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  • 連載「編集部が行ってみた! 使ってみた!」第1回 ドリーミオ「EF-100」が叶える
    大画面があるライフスタイル!
    EPSON 「EF-100 series」

    取材・執筆 / 長濱行太朗(ホームシアターCHANNEL編集部)
    2019年6月28日更新

類を見ない革新のプロジェクター

ホームシアター製品を実際に使ってみるほど、開発者の声を聞きに行くほど、その製品が持つ可能性や真価に気付かされます。連載「編集部が行ってみた! 使ってみた!」では、ホームシアターファンが気になる製品やヒットモデルのさらなる魅力を見つける!をモットーに、編集部が機器の使いこなしから開発現場への突撃インタビューまで、多種多様にチャレンジしていきます!

  • 今までのドリーミオとは一味違ったデザインと、圧倒的な小型化を実現したエプソンのホームプロジェクター「EF-100 series」の新たな可能性に迫ります!

第1回は、ホームプロジェクターでは類を見ないまるでお洒落なインテリア小物のようなデザインと、部屋のどこにでも持ち運べるコンパクトさで、プロジェクターの新たな可能性を感じさせてくれるエプソン「EF-100 series」の魅力に、開発者へのインタビューを通して迫っていきます!

  • 今回、EF-100 seriesの誕生秘話を探るべく、セイコーエプソン株式会社 豊科事業所に行ってきました! プロジェクター製品の他にも、スマートグラスの「MOVERIO」やロボット事業などの取り組みも行われている事業所です。
  • ホームプロジェクター製品の実際の映像が視聴できる検証用のシアタールームのほかに、出入り口では映像空間演出向けのプロジェクションマッピングを体感できる場も設けています。
  • 取材にご協力頂いたのは、セイコーエプソン株式会社の落合氏、山下氏、奈良氏。(写真左から順に) 開発者陣にEF-100 seriesの製品コンセプトから、本モデルだからこそ味わえるホームシアター体験について語っていただきました!

第2回はこちら>>>国内生産の“技”が光る! プレミアムイヤーチップ

机に置くだけで大画面を楽しめる!

従来のホームプロジェクターとは一線を画すコンセプトから誕生したというEF-100 series。

山下氏「もっと多くの方にプロジェクターを手軽に使って欲しいという思いが、EF-100の開発に繋がりました。大画面のある暮らしに興味がある、けれど製品のデザインや大きさ、配線のわずらわしさや、機器の操作の難しさで断念していた方が、少しでも手軽にプロジェクターを楽しめるようになってほしかったため、机の上にぱっと置いてすぐに楽しめる、そんな楽しみ方を叶えたモデルを目指しました。」

  • ソファに座り、プロジェクターのスイッチを入れるだけで、大画面のある暮らしが手軽に堪能できるEF-100 series。写真は、取材時の風景を撮影したものですが、まさに机にぱっと置いて電源を入れるだけの簡単な操作で、大画面をすぐに投写できました。

取材時、実際に机の上に置かれた「EF-100」の電源スイッチを押してみると、すぐに壁に映像が映し出され、その速さに驚き! この立ち上がりの速さにも、製品コンセプトからくる取り組みがありました。

奈良氏「すでにホームプロジェクターを使っている方は、20秒くらいの電源の立ち上がりに慣れていると思いますが、EF-100 seriesはもっとカジュアルに、“移動できるテレビ”のようなスタイルを目指したモデルなので、瞬時点灯性にも力を入れています。それはレーザー光源の採用理由にも繋がっていて、ビジネスプロジェクターで培った小型のレーザー光源の技術が盛り込みました。」

山下氏「レーザー光源の採用は、プロジェクターの小型化はもちろんですが、映像の明るさや、ランプ交換を気にしないで使える長寿命な点なども大きなメリットです。」

天井投写もできる自由な設置性

手軽に大画面を楽しめるために、壁への投写はもちろん、天井への投写もできる自由な設置性もEF-100 seriesの注目すべきポイントです。

山下氏「手軽に持ち運べてどの部屋でも楽しんでもらいたいため、壁に投写するだけではなく天井にも投写できるようにしています。」

奈良氏「決して広い住宅環境でなく、また壁一面空いているお部屋を作るのが難しい場合も多々あります。けれど、天井があればスペースが空いているお宅はあると思いますし、若い世代でひとり暮らしの方でも、楽しんでもらえる使い方だと思います。」

  • 360°設置できるEF-100 seriesは、タテ置きにすることで簡単に天井投写ができます。寝室でもベッドに横になりながらリラックスした状態で動画視聴を楽しめるのも魅力のひとつです。

山下氏「EF-100 seriesは、正面だけでなく色んな角度から投写してもすぐに見られるように、少し斜めに置いても5秒程度で台形補正が自動で働く機能を搭載しているので、天井にライトがあっても位置をずらして投写することもできます。」

  • 「ベッドに横になりながらスマホで動画を観たりする方も多くいらっしゃいますが、スマホを長時間持っているのってけっこう疲れますよね。そういったわずらわしさからも解放してくれる投写方法です。」と、山下氏。若いユーザーの動画視聴のスタイルも変えてくれる製品であることをアピール。

