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  • 4つの調光方式・メリットを名門ルートロンに学ぶ! LED時代の本格調光システムとは? DALI調光システムなど、日本国内の調光事情を総ざらい

    取材・執筆 / 遠藤義人
    2024年6月19日更新

    • ホームシアター・コンシェルジュ
      遠藤義人

ホームシアターの環境づくりにきわめて重要な部屋の照明。照明のON/OFFだけでなく、映画館のようなワクワクする空間演出、人を招いてのホームパーティはもちろん、リビングシアターなら衣食住の生活空間からのシーンチェンジが欠かせません。新築・リフォームのチャンスには、効果的な調光をぜひ検討してほしいと思います。

従来の白熱灯やハロゲンなどでは、電流の絶対量自体を調整することで調光が可能でしたが、LEDが主流となったいま、その事情はかなり異なります。そこで今回は、LED照明時代の調光方式についておさらいしましょう。光をコントロールする“調光システム”の老舗・ルートロンへの取材をもとに解説していきます。

ルートロンによる調光システムの魅力とは?

国内の主な調光方式は4つある

日本国内で主に用いられている調光方式には、(1)位相制御、(2)PWM制御、(3)DALI調光、(4)DMX制御があります。

(1)位相制御方式

位相制御方式とは、従来から白熱灯照明器具でもおこなわれてきた制御方式。AC電源線2芯の途中に調光器を咬ませることで電流の量を直接調整し、照度をコントロールします。

LED時代において、この方式を採用する際は、使用する照明器具として「調光タイプ」を選ぶ必要があります。また調光タイプの照明器具であっても、調光器とLEDランプの相性問題があり、チラつかないか、最低照度のどこまで粘れるかなどを、確認する必要があります。

(2)PWM制御方式

PWM(Pulse Width Modulation)制御は、AC電源線2芯のほかに、PWM信号線2芯を採用する4線式。いわゆるスイッチング電源で、PWMインターフェイスからのPWM信号で電力を調整します。

調光型蛍光灯(PWM制御)ならば配線替えせず置き換え出来るメリットがあります。もっとも、やはりこれにも相性があり、点灯しなかったり、チラつきや唸り音が生じることもあります。

(3)DALI調光方式

DALI(Digital Addressable Lighting Interface)は1990年代にヨーロッパで策定された国際規格に基づく照明制御方式。オープンプロトコルなので汎用性が高く、2017年以降は「DALI-2」規格が策定されて今に至ります。AC電源線2芯と信号線2芯の4線式。

DALI調光器を使う必要はありますが、信号線をとりあえず直列に繋いでおけば、照明器具それぞれに振られたアドレスを元に個別に制御が可能。配線を変えなくても、あとからグルーピングを変えたり、アプリでの細かい設定が容易です。

また、DALIー2対応であれば動作保証されているのもメリットです。

(4)DMX制御方式

こちらはAC電源線2芯と、DMX信号線3芯の5線式。DMXインターフェイスを咬ませ、DMX512信号により調光・調色する方式で、米国芸術技術協会発の信号規格です。舞台や照明演出など、プロ用の機材としてよく利用されています。

図版提供:ルートロン アスカ株式会社

操作は壁付きユニットやリモコンで

調光をするための機器としては、ルートロンであれば、前回紹介した「GRAFIK Eye QS(グラフィックアイ QS)」のような壁付けのコントロールユニットのほか、補助コントロール、ワイヤレスリモコン、暗くなったら点灯する光センサーや、人影を感知して点灯する人感センサーもあります。

これらを対応する照明器具と組み合わせることで、最適な調光システムを構築できます。ルートロンなら、もちろんこれらを混在させて制御することも可能です。

  • GRAFIK Eye QS」は、リモコンから赤外線信号を受けて制御もできますし、設定した都市の日の出日の入りに合わせたタイマーでの制御なども可能
  • 個別の部屋の壁に付けてシーン呼び出しが可能な補助コントロール。写真の「PALLADIOM(パラディウム)」キーパッドは、環境光に合わせてバックライトが自動調光されます(GRAFIK Eye QSシステムでは使用できません)
  • 「Pico(ピコ)」ワイヤレスリモコン。手に持つこともできますが、電池式なので配線のない壁に両面テープで貼り付けたり、テーブルトップスタンドとともに卓上に置いたりすることも可能

即座にシーンチェンジ&省エネに寄与

以上の“調光方式”と“調光機器”を適切に組み合わせることで、生活シーンと上映シーンといったように、シーンに応じた照明環境にすぐ切り替えできます。

たとえばひと間つづきのLDKなら、リビング/ダイニング/キッチン、といった“ゾーン”ごとに照明を配置してグループにわけ、食事/くつろぎ/全灯といった、“シーン”をつくって記憶させれば、夕暮れ→食事→カクテルタイムetc.といったシーンチェンジごとに最適な照明環境を得られます。

日々のムードが豊かになるのはもちろん、不必要な照明は適宜暗くできるので省エネにもなります。

  • 朝のシーンから夕暮れ、夜のシーンも演出

汎用性の高さならDALI調光がおすすめ

とりあえずつないでおけば、あとから個々の照明に振られたアドレスを手がかりに調光プログラムが組めるDALI-2規格。照明一灯一灯との双方向通信が可能なので、いまどの器具が点灯しているか否か、故障していないかが手許でわかるのもメリットで、AV機器や電動シャッター、エアコン、給湯器などを一括コントロールする「ホームオートメーション」(クレストロンやAMXなど)との親和性が高いことでも知られています。

もっとも、歴史はそれなりに長いのにもかかわらず、DALI規格の日本国内での普及はまだまだ。もっともっと注目したいところです。

応用編・ルートロンの調光システムを採用したシアター事例を見る

次回は、カーテンと連動したトータルライトマネジメントシステム「Quantum(クアンタム)/Athena(アシーナ)」について紹介してまいりましょう。

お問い合わせ先

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東京都港区赤坂2−2−19−5F
TEL:0120−08−3417
https://lutron.jp

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