VGP phileweb

ショップ

  • イタリア照明ブランド「FLOS」ジャパンショールームが東京・渋谷にグランドオープン! 新製品から伝統の世界観まで体感できる

    取材・執筆 / 遠藤義人
    2024年11月12日更新

    • ホームシアター・コンシェルジュ
      遠藤義人

イタリアの老舗照明ブランドFLOS(フロス)の「FLOS JAPAN SHOWROOM(フロスジャパンショールーム)」が赤羽橋から渋谷に移転して、11月7日(木)にグランドオープン。今年新発売予定の製品も含め、紹介していきましょう。

高天井の大空間で世界観を体感しよう

目指す「FLOS JAPAN SHOWROOM」は、渋谷にほど近い国連大学裏手にあるヒューリック青山第二ビルの2階にありました。ショールーム部分の専有面積は188m2で、天井高は約5mと、照明効果を表現するには願ってもない物件。エントランスでは、FLOSのアイコンともいえる「TARAXACUM 88」と「2097」が出迎えます。

  • 「FLOS JAPAN SHOWROOM」内のようす。マットホワイトでRが効いた壁面と、絶妙に配置された大きさの異なる窓が特徴的なこの建築は、青木淳による設計
  • TARAXACUM 88」はタンポポの意味で、1988年にAchille Castiglioniがデザイン
  • 2097」は、1958年にGino Sarfattiがデザインしたミニマルなシャンデリア。現在日本では、ランプの数が18/30/50の3種類が販売されています。LED電球で価格は¥348,700(税込)から

住宅や商業施設etc…アウトドア向けも一堂に

奥行きのあるフロアには、左から建築(アーキテクチュラル)、ホーム(デコラティブ)、アウトドアの各種照明器具がゆるやかに分類され広がっています。このようなコーディネートは日本のみならず世界共通で、フロスのイタリア本社のディレクションに基づいています。

  • シンプルな建築向けのアーキテクチュラル製品群を、閉じた空間に配置しています
  • 日本でも発売を開始する「BILBOQUET」(by Philippe Malouin/¥72,600・税込)
  • 「BILBOQUET」は、LEDランプを内蔵した照明部分が土台とマグネットキャッチで接続し、ちょうどカメラの自由雲台のように投射角を調整できる優れもの。ランプ光源が交換可能です。Sage/Linen/Tomatoといったペールトーンカラーが洒落ています
  • 発売予定の「CÉRAMIQUE」(by Ronan Bouroullec/¥193,600・税込)。こちらは照射角固定で、SIDE/DOWN/UP(左から)の3つを選択
  • シェード自体に光源を内蔵したLEDならではの構造は、日本人には竹ひごのように映る「SKYNEST」(by Marcel Wanders Studio/¥635,800・税込)。24本のLEDライトを覆うツートンカラーのテキスタイルには再生ポリエステルが用いられ、全部品交換可能なサスティナビリティに優れた製品でもあります
  • 光る透明な竹のような「NOCTAMBULE」(by Konstantin Grcic/¥366,300・税込〜)。フロアタイプとシャンデリアタイプがあるのに注目
  • 歴史や伝統、文化的な脈絡を重視してデザインすることをモットーとするフォルマファンタズマらしさが光るペンダント「WIRELINE」(by Formafantasma/¥612,700・税込)
  • 以前の記事でご紹介した「ARCO」の限定クリスタルバージョン「ARCO K」(by Achille and Pier Giacomo Castiglioni/¥1,617,000・税込)も展示
  • アウトドア用も。手前が「IN VITRO BOLLARD」(by Philippe Starck)、奥は「CASTING T」(by Vincent Van Duysen)。いずれも受注品

グランドオープンにはデザイナー本人も立ち会い

11月7日(木)におこなわれたFLOS JAPAN SHOWROOMグランドオープニングイベントには、デザイナーのMichael Anastassiadesu(マイケル・アナスタシアデス)と、FLOS本社チーフクリエイティブオフィサーのBarbara Corti(バーバラ・コルティ)が駆けつけました。またマイケル・アナスタシアデスがFLOSのために手がけたプロダクト「IC Lights」の10周年スペシャルエディション「IC 10」も特別展示されています。

  • 11月7日にショールームオープニングイベントが開催
  • Barbara Corti(バーバラ・コルティ/左)、Michael Anastassiadesu(マイケル・アナスタシアデス/右)

