先日、ちょっと大きめのダイニングテーブルを紹介しつつ、とくにコロナ禍以降顕著になってきたライフスタイルの変化として“みんなが集う場所”としてリビングよりダイニングを重視する傾向が見られることを指摘しました。今回は、同じ問題意識を反映したとみられるVitraのダイニングチェア「Mikado(ミカド)」を紹介します。
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“羊さんみたい”な白いモコモコに細い脚
エドワード・バーバーとジェイ・オズガビーが手掛けたVitra(ヴィトラ)の新作ダイニングチェア「Mikado(ミカド)」が4月5日に発売されました。
- 「Mikado Armchair(ミカド アームチェア)」
¥145,200円(税込)から
ウールのカラーや脚の素材もカスタムできます
- 「Mikado Side Chair(ミカド サイドチェア)」
¥127,600円(税込)から
こちらもカスタム可能
ダイニングチェアとしてはふっくらしたソファのようなフォルムの座面と、そこから伸びた細い脚が印象的。とくにヴァージンウール100%の粒状の新素材「チェント」の白いファブリックにナチュラルオークの脚という組み合わせは、まるで羊のように可愛らしい。
もっとも、実際腰掛けてみると、なるほどダイニングチェアらしくしっかり腰が包み込まれます。男性Lサイズの普通体型のわたしが座るとちょっと余裕がありますが、体格のいい男性でもしっかり座れるよう余裕を持たせてあるとのことです。
食後もとどまりたくなるダイニングを
さらに「もたれ掛かってみてください」と促されるままに後ろに体重を掛けると、かなり背がしなります。実は、座る人の動きに合わせて背もたれが動くメカニズム、フレキシブルバックレストが隠されており、キッチリ「座ってさあごはんを食べましょう、いただきます」というよりも、パーティ形式でワイワイ食事しながら、食後もそのままとどまりたくなる感覚です。
これまで多くのホームシアターは、ダイニングで食事をし、食後はリビングに移動して、みんなで映画やライブ、スポーツ観戦といった「ダイニング→リビング」のシーンチェンジを想定していました。
しかし、リモートワークが日常化しタブレット視聴などが一般化してくると、みんなが集まる場所=リビングではなく、1人ひとりが好きなことをしながら必要に応じて集う、いわば“ダイニングシアター”が現実味を帯びてきているように思います。
ダイニングからも一緒にスクリーンが見られる“ダイニングシアター”の一例
スイスの老舗もサスティナビリティに配慮
なお、最近のインテリアの傾向として、サステイナビリティを考慮することは、1950年創業のスイスの家具メーカーであるVitraにあってもブランディングの前提になっており、Mikadoも例外ではありません。
カバーは取り外し可能で、カバー下にあるシートパネルはリサイクル素材を多く含んだアルミニウム、バックレストシェルは再生ポリプロピレン(ポストコンシューマー材)から作られています。部品やカバーの取り付けに接着剤を用いず、変更・分解・分別がしやすい構造にすることで、ライフサイクルの長い製品を目指しているのです。
「Panasonic Factory Refresh」ではありませんが、オーディオビジュアル業界もサスティナビリティへの意識がブランディングのカギになる時代となりそうです。
お問い合わせ
- 「Vitra(ヴィトラ)」
TEL:03-6868-8820
オンラインショップ:https://store.vitra.co.jp