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実例

  • リビングシアターCASE52
    家族の絆を深める大画面8Kシアター
    インストーラーの技と配慮が垣間見える「114インチ」

    取材・執筆 / 井田有一(ホームシアターファイル編集部)
    2023年8月7日更新

映画を観ながら家族でくつろぐ大切な場所

移住で手にした緑あふれる住まい。こちらのクルーガー邸は、避暑地にある丘の上に建つ一戸建てです。室内はご夫婦のセンスのよさがよくわかる上質なインテリアでコーディネートされた都会的な空間。さらにLDKをぐるっと眺めると腰高窓が多いことに気がつきます。これは日本の四季をまるで絵画のように楽しみたいという発想からつくったもの。取材時は青々とした新緑が爽やかな季節で、部屋全体を色鮮やかな印象にしてくれました。そんな素敵なリビングにホームシアターがあります。

「主人の故郷であるドイツでは家族との時間を大切にするんです。晩ごはんが終わると家族が集まって、ボードゲームをするんです。私もドイツに留学したので実感しましたが、家族が本当にバラバラにならないんです」(奥様)。

「わが家ではホームシアターがゲームの代わりです。やはり映画などを観ながらくつろぐ時間は掛け替えのないものです。私にとってホームシアターは趣味ではなく、家族の絆を深めるためになくてはならないものです」(ご主人)。

  • LDKが繋がる開放的な空間。ダイニングにある腰高窓の一つひとつが絵画の額縁のようになり借景を楽しめるようデザインされています。

1cm単位で計算しつくした最適の114インチ

そんなクルーガーさんご一家のホームシアターをインストールしたのは、のだや宇都宮店の磯松孝一氏です。アフターメンテナンスも考慮して地元のショップから選ぼうと、ネット検索で見つけて店舗に足を運んだといいます。

一番のこだわりはプロジェクターです。ご主人が視聴を行い選んだ8K対応モデル、ビクター「DLA-V70R」を選択。その高画質を大画面で受け止めるべく、投写距離から割り出した最大サイズの114インチを特注しました。120インチのスクリーンを設置することもできましたが、磯松氏は余白ができないようにと、図面上で1cm単位まで計算してズレなく設置を行いました。ここにプロの技が垣間見えます!

スピーカーやAVアンプなどは、予算も考慮しつつ実際の音も確認したイタリアのSONUS FABER「Luminaシリーズ」をフロントにレイアウトし、サラウンドスピーカーは生活動線を考慮してすべて埋め込んだ7.1ch構成としました。

  • AVアンプはフロア型をしっかり駆動できるように、最大出力235Wのハイパワーを誇るデノン「AVR-X4700H」を磯松氏はお薦めしました。また再生機はディスクプレーヤーではなく、Apple TVを使うため高い位置に設置しているとのことです。
  • 写真上/スクリーンを上げた様子。テレビはあえて設置せず、腰高窓をこちらにも用意しています。取材時は引っ越しして間もなかったため、カーテンが設置されていませんが、今後は遮光もできるようにしたいとのことです!
    写真下/スクリーンを下げた様子。石材を使ったアクセントウォールが高級感を演出している。フロントセクションを担うスピーカーは音やコストのバランスを取ってSonus faber「Luminaシリーズ」を選択しています。
  • できるだけ画面サイズを大きくするため、スクリーンの設置位置も極力壁に寄せるようにしています。
  • 写真左上/建築化照明が設置されているふかし天井にサラウンドスピーカーを埋め込み、そのプロジェクター側にサラウンドバックスピーカーを埋め込んでいます。
    写真左下/センタースピーカーはSONUS FABER「Lumina C」。
    写真右/フロントスピーカーの「Lumina III」に合わせるサブウーファーは、同シリーズではラインアップされていない。そこで磯松氏は、正確な音の再現をコンセプトに製品開発を行うイクリプス「TD316SWMK2」をサブウーファーに選択しています。

「わが家はテレビを置いていません。『シネマを上映すると家族が集まる』ということを追求したかったからです。なくすのはとても迷いましたが(笑)」(ご主人)。
現在はもちろんスクリーンを下ろさない日がないほどフル回転! 映画にドラマにYoutTubeまで、コンテンツも様々。そんな家族の想いが結実した素敵なリビングシアターだから、きっと今日も笑顔が耐えないことでしょう。

  • 視聴位置の様子。床面積を広く確保するため、AVアンプやApple TVといったオーディオ・ビジュアル機器はシェルフの上に設置しています。事前にハウスメーカーと相談していたので、棚と壁とを固定してあります。
  • NetflixやAmazonプライムビデオ、ディズニープラスなど各社動画配信サービスに加入して、海外ドラマはほとんどご覧になっているそう! ちなみに、スクリーンを見て右手側にはご主人のワークスペースがあります。
  • インストールを手がけたのだや宇都宮店の磯松孝一氏。

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写真/広井一成

クルーガー邸ホームシアター概要

HOMETHEATER DATA
●住宅形態:戸建/新築 ●家族構成:夫婦+子ども1人 ●ホームシアターの広さ:約30畳 ●画面サイズ:114インチ ●サラウンド:7.1ch ●インストール内容:機器設置、システムプランニング ほか

SYSTEM LIST
●プロジェクター:ビクター DLA-V70R ●スクリーン:キクチ SES-114HDSG(特注) ●メディアストリーミング端末:Apple Apple TV ●AVアンプ:デノン AVR-X4700H ●フロントスピーカー:Sonus faber Lumina III ●センタースピーカー:Sonus faber Lumina C ●サラウンドスピーカー:DALI PHANTOM E50 ●サラウンドバックスピーカー:DALI PHANTOM E50 ●サブウーファー:イクリプス TD316SWMK2 ●HDMIケーブル:inakustik HDMI2.1 OPTICAL FIBER CABLE

INSTALL SHOP
のだや宇都宮店
〒320-0807
栃木県宇都宮市松が峰1-2-3
TEL:028-614-1454
営業時間:10:00〜19:00
定休日:火曜日、第2・第4水曜日
http://www.audio-nodaya.com/