インテリアに馴染むこだわりのデザイン

一見しただけではプロジェクターと思わない程、従来のホームプロジェクターから一新したデザインのEF-100 seriesは、シンプルながら高級感のあるデザインによってお洒落な家具を思わせます。

落合氏「従来モデルのような曲線の多い外観ではなく、インテリアに馴染むようなシンプルなデザイン、そして多くの方に使ってもらえるように“機器臭さ”を無くしたデザインを目指しました。開発当初は球体などのデザイン案もありましたが、コンパクトさや収納のしやすさ、そしてインテリアを彩るアイテムとしてのデザインを追い求めた結果、角はラウンド形状ながらスクエアなデザインになりました。また突起形状のない筐体にしたことで縦置きでも使えるデザインなど、細部に渡りこだわり抜きました。」

  • 本棚やリビングボードなどに置いても馴染む、お洒落なインテリア小物のようなデザインのEH-100 seriesは、スクエアなボディデザインによりモダンさを感じさせます。
  • 吸排気部分を正面から覗いても機器の内部が見えないようにすることで、光源の光漏れを防ぐだけでなく、さらに機器臭さを減らし、スタイリッシュさも高めています。

落合氏「また、プロジェクターに馴染みのない方も気にせず使えるように、ボディの加工やカラーにも新たな要素を取り入れました。ボディ表面にはプラスチックっぽさなくすため、シボ加工を採用しています。カラーでは、ブラックにはカッパー、ホワイトにはシルバーのアクセントカラーを取り入れたました。これらの取り組みによって、欧米の家具をイメージさせるような外観デザインに繋がりました。」

  • ボディ表面に加工されたシボ加工は、レザーのような質感で高級感を与えるだけでなく、手に馴染むさわり心地のよさも特長です。

こだわりはパッケージにも

デザインへのこだわりはボディだけに止まらず、パッケージのデザインにも従来モデルにはないアプローチが施されています。

落合氏「パッケージからも製品が持つコンセプトを感じてもらえるように、開封した時に“プロジェクターがある世界にようこそ”という意味を込めたデザインが施されています。また、EF-100 seriesのボディデザインがパッケージから分かるだけでなく、使用シーンのイメージカットも入れることで、プロジェクターがあるライフスタイルを印象付けるパッケージデザインになっています。」

また開発当初から、特に女性からの視点を重視してデザイン開発を進めるといった新たな手法も取り入れています。プロジェクターだから味わえる映像体験を多くの方に届けたいという想いが、男性だけでなく女性からも魅力的に映るデザインの実現に繋がったようです。

  • パッケージを開けると「WELCOME! To a new experience」の文字が。EF-100 seriesを手にすれば、すぐに日常を変えてくれる映像体験を味わえるというコンセプトがダイレクトに伝わってきます。
  • 「価格以上の満足感やプロジェクターを手に入れた喜びを感じてほしい。」と落合氏が語ってくれました。

新設計で最小サイズの3LCDレーザープロジェクターを実現

エプソンのホームプロジェクターならではの特長が、3LCDデバイスを採用していることによる色再現性に優れた映像です。それを成し得ながら、従来モデルにないコンパクトさを実現したのには、どのような背景があったのでしょうか。

奈良氏「EF-100 seriesのサイズは、エプソン3LCDレーザープロジェクターのラインアップで、最小サイズを実現しました。ここまでのコンパクト化は非常に困難でしたが、やはりエプソンが大切にしてきた高い色再現性を初めてプロジェクターを楽しむ方に体感してもらいたいので、エプソンプロジェクターで最小の3LCDの開発に取り組みました。本モデルの光学エンジンは新規設計したもので、一概に数字で表せませんが、5000ルーメンクラスのビジネスプロジェクターと比較しても半分以下のサイズに抑えています。また2000ルーメンの高輝度を味わえるのは、やはりレーザー光源ならではです。」

  • レーザー光源の採用は、コンパクト化はもちろんのこと、2000ルーメンの明るい映像投写ができたことにも繋がっています。蛍光体、拡散板、その他光学部品の小型化を実現し、またパーツの選定も他モデルとは異なり、レンズ関連やミラー関連もEF-100 series専用の部品を使っていて、ほとんどの設計が新規という意欲的なモデルなのです。

小型化の実現にはレーザー光源の採用が欠かせなかったと語ってくれていましたが、レーザー光源によるメリットはファンの静音性にも繋がっているようです。

奈良氏「ファンの音が大きいと、どうやっても視聴の妨げになってしまうため、その静音性を高めるために効率の良いクーリングも採用しています。これはレーザー光源だからこそ実現できた部分でもあります。また少し短焦点を意識してレンズ枚数を最適化し、コンパクト化を実現しました。」

  • 「EF-100 seriesのために作り上げた新規設計によって、これだけの小型化を実現しながらも、エプソンホームプロジェクターならではの画作りを堪能できます。」と、奈良氏が語ってくれました。

