VGP2025総合金賞に輝いたパナソニック「全自動ディーガ」。高画質設計、無料でも使えるアプリ「どこでもディーガ」、そしてネット動画のように操作できる新しいGUIの3つが揃い、より魅力的なレコーダーへと進化しました。フラグシップ「DMR-4X1003」を実際にテストした、海上 忍先生のレビューをお届けします。
レコーダーならではの利点とネット動画の操作感を両立
自宅で寛ぎながらチャンネルザッピングしていると、なにやら気になる番組が。そのまま内容に引き込まれ、どうせなら最初から見たかったと悔やむ、という経験は誰しもあるはず。ドラマはともかく、報道番組やスポーツ番組は再放送を期待するのが難しいため、もやもやした気分が残ってしまうことも少なくありません。
そのような目に遭うとほしくなるのが、「全録」対応のビデオレコーダーです。放送波の番組を片っ端から録画する仕組みなので、番組単位で予約をする必要がありません。録画するチャンネルを指定しておくだけで十分です。その後は、放送中の番組を見る感覚で電子番組表を過去にさかのぼり、指定した日時・チャンネルの番組を再生できます。
画質と使い勝手で定評ある「全自動ディーガ」は、いわばチャンネルまるごと録画の機能を極めたビデオレコーダーです。2024年モデルでは、4K対応や異なるハードディスク容量を持つ5種類のモデルがラインアップされています。これらのモデルには、「レコーダーとネット動画のいいとこ取り」を実現した新機能が共通して搭載されています。
最大の進化点は新しい「ホーム画面」です。ユーザーインターフェースが一新され、画面左端に主要メニューを配置、関連する録画済番組のサムネイルが帯状に表示されるというネット動画サービスライクなデザインとなりました。リモコンでサムネイルを選ぶと、その内容やプレビュー画面が一瞬で表示されるところもネット動画のようで、直感的な操作で内容を把握しやすくなっている点が特徴です。
- 2024年モデルからGUIも刷新されて、録画番組がわかりやすくサムネイル表示されるようになりました。ネット動画のような感覚で、サクサクと番組を選んで楽しむことができます。
個人的には、デザインが刷新された「シーン一覧」※がツボでした。録画番組の再生中に「シーン一覧」を選ぶと、主要なシーンのサムネイルが画面下にずらりと並びます。サムネイルには簡単な説明文が添えられており、そのシーンの内容をすぐに理解することができます。たとえば、相撲中継で気になる取り組みをすぐ見たい、報道番組の◯◯特集だけ見たい、そんなときの操作がスマートになりました。
※「シーン一覧」の表示には、インターネット接続が必要です。シーン一覧からの再生はディモーラのプレミアム会員登録[月額利用料330円(税込)]が必要です。
新しいホーム画面に合わせて、リモコンも改良されています。従来の全自動ディーガでは、再生操作は早戻し/早送りなどテンキー下にあるボタンの利用が基本でした。しかし、今度の全自動ディーガは、ネット動画ライクにカーソルキーで操作できるようになりました。再生や停止、10秒送りや10秒戻しといった操作もカーソルキーで簡単に行えるため、迷うことが少なくなりました。また、チャプタースキップや早送り/戻し用のボタンも用意されていますが、操作がシンプルなカーソルキーばかり使うことになりそうです。
録画済み番組の表示を細かくカスタマイズできる点も注目ポイントです。「お気に入り」に登録した番組を表示したり、番組の視聴履歴に基づいて嗜好を分析して表示する「出演者おすすめ」が搭載されています。好きな俳優やタレントの名前を登録しておくと、新しい出演番組がアイコンで通知されるので、いわゆる「推し活」にも役立ちます。さらに、出演者やキーワードごとに自動でフォルダを作成してまとめることも可能なので、手間をかけずに整理できます。
そういった機能を個人で使い分けられる点もうれしいところです。家族ごとに最大6つのプロフィールを作成しておけば、「お気に入り」や「出演者おすすめ」といった情報がそれぞれのプロフィールに紐づけられるため、夫婦間や兄弟間で趣味趣向・興味関心が異なる場合でも問題なく利用でき、個々人の好みにあわせておすすめが選ばれるようになります。使い方はかんたん、リモコンのホームボタンを押すと表示されるプロフィール一覧画面で、自分のアイコンを選ぶだけで、個別の設定が反映されます。
