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実例

  • リビングシアターCASE26
    重量級システムが美しいリビングに溶け込む
    “匠の技”でオーディオビジュアルファンの心情に寄り添った

    取材・執筆 / 塚田真由子(ホームシアターファイルPLUS編集部)
    2022年5月16日更新

ドルビーアトモスと2ウェイシアターを希望

学生時代に家電量販店でアルバイトをして以来、約30年来のオーディオビジュアルファンだというKさん。これまで階段下のスペースで80インチのスクリーンシアターを楽しんでいましたが、一昨年に住まいを新築することになり一念発起。待望のリビングシアター計画をスタートさせました。

インストールを手がけたのは、アバック新宿本店で総合プロデュースは諏訪勇治氏。Kさんの要望はいたってシンプルで、「手持ちのスピーカーシステムを活かしながら、テレビとスクリーンの2ウェイにしたい」「できればドルビーアトモスも楽しみたい」というもの。

そこで諏訪氏はひとつひとつKさんの要望を叶えていきます。スクリーンはディスプレイ面の横幅に収められる最大サイズ120インチ。プロジェクターはソニーの4K最新モデル「VPL-VW775」。デノンの13.2chAVアンプ「AVC-X8500H」を選び、ドルビーアトモス5.1.4chを実現しています。リアやトップスピーカーには埋め込みスピーカーを選ぶことで、動線の邪魔にならないようにしています。

  • 梁をあえて露出させた“あらわし梁”が目を引くリビング。スピーカーやスクリーンなどの機器は、リビングの開放感を損ねないようにさり気なく設置されています。
  • ソニーの有機ELテレビ「KJ-65A8H」との2ウェイでテレビの背面には、優れた調湿機能を備える内装建材「エコカラット」を貼っていますが、エコカラット上にテレビを壁掛けするのもお手のもの。特殊なドリルによりエコカラットを破損させることなく、壁掛け金具を取り付けられるといいます。スクリーンは120インチ。電動シャッターにより昼間でも遮光することができます。
  • スクリーンは天井を掘り込んで設置し、ケースが見えにくいようにしています。コンセントもスクリーンのそばに予め用意しているので、配線も見えずにスッキリ。
  • フロントスピーカーはソニーのHi-Fiスピーカー「SS-AR1」。フロントスピーカーをはじめ、センタースピーカー「SS-NA8ESpe」、サブウーファー「SA-NA9ESpe」はソニーで統一しており、数年前から所有していたものを使用しています。
  • 2人掛けソファ「ZU46」やダイニングセットなどはカリモク家具でコーディネート。リアスピーカーやトップスピーカーは両サイドの天井に埋め込んで設置。見た目に美しく、動線の邪魔になりません。
  • プロジェクターはソニーの4K/HDR対応モデル「VPL-VW775」をチョイス。天井を掘り込むことで、圧迫感を軽減させるとともに、階段側から見た時に配線を見えにくくしています。
  • リアスピーカーとトップスピーカーはSpeakerCraftの「Profile AccuFit CRS7 Three」。トゥイーターの角度を調整できるモデルで、リアスピーカーのみ視聴位置に向けて角度を調整しています。

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機器が収納できるオリジナルAVボード

そして、これらの重量級システムが美しくリビングに溶け込むように、オリジナルのAVボードについてもアドバイス。諏訪氏は、Kさんがお持ちの機器と買い足したい機器を予めヒアリング。ディスプレイ面の横幅からスピーカーベースの幅を逆算し、残った寸法のなかで手持ちの機器がすべて収まるように、家具の簡単な図面を起こし、同じくアバックの関口彰洋氏がAVボードを製作しました。放熱だけでなく、使用頻度が高いものは取り出しやすいようにするなど使い勝手にも配慮されています。

  • AVボードはアバックのオリジナル。Kさんがお持ちの機器の数や寸法に合わせて、諏訪氏が家具の簡単な図面を起こし、それを元に関口彰洋氏が家具を製作しました。AVアンプやプリメインアンプのほか、センタースピーカーやサブウーファーも収めています。ルーバー扉にすることで、音が通るのはもちろん、放熱にも配慮しています。
  • ホームシアター用の機器だけではなく、デノンのCDプレーヤー「DCD-A110」やプリメインアンプ「PMA-A110」も収納。ラックスマンのラインセレクターにより、ホームシアターとピュアオーディオの切り替えもスムーズだといいます。

使い勝手とインテリアマッチも完璧

視聴覚のクオリティだけでなく、インテリアとのマッチングも、使い勝手も、完璧な仕上がりです。だから、週に一度はスクリーンを下ろして映画やモータースポーツなどをご覧になっているそうです。

「遊びに来た友人にプロジェクターの映像を見せると、『4Kプロジェクターの映像はこんなにきれいなんですね』とみんな驚いています。それに、ドルビーアトモスによるサウンドが、いままでとは桁違いにリアリティがありますね。ある時、上に何かいるのかと思って様子を見に行ったら、ドルビーアトモスの効果音だった、ということもありました(笑)」と、Kさん。

リビングの美観を損ねることなく、専用室並みの感動を提供したい。オーディオビジュアルファンの心情に寄り添った、ベテランインストーラーらしい、匠の技が冴え渡った実例です。

  • ソニーのスマートスピーカー「LF-S50G」を活用し、照明などのオンオフを音声で操作しています。
  • バイクや車などのツーリングが趣味だというKさん。F1やMotoGPなどのモータースポーツを観るのもお好きで、『フォードvsフェラーリ』も好きな映画のひとつ。もっとも好きな映画は『ニュー・シネマ・パラダイス』。海外で発売しているUltra HDブルーレイをいち早くゲットしていました!
  • 写真の上段左からインストールを手がけたアバック新宿本店の諏訪勇治氏、営業担当 吉池朱根氏、家具設計 関口彰洋氏。下段左から工事課の岩崎嘉之氏、大城浩也氏。

写真/水谷綾子

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K邸ホームシアター概要

ROOM DATA
●住宅形態:戸建/新築 ●家族構成:独身 ●ホームシアターの広さ:約25畳 ●画面サイズ:120インチ+65インチ ●サラウンド:5.1.4ch ●インストール内容:機器設置、システム ●プランニング、造作家具製作 ほか

SYSTEM LIST
●プロジェクター:ソニー VPL-VW775 ●スクリーン:キクチ SES-120HDWA/W ●有機ELテレビ:ソニー KJ-65A8H ●Ultra HDブルーレイレコーダー:ソニー BDZ-FBT4000 ●Ultra HDブルーレイプレーヤー:パナソニック DP-UB9000 ●AVアンプ:デノン AVC-X8500H ●フロントスピーカー:ソニー SS-AR1 ●センタースピーカー:ソニー SS-NA8ESpe ●リアスピーカー:SpeakerCraft Profile AccuFit CRS7 Three ●トップフロント&ミドルスピーカー: SpeakerCraft Profile AccuFit CRS7 Three ●サブウーファー:ソニー SA-NA9ESpe ●メディアストリーミング端末:Apple Apple TV 4K ●CDプレーヤー:デノン DCD-A110 ●プリメインアンプ:デノン PMA-A110 ●NAS:アイ・オー・データ fidata HFAS1-XS20 ほか

INSTALL SHOP
アバック新宿本店
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営業時間:11:00〜19:00
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