ウェルカムガイドも初めて採用

プロジェクターをさらに手軽に使ってもらえるよう、EF-100 seriesから新たに採用された「ウェルカムガイド」機能。本体の電源を入れ、最初に映し出される使い方をアシストしてくれるガイド機能です。

奈良氏「初めてプロジェクターを使う方が、少しでも手軽に使えるように、『ウェルカムガイド』の機能を入れました。天井投写ができることや、Bluetoothスピーカーとの接続方法、またカラーモードの選び方やリモコン操作の仕方など、できる限り簡単に使ってもらえるように工夫したところもこだわりです。」

  • 電源を入れると「ウェルカムガイド」による操作解説がスタート。「ようこそ! 迫力の大画面をお楽しみください」の文字が映し出され、壁や天井への投写による楽しみ方や、Bluetoothのペアリング方法などレクチャーしてくれます。

初めてプロジェクターに触れる方にも簡単に使ってもらえるよう、本体には5つ、リモコンには16個と、操作ボタンの数をできる限り減らして簡略するなど配慮されています。

動画配信もすぐ楽しめるモデルも

今冬には、エプソン製のAndroid TV端末を同梱した「EF-100WATV」、「EF-100BATV」の2機種も登場。プロジェクターを箱から出して、すぐにストリーミング動画配信の視聴を楽しめるだけでなく、プロジェクターのリモコンひとつだけで全て操作できる利便性も備えているモデルです。

山下氏「スマホ/タブレット、PCなどで動画視聴している方にプロジェクターによる大画面で動画を楽しむ魅力を知ってほしい、そしてテレビのように電源ケーブルを一本繋げて電源を入れるだけですぐに動画視聴を楽しめるモデルを出したいという想いが、EF-100AWTV/BATVの企画に繋がりました。海外ではストリーミング動画配信を楽しむことが当たり前になっています。それをプロジェクターの大画面で視聴するという、新たなライフスタイルとして提示できればと思いました。」

EF-100 seriesは、基本的にHDMI入力端子の1系統にコンテンツの入力を絞っており、端子部分にはエプソン製のAndroid TV端末をはじめ、メディアストリーミング端末を収納できるスペースを設けた、すっきりとしたデザインを実現しています。

  • 接続端子部分は、接続したケーブルが目立たないような構造を採用したことで、デザイン性を崩すことなく動画視聴を楽しめるデザインになっています。

理想的な“オール・イン・ワン”

EF-100 seriesは、この他にもスピーカーを内蔵していることで、プロジェクター1台で画と音の両方を楽しめる点や、BluetoothコーデックのaptX対応を果たすことで、手持ちのBluetoothスピーカーと繋いで高音質ワイヤレスの環境が作れること、さらにヘッドホンを繋ぐこともできるので、パーソナルな環境で大画面での動画視聴を堪能できるなど、使い方の幅を広げる優れた機能性を備えたモデルです。

今までのモデルとは全てが違う、スイッチひとつで大画面がすぐに体験できる、理想的な“オール・イン・ワン”モデルであるEF-100 series。国内最大級のオーディオビジュアル機器の総合アワード「VGP2019 SUMMER」でも高く評価されていて、映像音響部会「特別大賞」、さらにライフスタイル分科会で「企画賞」に輝くなど、オーディオビジュアルのプロも認めるモデル。新たな日常を作り出してくれる、間違いなしのプロジェクターです!

  • 「VGP2019 SUMMER」は、2000を超えるオーディオビジュアル機器がエントリーされ、プロの評論家を販売店による厳正なる審査からお薦めアイテムが選定されます。EF-100 seriesは、映像音響部会「特別大賞」、プロジェクター(10万円未満)部門で金賞、さらにライフスタイル分科会「企画賞」を獲得するほどの注目モデルです。

LINEUP

  • EPSON
    EF-100W/B
    ¥OPEN(実勢価格¥97,000前後)
    プロジェクター

    EF-100WATV/BATV
    ¥OPEN(実勢価格¥102,000前後)
    プロジェクター(エプソン製 Android TV端末同梱)

SPEC

[EF-100W/B]
●投写方式:3LCD方式 ●投写デバイス:0.59型ワイドポリシリコンTFT液晶パネル ●表示解像度:1280×800 ●レンズ:1.35倍デジタルズーム ●投写サイズ:30型~150型 ●光源:レーザーダイオード ●明るさ:2,000lm ●ダイナミックコントラスト:2,500,000:1 ●騒音:26dB(最小) ●内蔵スピーカー出力:5W
●対応Bluetoothコーデック:aptX、SBC ●主な入出力端子:HDMI入力×1、USB-A入力×1(ストリーミング動画端末用)、ヘッドホン出力×1 ●消費電力(待機時):178W(0.4W) ●外形寸法(W×H×D):210×88×227mm ●質量:約2.7kg

取材協力

  • セイコーエプソン株式会社
    ビジュアルプロダクツ事業部
    VPデザイン部
    落合氏
  • セイコーエプソン株式会社
    ビジュアルプロダクツ事業部
    VP企画設計部
    奈良氏
  • セイコーエプソン株式会社
    営業本部
    VP営業部
    山下氏

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