バーバラ・コルティは次のように「IC 10Anniversary」を紹介してくれました。

「マイケル・アナスタシアデスが2014年に手掛けた『IC Lights』は、フロスにとっても重要なプロダクトです。(ボールなどを投げたりキャッチしたりジャグリングをする)ジャグラーに着想してデザインしたもので、マイケルは『シンプルながら絶妙なバランスを保ち、柔軟性が高い』ことを表現しています。日本でもベストセラーのひとつです。また10周年を記念したスペシャルエディションが24Kゴールド仕上げなのは、豪華にすることが目的ではなく、永遠性の象徴です」

  • いまや各所で見かけるFLOSの新定番「IC LIGHTS」(by Michael Anastassiades/¥90,200-・税込)
  • IC Lights」は真鍮の棒の端に絶妙なバランスで球が静止するという、クラシカルなようでずっとコンテンポラリーであり続けるデザイン

マイケル・アナスタシアデスは「FLOSで当初、自分が大切に思っていた価値観を体現した製品が、これほどたくさんの方々に愛されてきたことをうれしく思います。FLOSと組んだことで得たのは、その長い照明の歴史から受けた影響のみならず、FLOSの技術力のおかげで様々なチャレンジができたことが大きい」と話します。

マイケル・アナスタシアデスのデザインした照明器具は、シンプルなモジュールを組み合わせてカスタマイズできる製品が多く、この日も「私は、ユーザーの皆さんにも参加してほしい」と繰り返し述べていました。

それは、このショールーム天井にぐるりと張りめぐらされた、好きなランプを好きな高さに柔軟に配置できるシーリングダクトシステム「My Circuit」からも見て取れます。そんな建築照明ならではの世界観も、このショールームでは体感できます。

  • 好きな長さ、好きなカーブでインストールできるシーリングダクトシステム「My Circuit
  • 直線をチェック柄に組む「Coordinates」(by Michael Anastassiades)、大小の菱形・丸のリングを組む「Arrangements」(by Michael Anastassiades)は、空間に合わせシンプルなモチーフ同士を自由に組み合わせてつくる、アナスタシアデスらしいコンポーネント照明システム
  • コーン型光源の照射角を変えることができるフロアタイプ「CAPTAIN FLINT」(by Michael Anastassiades/¥544,500・税込)。奥の壁付けはアウトドア用

イタリアの老舗照明ブランド「FLOS」とは

FLOSは1962年創業のイタリアの照明ブランド。20年前に建築(コントラクト)事業を買収、10年前にはアウトドアブランドAresを買収し、従来からの住宅事業、特注事業と合わせ、現在は4本の柱を持っています。フロスジャパン株式会社は81年に日本フロスとして開設、22年に社名変更し今に至ります。

Achille and Pier Giacomo Castiglioni(アキッレ & ピエール・ジャコモ・カスティリオーニ)、Tobia Scarpa(トビア・スカルパ)、Philippe Starck(フィリップ・スタルク)、Antonio Citterio(アントニオ・チッテリオ)、Piero Lissoni(ピエロ・リッソーニ)といった巨匠から、今をときめくMarcel Wanders(マルセル・ワンダース)、Konstantin Grcic(コンスタンティン・グルチッチ)、Jasper Morrison(ジャスパー・モリソン)、Patricia Urquiola(パトリシア・ウルキオラ)、Ron Gilad(ロン・ギラッド)、Ronan and Erwan Bouroullec(ロナン & エルワン・ブルレック)、Michael Anastassiades(マイケル・アナスタシアデス)、Vincent Van Duysen(ヴィンセント・ヴァン・デュイセン)、Edward Barber & Jay Osgerby(エドワード・バーバー&ジェイ・オズガービー)、Formafantasma(フォルマファンタズマ)まで、デザイン界のアイコンとなる照明器具で知られています。

デンマークにルーツを持つルイスポールセンとはまたまったく違った、イタリアらしいアバンギャルドな魅力にあふれたフロスの新しいショールーム「FLOS JAPAN SHOWROOM」。事前予約すれば一般ユーザーも見学可能なので、ぜひその世界観を体験してみてください。

  • FLOS JAPAN SHOWROOM
    東京都渋谷区渋谷1-3-3ヒューリック青山第二ビル2F
    TEL:03-6421-0840
    営業時間:11:00 – 17:00(事前予約制)
    定休日:土曜日、日曜日、祝日、夏季冬季/GW休業あり
    ※事前予約制のため、前営業日24時間前までに電話にて事前予約が必要

全国の取扱店はこちらでチェック!