13年ぶりのAVアンプ入れ替えにマランツ「CINEMA 30」が選ばれた理由とは

今回の主人公は、私が雑誌編集者として読者のホームシアターを取材していた頃、新居にホームシアター専用ルームを構築するまでの経過も含め快く取材に応じてくれたpopoさん（仮名）。「ちょっと相談に乗ってください！」と久しぶりにメールを頂戴してお話を伺っていると、どうやらAVアンプの買い替え相談でした。

CONTENTS

・専用ルーム「popoシアター」を来訪
 ・5chフルバイアンプのサウンドはいかに

専用ルーム「popoシアター」を来訪

popoさんは、2011年都内に自宅を新築し、防音／音響工事専門会社アコースティックエンジニアリングの長濱さんに依頼して、この専用ルームを構築。3階建て住宅の1階ながら、建物の躯体とシアタールームは構造上切り離された（ルーム・イン・ルーム）完全防音仕様であるうえ、音楽やスポーツ観戦、映画と幅広く楽しむpopoさんの趣向に合わせて調音も施された、贅沢な空間となっています。

久々に訪れたpopoシアターには、当時吟味に吟味を重ねて導入したオーディオ・ビジュアル機器がほぼそのまま収まっており、大切に使っていたのが伝わります。サラウンドはBOWERS & WILKINS「Nautilus 800」シリーズとECLIPSE「TD725sw」による5.1chです。

popoシアター視聴位置正面のようす

オーナーのpopoさん。視聴時はパーソナルソファでゆったり

フロントスピーカーはBOWERS & WILKINSのフロア型「Nautilus 804」（写真左）、リアは「Nautilus 805」を壁掛けで設置（写真右）

「夜に仕事から帰ってきて、ひとり爆音で映画を観るとスッキリするんです。出張で長らく家を空けることもありますが、それ以外はずっと日常的にシアターを使っていますよ」

そう語るpopoさん。その重心の低い、厚みのあるサウンドには満足しているようですが、最近AVアンプの調子がよくないと言います。お使いのアンプはデノン「AVC-A1HD」。当時の一体型AVアンプのトップモデルです。でもさすがに10年以上前の製品ですからね･･･。ここから買い替えるとなると、現行のフラグシップである「AVC-A1H」か？そう投げかけると、さっそくスマホで調べたpopoさんの反応は･･･。

「AVアンプって、こんなに高かったでしたっけ？」

ええ、しかも10月には値上げを控えています。話していると、観るのはお気に入りの旧作リピートが多く、ひとまずイマーシブオーディオには興味がないようす。そこで、現行の5.1chシステムを維持したまま、もっとも投資効果が高い方法を考えることにしました。

わたしが出した買い換え候補は、マランツ「CINEMA 30」。11chアンプを内蔵し、サラウンド5chすべてをバイアンプで駆動できる「フルバイアンプ」というスピーカー設定を持っています。厚みのある中低域に支えられた比較的落ち着いたトーンながら、解像度も高く、popoさんのお好みにも合いそうだと踏みました。

AVアンプ
MARANTZ
「CINEMA 30」

5chフルバイアンプのサウンドはいかに

ほどなくして、popoさんは「CINEMA 30」を13年前と同じアバックで購入されました。5chの各スピーカーとはバイワイヤリングで接続します。

運よく在庫をゲット

それまで使用していた「AVC-A1HD」とはフロント2chをバイアンプ駆動にしてありました

5chすべてがバイワイヤリングで通線されており、フロント2ch以外はアンプ側を束ねられていました。今後はフルバイアンプ駆動にするため、束ねられたセンターとリアのスピーカーに繋がるケーブルのYラグを外してバラします。また「CINEMA 30」のスピーカー端子はバナナで繋ぐのがよさそうなので、すべての端末処理を変更しました。