VGP phileweb

レビュー

  • エプソン「EH-LS800B/W」 テレビのように使える!
    エプソン4K超短焦点プロジェクター
    壁からわずか約2.5cmで80インチの大画面ホームシアター
    VGP2023「特別大賞」と「金賞」を獲得!

    取材・執筆 / 鴻池賢三
    2022年12月15日更新

    • VGP審査副委員長
      鴻池賢三

エプソンの4K超短焦点プロジェクター「EH-LS800B/W」は、高画質と機能性がプロの評論家に認められ、VGP2023で「特別大賞」と「金賞」を獲得しました。Android TV OS搭載、壁からわずか約2.5cmの距離で80インチの大画面ホームシアターを実現できる、いま注目のオールインワンプロジェクターです。

フラグシップ譲りの高画質、設置性と機能性も向上した

エプソンの「EH-LS800」は、オーディオビジュアルの総合アワードVGP2023で、「金賞」に加えて「特別大賞」を獲得した、新しい家庭用プロジェクターです。

エプソン独自の透過型液晶デバイス「3LCD」を搭載する、レーザー光源の4K/HDR対応モデルで、従来機「EH-LS500」と比べると、本体の横幅は70センチ弱とやや大柄になったものの、投写部の飛び出しがなくなり、フラットかつスマートな形状になりました。さらに、壁からわずか約2.5cmの距離で80インチの映像を投写することが可能で、より「近距離で大画面」を実現しています。また、従来よりも映像をより低い位置に投写できるようになり、ラックなどの上にも設置しやすくなりました。テレビとの置き換えも視野に入ります。

そして最大の進化ポイントは、フラグシップ「EH-LS12000」と同じICチップを搭載したことです。これによって大幅な高画質化を実現しています。たとえば4K映像でも有効なフレーム補完、自動コントラスト、シーン適応ガンマなど、映像や視聴環境に応じてより高画質を引き出す機能が充実しました。つまり、ライフスタイルに寄り添う提案を強化させながら、画質はフラグシップ直系というわけです。

PHILE WEBの記事「エプソン『EH-LS12000』の魅力」を読む

  • エプソン独自の「4Kエンハンスメントテクノロジー」により、4K信号の入力、4K相当の高画質表示が可能です。さらにフラグシップ「EH-LS12000」と同じ画像処理チップを投入し、フレーム補完や自動コントラスト調整など高画質技術を惜しみなく注ぎ込んでいます。
  • 明るく色鮮やか、フリッカーがなくて目に優しい、エプソン独自の3LCD方式。ここにレーザー光源を掛け合わせることで4,000ルーメンの高輝度と広色域を両立させています。電源を入れてすぐに使えたり、寿命が20,000時間と長かったりするのもメリットです。

そもそも超短焦点プロジェクターは、映像光を急激に拡散させ、かつ、急角度に反射させる必要があり、歪みや輝度ムラの少ない映像を両立することは、技術的に難易度が高い課題です。歪みについては、スマホアプリ「Epson SettingAssistant」が利用可能になりました。壁面投写とスクリーン投写を選択し、表示された補正用映像パターンをスマホカメラで撮影すると、自動で最適化してくれるという新機能です。特に壁面投写時は、壁面のゆるやかな凹凸が映像の歪みとなって現れますが、こうした補正を手動で行うのは非現実的。身近なデバイスを活用するというのは、画期的な方法です。実際に試してみると、特に歪みが大きくなりがちな、画面上部付近の補正効果は明らか。キレイに整った長方形の映像が得られました。そのほか、放熱ファンの音が従来よりも静かになったことは、好ましい進化点です。

また、Android TV OSを搭載していて、Google Play Storeを通じてアプリが自由に追加インストールできるのも魅力的です。新機能「フレキシブルスクリーン」は、映像の縮小や移動といった調整ができ、さらに映像の左右反転も可能とユニークな機能です。自宅でヨガやダンスの練習といった際、通常は映像と自身の動きが左右逆になってしまいますが、反転機能を用いれば問題が解消する、というわけです。とても便利で実用的な機能といえるでしょう。

  • 壁から約2.5cmで80インチを表示する超短焦点設計。オフセット値を抑えたので、従来モデルよりも映像を低い位置に投写できるのもメリットです。さらに専用アプリを使えば、投写画面を撮影するだけで、簡単に映像の歪み補正ができるのも便利です。
  • シネマ画質はしっとりと。ビデオ系は明るくビビッドに

