジュアル機器にかぎらず、パソコンやスマートフォン、タブレット、そしてホームネットワーク機器にも共通していえることですので、ユーザーの方々はこれを機に一度、お使いの機器のファームウェアが最新かどうかをチェックしてみてはいかがでしょうか?
JVCやNETGEARなど気になるアイテムをピックアップ
まずはJVCケンウッドのブース。日本では「DLA-V900R」ならびに「DLA-V800R」と言う型番ですが、こちらでは「DLANZ900」「DLANZ800」という型番で展示されています。また、新しい筐体で型番が「DLANZ700」「DLANZ500」と書かれたプロジェクターが展示されています。北米ではどうやらミドルクラスのプロジェクターがこちらに置き換わるようなことを、担当者がコメントしていました。
その「DLANZ900」と「DLANZ700」を比較視聴できるブースがありましたので、少し待って中に入り体験。どちらもネイティブ4Kパネルが搭載されたモデルだけあり、圧巻の映像美でした。
そして、こちらはNETGEARのブース。同ブランドのスイッチハブ「M4350シリーズ」や「M4250シリーズ」は、オーディオビジュアル製品に特化した設計がおこなわれています。パソコンに専用アプリをインストールし、そのアプリで各ポートごとにメーカー名を入力すれば、そのメーカーに最適な動作がおこなわれるという設定が可能となります。
このようなアプローチで設計されているスイッチハブは、いままで目にしたことがなく、非常に感銘を受けました。いままで、通常のスイッチハブを用いて特定のオーディオビジュアル機器を接続した際に、ホームネットワーク自体が不安定になってしまった経験があるのでなおさらです。
次回はCEDIA EXPO2日目と最終日の模様をお届けしたいと思います。