“ライフスタイルとオーディオ” を古くから掲げ、都心に出たらぶらり立ち寄りたくなる店といえば、真っ先にココ。銀座並木通りにある、SOUNDCREATE(サウンドクリエイト)です。最近のオーディオ事情、そしてシアターサウンド事情について訊きました。
オーディオのある “粋な部屋づくり” を手がける
サウンドクリエイトは、1階にジーンズショップがある三木ビル本館の2階と5階にあります。5階の「Lounge」はハイエンドオーディオショップさながらの佇まいでイベントなども行える広大なワンフロアですが、今回はそのエントランス的立ち位置の2階に足を運びます。かつて斜向かいにあったSOUNDCREATE Legato店から店長を務める竹田響子さんがいつもの笑顔で迎えてくれました。
1998年の創業当初は、かつてオーディオの聖地・秋葉原でLINN製品を中心に販売。その頃からすでにちょっとオシャレで、壁一面積み上げられた機器群から比較試聴で選んでもらうという他のオーディオショップとは一線を画し、「オーディオのある素敵な空間づくりを一緒に作り上げましょう」という “ライフスタイルにあるオーディオ” という姿勢を見せていました。
2007年に銀座エリアへ移転すると、その傾向はより強まり、ヴィンテージスピーカーやヴィンテージ家具、オリジナルのラックやアクセサリーの取り扱いを開始。あたかもクラシックカーを今風に蘇らせるような粋な視点が、オーディオマニアのみならず趣味人までも引き寄せています。
- 以前紹介したオーダー家具ブランド「PYTHAGORA(ピタゴラ)」も、もともとはサウンドクリエイトのお客さん。その縁でAVボードを受注するようになったといいます
珈琲と音楽をお供にまずはスピーカー選びから
誘われるままに並木通り側の大きな窓に向いたスワンチェアに座ると、温かい珈琲から立ち上る湯気とともに、透き通るようなコーラスが流れています。シェードから差し込む光とも相まって荘厳なイメージ。竹田さんはチャキチャキとシェードを操作するので、その開け具合が絶妙な調音効果をも及ぼしているのでしょう。
大きなリボントゥイーターで清透なコーラスを淀みなく響かせるPIEGAのブックシェルフ型スピーカー「Coax 411」が、TIGLONの別注スタンドに載せられ、LINNのネットワークプレーヤー&プリアンプ「SELEKT DSM -CKA」で鳴っていたのでした。このスピーカーは、発売されたばかりにもかかわらず初動好調なLINNのブックシェルフ型スピーカー「119」とともに、人気の双璧をなしているのだそう。
- 試聴環境はこんな感じ。スピーカーは外側からPIEGA「Premium 701 Gen2」「Coax 411」、LINN「MAJIK 140 SE」
とはいえ竹田さん、機器はどれがいいとか、いい音とは何かという話を前面に出すことはありません。「これで聴く声楽はほんとうにスムーズで、教会ならではの広がりを感じますよね」「この機器はシュッとしていてカッコイイ」「たしかに高価なあちらのモデルは繊細でスッキリ聴かせますが、以前の筐体のままモジュールをアップグレードしたこちらの製品もどことなく味があると思います」等々、来店客と同じ目線で一緒に聴き入ります。わたしが密かに「Bar takeda」と呼ぶ居心地のよさがここにはあるのです(注:お酒は出ません)。
「はじめてオーディオに触れる方にとって入りやすいお店づくりを心がけています。そもそもスピーカーからどのようにして音が伝わってくるのかをご説明し、体感頂くと、驚かれるお客様もおられます。ライフスタイルや、ふだんよくお聴きになる音楽を伺って再生し、お好みのスピーカーを見定めていただくところから始まります」
- 店内はカフェやバーのようにくつろげる空間。LINNのフロア型スピーカー「150」も試聴可能
EXAKTシステムの淀みないサウンドに驚き
このように、オーディオに先入観がない人ほど、LINNのデジタルクロスオーバーで構成されるEXAKTシステムの淀みないサウンドに驚かれるのだそう。実際、まず「SELEKT DSM」でEXAKTのステレオシステムを楽しまれていたユーザーが、後に引っ越しやリフォームを契機にサラウンドモジュールと「EXAKTBOX」を追加して、EXAKTサラウンドに発展する例も多いといいます。
