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  • BANG & OLUFSENサウンドバーを、インテリアとして空間に馴染ませる方法 カリモク家具が手がける専用家具プロトタイプの詳細をレポート

    取材・執筆 / ホームシアターCHANNEL編集部
    2023年11月6日更新

BANG & OLUFSEN(以下B&O)とカリモク家具は、東京・代官山に「Bespoke」と題して、2023年10月14日(土)までの期間限定ショールームを公開しました。この場所で初めて披露された“B&Oサウンドバーのためにオーダーメイドでつくられた家具”と、そこから垣間見える、2つのブランドの卓越したクラフトマンシップについて、ご紹介します。

インテリアにオーディオを溶け込ませるアイデア

B&Oのオーディオ製品といえば、美しいサウンドはもちろん、アイコニックなデザインも魅力のひとつです。しかし、意外と知られていないのですが、お部屋の意匠やインテリアの雰囲気に合わせて、素材やカラーを選択できるモデルもあります。

「Bespoke(オーダーメイドの意味)」のタイトルを冠したショールームでは、そのカスタマイズ性の高さを生かして、ユニークな展示が行われました。オーディオ製品を居住空間にどのように馴染ませるかは、ホームシアターにおける大きな課題です。Bespokeでは、空間をまるごとデザインすることで、「部屋に置いてみると実際はどう見えるか」、「どのシチュエーションでオーディオを楽しむか」、ライフスタイルを身近に想像しながら、製品に触れられるようにしたそうです。まさに、インテリアにオーディオを溶け込ませるアイデアに満ちたスペースです。

  • 会場は吹き抜けの2フロアで、空間デザインは建築家の芦沢啓治氏が、スタイリングは作原文子氏が担当。
  • 会場は実際の製品に触れながら“パーソナル”な時間が過ごせるようデザインしたそうです。
  • 1F奥にはテレビシアターも。左右に設置されたスピーカーB&O「Beolab 50」のカラーはカスタマイズされています。
  • ポータブル製品もライフスタイルの一部として触れられるようにスタイリングされています。こちらはブックシェルフWi-Fi型スピーカー「Beosound Emerge」と、Bluetoothヘッドホン「Beoplay HX」。

B&Oサウンドバー専用家具を参考展示

ここでご紹介したいのは、B&Oのプレミアムサウンドバー「Beosound Theatre」のために、カリモク家具がオーダーメイドでつくった家具のプロトタイプです。単なるパッケージとしての提案ではなく「空間にサウンドバーを埋め込んでいく」ことをテーマに、空間へ完全に調和するデザインを追求したといいます。

  • BANG & OLUFSEN「Beosound Theatre
    サウンドバー前面のソリッドオーク部品と布製カバー、下部のアルミニウムはカラーのカスタマイズが可能です。サウンドバー下部の形状はヨットの船体をモチーフにデザインしているそうです。
  • こちらがプロトタイプの家具。ディテールはBeosound Theatreに寄せながら、テレビやプロジェクターなど様々な映像演出を想定し、一般的なテレビボードよりも深い奥行設定となっています。躯体を支える脚は音の広がりを意識した横幅になっているとともに、さまざまなモニターサイズに対応できる家具としての機能も備えています。
  • 両側は収納スペースになっており、Wi-Fiルーターなども十分に収まるサイズ。扉はじゃばらのデザインですが、縦のスリットごとに一つのパーツになっているため、曲線的な開閉を可能にしています。カリモク家具としても初の試みだったそうです。
  • 美観を重視して、サウンドバーの奥行きの半分のところでラインがぴったり一致するように、家具がデザインされています。
  • 1枚の板のように見える天板は、実は複数枚の無垢材によって作られています。資材調達から一貫して監理されるカリモク家具の生産体制の中で天板のように設えることで、木目の表情が美しい仕上がりとなっています。

もちろん、このラックは美しいだけでなく、音質にも妥協はありません。サウンドバーの性能を引き出す設計が取り入れられています。また、ケーブルの通線や放熱の問題もクリアされています。

  • 視聴位置からはサウンドバーの奥行き後ろ半分が見えないように設計されていて、いざ設置してみると実寸よりもコンパクトに感じられます。また音の広がりを損ねないよう、サウンドバーが家具よりも少しだけ前にせり出す設計となっています。
  • サウンドバーの左右に余裕をつくることで、音の広がりを損ねないように配慮されています。
  • 内部の配線口を活用して、機器の接続や電源コンセントまでの通線が可能。上の画像がサウンドバー裏側、下の画像がラック下部の扉のなかです。

スタイリングのこだわりを一部ご紹介

B&Oとカリモク、2つのブランドに共通するのは、卓越したクラフトマンシップです。上質なライフスタイルを実現するために、美しいだけでなく、機能性も追求されていて、そのプロダクトは細部にまでこだわりが詰まっています。

  • シアタースペースはオーク素材合わせでスタイリング。空間に丸みをプラスする柔らかいデザインのサウンドバー専用家具に、カリモクケーススタディ「A-S01 | Sofa」を組み合わせています。背面の直線でシアターをゆるやかにゾーニング。ローソファなので後方からも映像を視聴できます。
  • テレビシアターはスピーカーのカラーと合わせて和のテイストを感じさせるスタイリングに。カリモクニュースタンダード「Elephant Sofa」はアームレストに腰かけて背中越しに会話できたり、またローソファのためソファ越しに映像を見たりと、多人数でシアターを楽しむのにぴったりなデザイン。
  • B&O「Beosound A9」は、音質をアップデートしながらデザインを受け継いできたブランドの代表製品のひとつ。フレームやカバー、脚の素材とカラーをさまざまにカスタマイズできます。画像はオーク素材の脚にゴールドのフレームをチョイスし、オーク素材の家具とマッチさせたそう。
  • カリモクニュースタンダードより、配置や数によって自由にセッティングできるソファ「Castor Lobby Sofa System」をチョイス。ポータブルスピーカー「Beosound Explore」が、上質なインテリアの一部に溶け込んでいます。
  • 展示用の什器も、Bespokeの空間デザインに合わせてカリモク家具が制作していました。

B&Oのサウンドバーは正規代理店や取り扱いショップで、カリモク家具の家具は同社ショールームにて、それぞれ体験することができます。オーディオとインテリアを美しく融合させるアイデアに悩んでいる方は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。