部屋の角は低音が溜まりやすい
低音だけがブーブーと聴こえ、不明瞭かつ過多に感じる症状を「ブーミング」と呼んでいます。一般的に高音に比べて低音は吸収されにくく、部屋の中に留まりやすい傾向があります。またスピーカーの中には、低音が出るバスレフポートを背面に搭載するモデルもあり、音のエネルギーが大きい壁近く、特にコーナーに低音が溜まりやすいです。
- スピーカーは前後から音が出るコーナーは音の逃げ場がありません。
- スピーカーはバスレフポートが背面に設けられているモデルも多い。この場合、壁の近くに設置してしまうことは好ましくありません。
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吸音材の後付けでも可、本格的な重低音は施工が伴うケースも
「ブーブー低音」の対策は、低音を吸収するに尽きます。ただし、低音は音の特性上、一般的な吸音材であるグラスウールを用いた場合、相応の“厚み”が必要になる。たとえば、サブウーファーが受け持つような100Hzを切る重低音をグラフウールを使う正攻法で吸音しようとすると、1m程度の厚みが必要で、それには専門工事が必要になってしまいます。
一方で重低音までは難しいが、部屋の中で1番低音が溜まりやすいコーナーに、コスモプロジェクトの「PT800」のような三角柱タイプの吸音材を使っても、手軽に「ブーブー低音」を緩和できるのでお薦めです。また、もし新築やリフォームのチャンスがあれば、天井にある程度の吸音処理を施してくのも一案。チューニング時は、少量の吸音材でベストな環境を狙いやすいです。
- マグネット設置できる手軽さと、高い吸音率が魅力
吸音材
COSMO PROJECT
「PT800」
¥OPEN(実勢価格¥16,000前後/税抜/2本)
SPEC ●基材:サーモウール 他 ●外形寸法:180W×800H(三角柱)●質量:1kg
お問い合わせ:コスモプロジェクト TEL:03-5909-3218
「ブーブー低音」対策方法
設置手順①対策が必要な音の帯域を確認
- 音楽を再生し、騒音計アプリの入ったスマホを壁に近づけたり離したりし、音の大きさが変わる帯域を見つけましょう。
設置手順②スピーカーを囲むくらいの物量がほしい
- 部屋の中でコーナーが1番音のエネルギーが高いポイント。そのため吸音するならスピーカーを囲むくらいの物量投入は覚悟してください。
重低音が大きい部屋は注意
- 騒音計スマホアプリ
『RTA Lite』
無料
スマホアプリの騒音計も簡易的だが、可聴帯域(20 〜20,000Hz)程度の音を手軽に測定できます。こうした騒音計で100Hzを下回るような重低音が大きな音として測定されるような場合は注意しましょう。なぜなら、一般の吸音パネルでは重低音を消すのは難しく、たくさん吸音してしまうと、逆に重低音だけが残ってしまい、ブーブー低音が増長されてしまいます。
<0円でもOK!>布製のソファを使う
洋室の場合なら、厚手のラグやカーテンなど、吸音効果のある家財を増やすとある程度の対策にできます。お薦めなのは、ボリュームがあって、音が透過しやすい布張りのソファを導入すること。クッションが大きな吸音材代わりとなリマス。一方で和室の場合は、押し入れや畳が吸音材となって、ブーブー聞こえる低音のトラブルは起こりにくいです。
- ソファの厚みで低音を吸音できる
※この記事はホームシアターファイルVOL.79の特集「いい音大作戦」をもとに制作されています。