- 自分の好みの出演者や番組ジャンルは、家族それぞれに違うもの。そこで新しい全自動ディーガでは、家族それぞれの録画リストがつくれるように、プロフィールごとに異なる設定で、録画番組を探すことができるように進化しました。
残したいシーンを切り出すといった編集機能の改善も大きな進化点といえます。従来に比べてプレビュー画面が大きくなり、経過時間が表示されるようになったほか、フレーム単位で戻す/送るという細かい操作がやりやすくなりました。歌番組で推しのアーティストが登場するシーンだけ残す、スポーツ番組でオープニングや試合後の選手インタビューを取り除く、といった処理も迅速かつ正確に行えるようになりました。
- 「ディーガ」ならではのメリットといえば、高画質と長時間録画の両立。推しの出演番組を、HDDやディスクにより美しい映像で効率的に残すことができます。編集画面もより操作がしやすくなりました。
大画面ユーザーも安心。高画質機能は変わらず
今度の全自動ディーガは、録画して好きな時間に視聴するというテレビの視聴スタイルの進化を真正面からとらえ、改良を加えています。ホーム画面のデザイン変更はその表れですが、キビキビとした操作レスポンスの実現など、ユーザー目線に立った設計が随所に感じられます。もちろんディーガならではの4KリアルクロマプロセッサやアドバンストAVCエンコーダといったディーガ独自の高画質機能も搭載されています。さらに、フラグシップ「DMR-4X1003」には「HDRトーンマップ」技術なども採用されていて、ホームシアターファンにとって、より安心でできる選択肢といえます。
現在は見逃し番組をアプリで視聴できる時代ですが、スポーツ中継や報道番組など再配信の対象外となる番組が多いのも事実です。その点、選択したチャンネルの番組を漏れなく録画できるビデオレコーダーは代わりが利かない存在です。ディーガシリーズの全自動モデルが年々支持を集めている理由がよく分かります。VGPアワードで総合金賞を獲得した全自動ディーガは、安心して付き合える1台です。
SPEC
ブルーレイレコーダー
PANASONIC
DMR-4X1003
¥OPEN
全自動ディーガのフラグシップ
ハイビジョン放送<最大8ch×約28日間>
4K放送<最大1ch×約13日間>
SPEC ●HDD容量:10TB ●チューナー数:11(地上デジタル・BS・CSデジタル・BS4K・110度CS4K×2、地上デジタル・BS・CSデジタル×4、地上デジタル専用×5) ●HDMI:2系統 ●外形寸法:430W×66H×239Dmm(突起部含まず) ●質量:約4.0kg
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ブルーレイレコーダー
PANASONIC
DMR-4X403
¥OPEN
4K放送まで万全! スタンダード機_
ハイビジョン放送<最大4ch×約28日間>+
4K放送<最大1ch×約3日間>
SPEC ●HDD容量:4TB ●チューナー数:7(地上デジタル・BS・CSデジタル・BS4K・110度CS4K×2、地上デジタル・BS・CSデジタル×4、地上デジタル専用×1) ●HDMI:2系統 ●外形寸法:430W×60H×239Dmm(突起部含まず) ●質量:約3.3kg
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ブルーレイレコーダー
PANASONIC
DMR-2X603
¥OPEN
地デジ録画を重視するならコレ!
<最大10ch×約28日間>
SPEC ●HDD容量:6TB ●チューナー数:11(地上デジタル・BS・CSデジタル×6、地上デジタル専用×5) ●HDMI:1系統 ●外形寸法:430W×60H×239Dmm(突起部含まず) ●質量:約3.8kg