5月末に東京ビッグサイトで開催された、世界のトップブランドが一堂に集うデザインの祭典「オルガテック東京2024」。リモートワークが普及して以降、重視されるようになった仕事場と生活空間の切りわけや、クリエイティブな思考を得られる環境へのスイッチなど、高いデザイン性と機能性を両立させる家具や発想力が試される場となりました。
そんななか異彩を放っていたのは、在宅ワークのオン/オフを切り分けるリクライニングチェア。パーソナルシアターのオン/オフのカギも、この展示コンセプトが示すように、家具で解決できるかもしれません。
海洋生物に包まれるかのようなリクライナー
「Ocean Fostering Innovation」と題した同社の展示には、ホームシアターファンならすなわちそれとわかる、パーソナルリクライニングチェアが3台。単なる色違いではなく、よく見ると形が異なっています。
このOCEANシリーズは、SHOCK DESIGNのデザイナー加藤将 氏が、徳島にある冨士ファニチュアの工場見学に向かう道中、鳴門海峡を渡っていたときにインスピレーションを得たのだそう。いずれのモデルも、樹種と仕上げ、張り地を選べます。
「Kangu」は、氷上を歩くペンギンがモチーフ。頭部から足元まで一体感のある木部フレームのシルエットと張りのあるクッション、丸く面取りした成形合板の稜線が、有機的に融合しています。
- 「Kangu」(型番:P04940 A)
¥355,300円(税込)から
「Hammerhead」は、ハンマーヘッドシャーク(シュモクザメ)がモチーフ。座面開口部が450mmと広く、大柄の体格の方でもゆったりと寛げます。冨士ファニチア得意の圧縮合板技術が生かされたバケット状の背が力強さをアピールしています。
- 「Hammerhead」(型番:P04500 A)
¥367,400円(税込)から
「Dolphin」は、まさにイルカのようにフット部がアタマ、ヘッド部が尾ビレ、中央が太いフォルムが特徴。ファブリックまたは牛革のぬいぐるみのような全面総張りが、この優しいフォルムにマッチしています。
- 「Dolphin」(型番:P04520 A)
¥314,600円(税込)から
チェアの後ろに体重をかけると、連動して足元のフットが自然と持ち上がります。そこからさらに身を委ねれば、最後はフルフラットに至ります。
シアター鑑賞や読書時には、自ら最適な角度にヘッドレストを立てることも。さらに360度回転するラウンド機能も備えており、どの方向からでもアプローチできます。
こうした機構を支えているのは、冨士ファニチアと一ノ坪製作所の共同開発によるオリジナルメカ。奈良と三重にある一ノ坪製作所の工場で製作されています。
「よいアイデアが思い浮かぶのは、リラックスできる環境にあることで脳が活性化するから」だそう。思うに、そのアイデアのキッカケは、映画であっても音楽であっても本であってもいいものです。もちろん、公園や旅に出て緑に囲まれ、かそけき葉のざわめきに耳を澄ますことで想像を巡らすのでもいいわけです。
その点、冨士ファニチアのリクライナーは、座面深くに腰掛けて身を委ねれば、仕事や勉強で集中しているのとはちょっと異なる不思議な感覚に陥ります。体がリラックスしていながら脳は不思議と清く澄んで、アイデアの源泉がグッと自らの意識の中に入ってくるようです。
ホームシアターで目と耳を研ぎ澄まして、映画や音楽鑑賞にうってつけのリクライニングチェアとして、OCEANシリーズをお薦めします。
冨士ファニチアとは
1959年創業の徳島に本社を持つ国産家具メーカー。1977年に成形合板を開始し、高度成長期を経て80年代には総合家具メーカーへと進化してからも完全受注生産を貫き、ユーザーの選ぶ喜びを大切にしています。
東京や名古屋、大阪、福岡、仙台、鹿児島などにショールームやショップを持ち、23年にはオンラインショップもオープン。近年では中国や韓国、台湾など海外へも輸出しています。
お問い合わせ先
「冨士ファニチア株式会社」
徳島県板野郡板野町矢武字神木1番地1
TEL:088-672-5511(代)
https://fuji-furniture.jp/contact/products/