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実例

  • 専用室シアターCASE8
    デザインとオートメーションにこだわった地下室
    クリエイティビティが生まれる劇場

    取材・執筆 / 塚田真由子(ホームシアターファイルPLUS編集部)
    2020年5月27日更新

クリエイティビティの原動力となる映画館

自然光が射し込む地上階とは一転、地下室に降りると、重厚感のある空間が広がります。目を引くのは、壁面に貼り込まれた野趣あふれる石。独特の質感が照明を受けて豊かな表情を見せます。そんなこだわりの住まいと美しく調和するホームシアターを手がけたのは、アバック新宿本店(CSC)。総合プロデュースは諏訪勇治氏が担当しました。

  • スクリーンは特大サイズの130インチ。上部のブラックマスクの裏にスピーカーが設置してあるため、音を透過するサウンドスクリーンを選びました。

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仕事仲間と情報共有ができる空間

「地下室は仕事部屋です。仕事仲間と会議をしたり、映像や資料を大勢で共有するために大画面を導入しました」と、施主のNさん。
実はNさんは、エンターテイメント業界の第一人者。その立場上、映画やゲームなどの話題作をひととおりチェックするための部屋でもあるといいます。

  • 約40畳という広大な地下室にインストールされたホームシアター。仕事仲間との打ち合わせスペースにもなっており、大画面に映し出された映像や資料を見ながらディスカッションしているといいます。
  • 「大画面でゲームを楽しみたい」。それがホームシアターをもともとはじめたきっかけだと語るNさん。「Nintendo Switch」、「PS4」、「Xbox One」などのゲーム機があり、話題作は必ずチェックしているといいます。

試行錯誤し想いを具現化した専用室

数度目のホームシアターづくりになるNさんが重視したのは「デザイン」と「オートメーション」。「音響にこだわりたい気持ちもあるのですが、スピーカーやAVアンプを目につくところに置くと、妻に嫌がれてしまう。だから、今回はスピーカー構成も5.2chとシンプルにし、機器が見えないようにすることがテーマでした」とNさん。
諏訪氏は、設計を手がけたアーキサイトメビウスの設計士と何度も打ち合わせを重ねて、Nさんの想いを具現化していったといいます。

  • ソニーの85インチ液晶テレビ「KJ-85X8500F」を壁掛け設置。両サイドの白い壁はスライド式のホワイトボードで、打ち合わせ内容を書き出して仕事仲間とイメージを共有しているといいます。
  • ヤマハのスリムなサブウーファー「YST-FSW150」を2基使用し、ラック下にすっぽりと収納。
  • 機器を収めているラックは寸法などを諏訪氏がアドバイスして造作。AVアンプやUltra HDブルーレイレコーダーのほか、任天堂「Nintendo Switch」や「Xbox one」などが収められています。

機器のビルトインと操作性をとことん追求

スクリーン両脇にスライド式のホワイトボードを導入し、収納棚を設えることが決まっていたため、フロント、センターのB&Wの「HTM62 S2」3基を天井真下のラックにビルトイン。また、それらスピーカーの音が透過するようにサウンドスクリーン130インチを導入。4K/HDR対応プロジェクターは隠蔽するため、バースペースの下がり天井を開口して設置。空間デザインを損ねない見事なインストールです。

  • 天井真下のスペースには、B&Wの「HTM62 S2」をフロント、センタースピーカーとして設置。存在感を隠しつつ、音を通すようにルーバー扉で覆っています。スピーカー下にはゴム状のシートを敷くなど、振動対策も万全。
  • ホワイトボードの裏は収納棚になっており、ゲームコントローラーなどが収納されています。

簡単操作で仕事も効率アップ

ホームシアターやゲームの機器はすべてiPadで操作できるようになっています。
「仕事仲間と大画面で自分たちの説明会などの映像を観ましたが、4Kプロジェクターは高精細で、説明会場のお客様の表情が手に取るようにわかりますね」とNさん。
さまざまなジャンルにおいて素敵な感動を届けてくれるNさん。そのクリエイティビティの原動力が何なのか、このホームシアターを訪れると、よく理解できます。

  • iPad miniをタッチするだけで、ホームシアター機器の操作はもちろん、Apple TV 4K、ゲームへの入力切り替えもできます。
  • あかりのシーンはルートロンの調光装置で制御しています。
  • 視聴位置後方の様子。リアスピーカーには埋め込みタイプを選び、機器の存在感を感じさせないようにしています。バースペースには10人掛けられるテーブルのほか、キッチン、さらに奥には書籍や雑誌など膨大な蔵書を収めた書棚があります。
  • ソニーのプロジェクター「VPL-VW855」は下がり天井を開口してビルトイン。レンズ部分だけスペースを開けています。プロジェクターの左側には直径100mmのダクトを設け、吸気に配慮しています。
  • 写真左上からインストーラー諏訪勇治氏、プログラム 栗原淳氏、下段左から工事課 岩崎嘉之氏、工事課 大城浩也氏。

写真/広井一成

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N邸ホームシアター概要

ROOM DATA
●住宅形態:戸建/新築 ●家族構成:夫婦 ●ホームシアターの広さ:約40畳 ●画面サイズ:130インチ+85インチ ●サラウンド:5.2ch ●インストール内容:機器設置、システム ●プランニング、かんたん操作 ほか

SYSTEM LIST
●プロジェクター:ソニー VPL-VW855 ●スクリーン:イーストン E8K-KE130HD(特注) ●液晶テレビ:ソニー KJ-85X8500F ●Ultra HDブルーレイレコーダー:DMR-SUZ2060 ●AVアンプ:ヤマハ RX-A880 ●フロントスピーカー:B&W HTM62 S2 ●センタースピーカー:B&W HTM62 S2 ●リアスピーカー:SpeakerCraft Profile AIM7 Five ●サブウーファー:ヤマハ YST-FSW150 2基 ●メディアストリーミング端末:Apple Apple TV 4K ●ゲーム機:任天堂 Nintendo Switch ●ゲーム機:ソニー PlayStation 4 ●ゲーム機:Microsoft Xbox One ●ホームオートメーションシステム:Crestron CP3 ●コントローラー:Apple iPad mini ●調光装置:Lutron GRAFIK Eye QS

INSTALL SHOP
アバック新宿本店(CSC)
〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-5-9
ファーストリアルタワー新宿3F
TEL:03-5937-3150
定休日:水曜日(祝日の場合は営業)
https://www.avac.co.jp/contents/shop/shinjuku2.html