本連載でたびたび取り上げているTHE・定番のインテリア製品。本稿では、ホームシアターでも活躍する照明の定番として「TOLOMEO(トロメオ)」を紹介します。それは、次回紹介予定の革新的な最新の照明シリーズ「Ixa」と「Vine」の元になっているといえるからです。
デスクスタンドの定番といえば「トロメオ」
「TOLOMEO(トロメオ)」は、1989年にミケーレ・デ・ルッキとジャンカルロ・ファッシーナによって世に放たれるや、イタリア照明のアイコンとなり、世界中のオフィスや家庭に広まりました。2年後にはイタリアの権威あるデザイン賞Compasso d’Oro(コンパッソ・ドーロ)を獲得しています。
- ARTEMIDE「TOLOMEO TABLE (SILVER)」
¥105,600(税込)
- ARTEMIDE「TOLOMEO FLOOR」
¥165,000(税込)
TOLOMEOは代表的なテーブルスタンドとフロアスタンドのほかに、壁付け、サスペンション、アウトドアなど多くのバリエーションを揃える照明シリーズ。デザインにくわえて、サイズやカラーにも展開があります
二つ折りのアルミニウム製のアームは、ステンレスのワイヤーによって任意の位置に静止できる仕組み。左右に160度、手前に30度前傾しますが、決して後ろ側には倒れません。背後に壁面があることを想定しているからです。
電源は、光源からアーム内部を通ってコンセントプラグまでが一本の電線と、極めてシンプル。スイッチは光源を納める傘の部分(シェード)の根元に付いていますので、フロアタイプになってもフットスイッチではなく、同じ操作方法でON/OFFがおこなえます。
シェードには穴が空いており、放熱のほか投射方向の背面側をもふんわり照らします。さらにシェード自体も360度回転するため、壁面に向けて照射すれば、いわばバウンスライトとして極上の間接照明にもなります。
ホームシアターユーザーには、手元の明かりとしてテーブルスタンドを選ぶもよし、パーソナルチェアに合わせて1メートルほどかさ上げされたフロアランプを選ぶのもよいとおもいます。
余談ですが、私のいま愛用している眼鏡、実は「ジンズ デザインプロジェクト」のミケーレ・デ・ルッキのデザインだったりします。
- ミケーレ・デ・ルッキはイタリア・ミラノを拠点として世界的に活躍する建築家。イタリア国内外で多くの建築や家具デザイン、美術館のプランニングなどを手がけます。ジンズのミケーレデザインは、本人が掛けていたオリジナルメガネから着想を得て作ったフレームだそう
イタリア照明ブランド「アルテミデ」とは?
ARTEMIDE(アルテミデ)は、1960年にErnesto Gismondi(アーネスト・ジスモンディ)によって設立されたイタリアの照明ブランド。「The Human Light」の理念で知られ、設立当初から技術研究、建築家とのパートナーシップ、社会文化的調査にもとづいた革新的な製品づくりをおこなってきました。1994年にはCompasso d’Oroキャリア賞、1997年にはEuropean Design賞、2012年にはLeonardo Italian Quality Prizeを受賞しています。
パッと目を惹く斬新なデザインは、単に見た目の意匠だけではなく、確固たる光のデザインと技術革新にもとづいているのです。実際、2016年だけで10件の特許を取得しています。
- ARTEMIDEの代表作としては、今回紹介した「TOLOMEO」(1989年、ミケーレ・デ・ルッキとジャンカルロ・ファッシーナ)のほかにも、「ECLISSE」(1967年、ヴィコ・マジストレッティ)、「PIPE」(2004年、ヘルツォーク&ド・ムーロン)、「IN-EIコレクション」(2014年、三宅一生)などがあり、Compasso d’Oro(コンパッソ・ドーロ)を受賞しています
お問い合わせ先
「Artemide Tokyo Showroom」
東京都港区東麻布1-23-5 PMCビル8F
TEL:03-6230-9912
営業時間:11:00〜17:00(アポイント制)
定休日:土曜日、日曜日、祝日
都営大江戸線『赤羽橋駅』より徒歩2分