先月紹介した、照明器具のTHE・定番「TOLOMEO(トロメオ)」を扱うイタリアの照明ブランドARTEMIDE(アルテミデ)。その最新の照明シリーズから「Ixa(イクサ)」と「Vine Light(バインライト)」を紹介します。「TOLOMEO」イズムのどんなところを継承しているのかを意識しながら見ていきましょう。
アルテミデ「TOLOMEO」ホームシアターでも活躍できる名作照明
コンパクトでもフレキシブルに
「Ixa(イクサ)」は、ARTEMIDEがFoster+Partners(フォスター・アンド・パートナーズ)と共同して開発したテーブル/フロアランプ。灯具をマグネットにより支柱に取付ける方式で、自由に照射方向を設定できます。また、調光スイッチも灯具にあるためON/OFFや調光を簡単におこなうことができます。
これは前回紹介した「TOLOMEO」のテーブル/フロアランプと同じく、灯具を反転させることでアッパーライトとして活用できること、フットスイッチでなく灯具本体にスイッチを備えたほうが便利である、との考え方を踏襲しています。不要なものを捨てて簡素化することで、機能的にも生産的にも持続可能な製品開発を目指すARTEMIDEの意図がよくわかります。
丸い灯具と支柱、ベースのシンプルでクラシックな佇まいも、単に意匠だけでなく機能がそのままデザインに生かされているといえるでしょう。
「Vine Light」シンプル&ユニークに使いこなす
BIG(Bjarke Ingels Group/ビャルケ・インゲルス・グループ)によって生み出された「Vine Light(バインライト)」は、16mmの1本のパイプを折り曲げたようなユニークな形状。直感的な操作で正確かつ自由に光の向きを設定することで、必要な場所を的確に照らすことができます。
これも「TOLOMEO」の電線が光源からパイプを通ってコンセントまで一本で結ばれていることや、灯具部分にスイッチがあること、向きを変えることで間接照明として活用できることと同じ考え方です。
ホームシアターの手許明かりとしてサイドテーブルやベッドサイドに置くもよし、映像を損ねることなく空間を演出する間接照明として壁や天井にバウンスさせるもよし。シンプルな意匠も相まって、多様な使い方ができること間違いナシです。
イタリアの照明ブランド「ARTEMIDE」とは?
ARTEMIDEは、1960年にErnesto Gismondi(アーネスト・ジスモンディ)によって設立されたイタリアの照明ブランド。「The Human Light」の理念で知られ、設立当初から技術研究、建築家とのパートナーシップ、社会文化的調査に基づいた革新的な製品づくりをおこなってきました。1994年にはCompasso d’Oroキャリア賞、1997年にはEuropean Design賞、2012年にはLeonardo Italian Quality Prizeを受賞しています。
パッと目を惹く斬新なデザインは、単に見た目の意匠だけではなく、確固たる光のデザインと技術革新に基づいているのです。実際、2016年だけで10件の特許を取得しています。
代表作としては、今回紹介した「TOLOMEO」(1989年、ミケーレ・デ・ルッキとジャンカルロ・ファッシーナ)のほかにも「ECLISSE」(1967年、ヴィコ・マジストレッティ)、「PIPE」(2004年、ヘルツォーク&ド・ムーロン)、「IN-EIコレクション」(2014年、三宅一生)などがあります。
お問い合わせ先
- 「Artemide Tokyo Showroom」
東京都港区東麻布1-23-5 PMCビル8F
TEL:03-6230-9912
営業時間:11:00〜17:00(アポイント制)
定休日:土曜日、日曜日、祝日
都営大江戸線『赤羽橋駅』より徒歩2分