いくつか実例もご紹介します。まずは数年前にLINNのアクティブスピーカー「EXAKT AKUDORIK」を導入済のユーザーが、リノベーションを機にリアに埋め込みスピーカー「Custom2K 104C」(Aktiv化済)と「EXAKTBOX-I」、サブウーファーと「EXAKTBOX SUB」を加えてEXAKTサラウンドに発展したA邸。さらにこのたび、フロント2chをフラッグシップの「360 EXAKT」に変更し、より高みに到達した実例です(詳細はこちらから)。
「サウンドクリエイトではLINN製品以外でも色々な引き出しをご用意してはいますが、『LINN DSM』を中心に組むとシンプルですすし、EXAKTだと美しいサラウンド音声で再生できるので、ご満足いただけることが多いです」
- フロント2chをLINN「360 EXAKT」にした2025年現在
- シアターまわりは愛知のインストールショップGENTEN(ゲンテン)と協働しています
さらに、数十年来LINNシステムとAVアンプを別荘に導入済のユーザーで、最近EXAKTを体験して東京の自宅に導入したという例もあります。B邸は、購入した別荘にもともとLINNのフロア型スピーカー「AKURATE 242」のサラウンド(AVアンプ駆動の5.1ch)システムが入っていたオーナーが、東京の自宅を新築するにあたり「SELEKT DSM」にサラウンドモジュールを搭載してサラウンドを構築した実例。プロジェクターにVICTOR「DLA-Z5」、メインスピーカーにLINNのフロア型「150」という最新システムで、リア用の埋込スピーカーと組み合わせた4chを構成しています。「ものすごくシンプルなのに、音がイイ!」と好評とのこと。家族団欒でソファに腰掛けて映画鑑賞するようすが目に浮かびます(詳細はこちらから)。
「サウンドもそうですが、シンプルなものに美を感じるお客さまに好評です。また、SDGsではありませんが、モジュール交換やアップグレードサービス、ソフトウェアアップデートで随時最先端のシステムにアップグレードできるというLINNの思想そのものに共感するユーザーの支持も受けているのだと思います」
- ソファはスイスのDe Sede(デセデ)をチョイス。リアスピーカーは埋め込みタイプのためリビングの動線を損ねません
- プロジェクターはVICTORのネイティブ4Kプロジェクター「DLA-Z5」、スクリーンは120インチです
「音の再現のレベルがとても高く、トップスピーカーやサラウンドバックを辞めたのに、むしろ場の空気感がリアルで生々しくなった」と感激されたユーザー宅。ガラスが多い部屋の響きはLINN独自の音響補正技術「SPACE OPTIMAZATION」とギャッベの吸音効果で解決。LINNの「KLIMAX EXAKT HUB」に「AKURATE EXAKTBOX」と「MAJIK6100」、「EXAKT SUB」を活用してのEXAKTサラウンドです(詳細はこちらから)。
- 構成はフロントにLINN「AKUBARIK」、サラウンドに「530」、サラウンドバックに「CUSTOM2K 104C」、センターに「AKURATE 225」、サブウーファーに「AKURATE 221」を採用した7.1ch
- サラウンドは画像に写っているLINN「KLIMAX DSM」のほか、6ch対応の「AKURATE EXAKTBOX」を活用してサラウンドに割り当てています
リラックスできる自分らしい部屋で好きな音楽を好きな音で愉しむように、並木通りに相応しいちょっとオシャレなカフェがあったなら……。そんなイメージを抱かせるゆとりの空間に誘った家族やパートナーにまで「自分も真似したい」と思わせるショップはなかなかありません。趣味人ならぜひ、銀ブラついでにみんなで「Bar takeda」(注:お酒は出ませんよ)へと足を運んでみてください。
[店舗概要]
サウンドクリエイト
東京都中央区銀座2-3-5三木ビル本館 2F 5F
営業時間:13:00 – 18:00
定休日:月曜、火曜
TEL:0120-62-8166
https://soundcreate.co.jp