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  • ホームシアターをリーズナブルにはじめたいアナタの味方!東京にある老舗ショップ「トムテック」探訪 インストーラーは全国にいる![東京編]

    取材・執筆 / 遠藤義人
    2025年4月2日更新

    • ホームシアター・コンシェルジュ
      遠藤義人

最近の20代と話していると「部屋にテレビを置いてない」と言う人が多いんです。ネットを通じて得たコンテンツをスマートフォンやタブレットで再生、作品鑑賞や推し活をしているそうな。それが進むと、モバイルプロジェクターを買ってきて白壁に大映しするのです。そうした方々が「いつかは…」と憧れ、引っ越しや新築・リフォームの大チャンスを迎えると、部屋にホームシアターをあつらえることになるのです。そんなとき強い味方になるのが、機材込みで80万円から本格的なホームシアターをあつらえてくれるインストールショップです。今回は東京の老舗ホームシアターショップ、トムテックを紹介します。

高田馬場に構える30年来の老舗

実店舗は高田馬場の駅近く。東西線なら7番出口を出て緩やかな坂を4分ほど上がっていくと、左手に看板が現れます。まるで老舗の中華料理屋さんのような敷居の低い暖簾を潜ると、いつもにっこり迎えてくれるのが代表の浅田友英さんです。

「なになになになに、今日はどうしたの?」

なぜか谷村新司が流れている店舗……そして、なんという話しやすさ。以前と変わらぬスタンスで、ネットからの問い合わせや設計事務所、住宅メーカーなどからのよろず困りごとを引き受け、従業員3人でこなしています。

「80万円の案件も500万円の案件も、掛かる手間と時間は同じ。少人数なので、トリアージではありませんが、お客さまのお困りごとの緊急度で優先順位を付けてやっています」

  • Instagram(@tomtech_ig)には、浅田さんの片腕・森文孝さんと丁々発止で組み上げた施工次第がライブ感たっぷりに掲載されています

ひとりひとりがすべてを知り、できる

トムテックは、創業30年来の老舗。プロフェッショナルな調整が必要なソニーの業務用3管式プロジェクターを使い、一大ブームを巻き起こした1990年代から、ホームシアターの設計・施工のすべてを担える技術と経験を持った腕利きのインストーラーによる少数精鋭部隊で構成されています。

「仮に『配線部隊』『機器納品部隊』『調整部隊』を別々の人が担うことになると、お客さんにとっても時間や手間がかかりますし、責任の所在もあきらかになりません。ですから、トムテックには、それらすべてをひとりでもできる者しかおりません」

機械のことばかりくわしくても、インテリアや建築まですべてがわかっていないと、導入から間違ってしまいます。インストーラーは最後に機器を設置するので、建築じたいの設計から施工に至る流れをすべてウォッチし、あらかじめ問題となりそうな箇所を指示できないといけないのです。

  • 部屋に合わせてトムテックが設計し大川の家具が製作したオリジナルのAVボードの数々
  • オリジナルAVボードは放熱や配線にインストールショップならではのノウハウが詰め込まれ、AVアンプなどの機器を上手く収納できます
  • ターンテーブルを隠せるオリジナルのオーディオラックも

モノを売るのではなく部屋をつくる仕事

最近、10年、20年来のお客さんのリピートが増えているといいます。とくにそれを意識して営業してきたわけではないけれど、困りごとがあると連絡をくれるとのこと。その理由は、トムテック流のカスタムインストーラーという仕事の捉え方にありそうです。

「ホームシアターショップは、オーディオショップとはそもそも仕事内容が違うんですよ。オーディオは、お客さん自身が製品のことをよくわかっていて購入する世界。それに対し、ホームシアターは、マニアでない一般のお客さんを相手に、環境を売る仕事だと考えています。お客さんの目的は、何の機械を買うかではなく、何のための部屋をつくるかにあるのです。はじめは予算がない中で始めるので、のっけからすべての機器を揃えるのは困難ですし、高価なものを購入する必要もない。あとから壁や天井にスピーカーを加えることができるように “部屋” をあつらえておけばいいだけ。機材を並べ立てるのはたやすいですが、それをどう設置し、どう部屋に馴染ませるかが重要なのです」

  • はじめてホームシアターをする人のために渡す、リモコン操作ガイド
  • iPadで一括操作できる本格的なホームオートメーションの導入も可能

この「ホームシアターは環境ニーズであり、ハードニーズではない」と言い切るトムテックは、最近のホームシアター市場とユーザーの傾向を次のように捉えています。

「機械は安くていいものがどんどん誕生しています。しかし、たとえばAVアンプなんて、一般の方がネットなどで買ってきても自分で使いこなせる人はいないでしょう。かといって、一部のマニアにしか通用しない製品なのはもったいない。いまの一般の人たちはYouTubeを日常的に見て、従来のテレビのチャンネルのように配信サービスを選んで見ている。そうした動向を念頭に置きつつ、お客さんの話をしっかり聞いてプランニングしています」

ホームシアターのプランニングには決まった型はなく、ユーザーごとに異なるものです。それゆえに「カスタム」インストーラーと称するわけです。

「『お金があるからホームシアターに使おう』とはならない。もちろん、予算がある人に安い機器を勧める必要はないけれど、新築ではじめてホームシアターを始めようという方にとっては、20万円のプロジェクターでも200万円のプロジェクターでも、さほど違いがないんですよ」

リビング100万円以内の最新施工例

それを象徴する、トムテックが今年2025年に建てたできたてホヤホヤのホームシアター施工例を紹介しましょう。タイプや用途は異なりますが、リビングシアター部分はどちらも予算100万円以内に収まっているから驚きです。

まずはモルテーニの家具に彩られたI邸。75インチのテレビがあるリビングに5.1ch、3階のダンスルームには埋め込みの5.1chを設置。なおかつ、トイレ・玄関・ダイニング、浴室、脱衣場なども含む3階建ての全室に音楽配信できるようにしています

  • 1階LDK。作り付けのモルテーニの家具にAVアンプが収まっています
  • 3階のダンスルームにはYouTube配信とカラオケ用のマイクも設置

プロジェクターとテレビの2wayシアターを構成するO邸も。設計から完成まですべて80万円で組み上げています。

  • 家のプランニングから施工まで施主目田でコーディネートしている「僕らの家」プロデュースの部屋に、トムテックがホームシアターをインストール。コスパのよい快適なリビングシアター

いかがでしょう。大画面ホームシアターをリーズナブルに済ませるには、大型テレビとサウンドバーしかないと思い込んでいませんか? 漠然とした理想を語るだけでもいいので、高田馬場にある敷居の低い暖簾を潜ってみてはいかがでしょう。

[店舗概要]
ホームシアターのトムテック
東京都新宿区高田馬場1-16-15 1F
営業時間:10:00 – 20:00
定休日:年末年始
TEL:03−3200−4450
https://www.e-hometheater.jp/