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レビュー

  • BENQ BenQ「HT3550」導入ドキュメントPART3
    Y邸〜作品の“そのまま”が伝わる色表現!
    4Kプロジェクター モニターレポート

    取材・執筆 / 長濱行太朗(ホームシアターCHANNEL編集部)
    2019年9月30日更新

アートの世界にも4Kの普及を!

ホームシアターCHANNEL特別企画「4Kプロジェクターを試せる! BenQ×VGPモニターキャンペーン」に、今回ご当選されたのは、アートプロジェクトや展覧会にテクニカルディレクター/エンジニアとして活動されているYさん。さっそく作業ルームに導入してきました!

  • 4Kプロジェクター
    BENQ
    「HT3550」
    ¥OPEN(実勢価格¥200,000前後)
    リビングルームで視聴位置の近くに置くだけで楽しめる手軽な設置性を持ち、4K/HDRコンテンツ、そしてDCI-P3で標準となるカラースペースに準じた色再現技術「BenQ CinematicColor テクノロジー」による豊かな色表現を堪能できるプロジェクター。
  • イベント・テクニカルディレクターのYさん
    2019年8月に東京ビッグサイトで開催された「Maker Faire Tokyo」、2018年7月に中国上海で行われた「World of GHIBLI in China」など、国内外問わず活躍されているYさん。現在は、11月から山口県立美術館で開催される「雪舟作品映像展示」のディレクションに携わっています。アートディレクション、イベント全体の設計、システムの導入、映像のプログラミングまで、活動は多岐に渡ります。

プロジェクターを使用したイベントや展覧会を多数手がけるYさん。プロシューマー用プロジェクターを始め、ビジネスプロジェクターなど、多くのモデルを実際に使用し、開催会場への設置も自身で行っているようです。

Yさん「映像を扱ったアートプロジェクトなどに携わる際、プロジェクターを活用したシステムを作ることが多く、今まで様々なプロジェクターを使用してきました。設置性の高さや映像の調整項目の豊富さなど、プロジェクターに求める要素は画質以外にも多いですね。ベンキューのプロジェクターもよく使用することがあり、今回は4K/HDR対応プロジェクターにじっくりと触れられるチャンスだと思い応募しました!」

制作の現場が4Kカメラを使用した撮影されているためイベントでも4Kプロジェクターをできるだけ活用したい、またできるだけ最新モデルをイベントに使用したいという思いから、今回モニターキャンペーンにご応募されたようです。

作業場でプロジェクターをテスト

今回、「HT3550」を導入したのは、Yさんの作業場となっている事務所。イベントで使用するプロジェクターを開催会場に持ち込む前に、実際にプロジェクターによる映像、レンズシフトなどによる設置性、投写距離の測定なども行っているようです。

  • イベントでシステムの導入にも携わるため、機材を設置するための工具などが、ビッシリと備えられている作業場。プロシューマー用プロジェクターからビジネスプロジェクターまで、事務所でテストを行ってから現場に導入しています。またスクリーンは80インチを使用しており、作業スペースでスクリーンを自由に移動させられるように、スクリーンを設置できるレールも天井に設置しています。

プロジェクターでアート作品の映像を映し出すために、動画のプログラミングも行うYさん。映像を映し出すためのハードをより活用しやすくするべく、自身で映像の再生機をカスタマイズすることもあるそうです。また、プロジェクターに投写された映像と連動したARのプログラムを組むといった試みも行っています。

  • Raspberry Piのボードなどを活用して、イベントで再生するための機器をカスタマイズしたりすることで、よりイベントの特徴にあった映像出力環境を作り上げることもあるそうです。また、アプリとプロジェクターから出力した映像を連携させて、AR技術を用いたアクションを作ったりすることも。

短焦点による設置性の高さに驚き!

イベント会場や美術館の展覧会場などに設置するプロジェクターには、できるだけ短焦点で設置でき、なおかつ映像が歪まないことが重要になるとのこと。特に、スクリーン横サイズ/投写距離を表した値である「Throw Ratio」が、1:1にできる限り近い数値のプロジェクターが理想的だと言います。

Yさん「HT3550はThrow Ratioの値が素晴らしいですね。1:1.3のため、とても短い投写距離で正像を投写することができます。実際にセッティングしてみると、距離を取ることも、映像を投写することも簡単ですし、展覧会などですぐに使いたくなる設置性ですね! 」

  • 取材では、テーブル上で正面置きでセッティング。Yさんがお持ちの80インチ・スクリーンにピタリと収まる設置が簡単にできました。その手軽さにYさんも驚きの表情!
  • プロジェクターをセッティングした際、できるだけ正確な距離を測定するためにレーザー距離計を使用。ズームを最大にして、ワイド端で80インチを投写しました。ズームを調整すると、ピント調整も追従するように合わせてくれる機能も、セッティングを簡単にしてくれます。

一度に同じプロジェクターを多数使用して、投写映像を繋ぎ合わせるシステムを構築することも多いYさん。HT3550の映像調整項目にも注目していました。

Yさん「プロジェクターの映像調整は、展覧会などで使用する際に要となる機能なんです。映像調整を行いながら、何台ものプロジェクターから出力されている投写映像を、自然に見えるように繋げていきます。HT3550は、調整項目が細かいだけでなく、調整できる範囲が広いのもいいですね。」

  • HT3550の「カラーマネージメント」では、「原色」の項目で「赤/黄/緑/シアン/青/マゼンタ」の6色(RGBYMY)から色調整ができます。また「Cinema Master」の「カラーエンハンサ」や「肌色」などの調整項目も搭載しています。

一見しただけでわかる自然な色再現性

Yさん「現在、展覧会の制作で携わっている雪舟の巻物の映像を観てみましたが、非常にオリジナルに近い色表現ですね。一見しただけで、色表現の自然さと、バランスの良さがわかります。『Cinema』と『D.Cinema』の映像モードによる映像は、とても印象がいいです。4Kによる解像感の高さも併せっているのかもしれないですが、雪舟の巻物のシミなども表現できてますし、表面に薄く塗られている青い塗料もしっかりと描けています。雪舟の作品は国宝のひとつなので、こういった正確な色表現はとても大切です。
また色再現性が明るさとトレードオフにならないのも特長ですね。太陽光が入るところで観ても非常に明るく、それでいて色は抜けにくい。暗い映像を観ても暗部の階調が再現できていますね。
4K/HDR対応のプロジェクターをイベントで使用したい気持ちが、益々強くなりました!」

今回、ホームシアターの視点とは違う、アートディレクションの観点からHT3550の魅力を体感してくれたYさん。イベントの現場、展覧会の会場でぜひHT3550を導入してほしいですね!

  • 実際に映像を確認、プログラミングを制作する再生環境と近い状態で取材してくれたYさん。PCからHDMIで直接接続し、4K信号が間違いなく入力されているか確認し、ProResも含めた動画フォーマットで再生して画質をチェックしていました。

SPEC

[HT3550]
●投写方式:DLP ●表示解像度:3840×2160 ●レンズ:1.3倍ズームレンズ ●レンズシフト:上10% ●投写サイズ:30型~300型 ●明るさ:2000ルーメン ●主な接続端子:HDMI入力×2、USB入力×3 他 ●消費電力:350W ●外形寸法(W×H×D):380×127×263mm ●質量:約4.2kg