    ここからは画質をレポートしていきます。まずは映画コンテンツで画質をチェックしてみましょう。

    映像モード「シネマ」を選択して、Ultra HDブルーレイで『ハドソン川の奇跡』を視聴しました。全体を通じてなめらかで、しっとりとした風合いが印象的です。特に日中の明るいシーンは陽光の繊細な描写から、空気の存在を感じるほど。映像の絶対的な明るさと、4K/HDRのハイスペックが威力を実感するシーンです。日没後のマンハッタン街の映像も、暗部諧調が適度に維持され、奥行き表現が上々でした。薄暗い中でも色数が多く、ネオンの発色が濃厚で、行き交う車やビル窓などの反射が艶やかで、心に沁みます。

    実は「シネマ」モードは、デフォルト状態で「シーン適応ガンマ」や「ダイナミックコントラスト」といったエンハンス機能により、画作りを加えたものになっています。フラグシップ「EH-LS12000」譲りの高精度な映像処理のアドバンテージを感じる、本機の特性も併せて、魅せ方の妙を感じる完成度でした。

    ちなみにもし、完全暗室で高画質ソースをより制作者の意図に忠実に楽しむなら、映像モード「ナチュラル」を選ぶとよいでしょう。こちらはシネマモードよりも画作りが控えめに設定されています。

    テレビ的な使い方をする、言い換えると照明がある状態で、バラエティー番組、スポーツやニュース、YouTube動画などを見る場合は映像モード「ビビッド」の活用を。レーザー光源によるパワフルな明るさが、カラー映像も白色と同様に明るい3LCD方式の特性と相乗効果を生み、鮮明な映像を楽しむことができます。自然の映像では空や海の青さが際立ち、記憶を呼び覚ますことで、リアリティーが増して没入感も高まります。スポーツもビビッドで力強い発色だと、選手の躍動感や会場の興奮まで感じられるかのようです。

    また「適応レーザーライト出力」機能は、レーザー光源の特長である明るさを柔軟に調整できる性質を応用し、室内環境に応じて映像の明るさを調整するもの。明るい部屋ではより力強く、暗い部屋では眩しさを抑えて省エネにもあります。こうした調整が手間なく自動で行えるので、テレビのように手軽かつ、いつも最大限のパフォーマンスを発揮させることができます。音質のよさにも驚きました。

    ヤマハ製の2.1chスピーカーは明瞭で心地よく、低音もリッチです。画面とのマッチングも良好だ。幅広のボディを活かしたサウンドバーに迫るサウンドは魅力的だ。何より、本機1台で大画面と良質なサウンドの両方が手に入るのは、設置や取り扱いの面でも有利です。

    光源はレーザーならではの明るさで、長寿命かつ起動も俊敏。光学系の見直しにより、設置性も向上しています。ネット動画の視聴機能も内蔵し、話題のドラマや映画にも手軽にアクセスできます。EH-LS800は、まさにテレビがわりに使える4K超短焦点プロジェクターといえます。日常に超大画面を採り入れれば、毎日の生活がもっと楽しくなりそうです。

    年末までの期間限定! 最大¥50,000のキャッシュバック

    ちなみにエプソンでは現在、プロジェクターの買い替えで最大¥50,000のキャッシュバックが受けられるキャンペーンを実施中。VGPアワードで金賞を獲得した本機をはじめ、エプソンの新世代プロジェクターに買い換えるなら、いまがチャンスです。詳しくはホームページ(https://www.epson.jp/products/dreamio/campaign/rcp2022/)で。2022年12月31日までの期間限定となっていますので、興味のある方はお急ぎください!

    SPEC

    超短焦点プロジェクター
    エプソン
    EH-LS800B/W
    ¥OPEN(直販サイト価格 ¥451,000/税込)

    SPEC ●方式:3LCD ●光源:レーザー ●パネル画素数:1920×1080 ●スクリーン解像度:4K※ ●明るさ:4000ルーメン ●コントラスト比:2,500,000対1以上 ●入出力端子:HDMI×3、USB-A×2、アナログ音声出力×1(ステレオミニ)、光デジタル音声出力ほか ●外形寸法:695W×145H×341Dmm ●質量:約12.3kg
    ※4K信号を入力し、4Kエンハンスメントテクノロジーによる4K相当の高画質で表示します。