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レビュー

  • SONY/TOSHIBA/PANASONIC 本気テスト! 増税直前の4Kテレビ大比較!
    ハイエンドは誰もが驚く超高画質!
    第4回「4K有機ELテレビ ハイグレードクラス編」

    VGP 取材・執筆 / 鴻池賢三
    2019年9月26日更新

    • VGP審査副委員長
      鴻池賢三

有機ELの進化を引き出したトップモデル

4Kテレビを購入する際、選択のポイントとして何よりも“高画質”を優先するのなら、各社ハイエンドの4K有機ELモデルを選ぶことを強くお薦めします。

有機ELは、従来のテレビでは実現できなかった黒の沈みとピークの輝きによるダイナミックなコントラスト、スムーズで滑らかな動画表現などが特長。そのうえで各社のハイエンドモデルは、有機ELの特長をさらに引き出す最高峰の映像技術が盛り込まれており、スタンダードクラスと比較して、大きなアドバンテージがあります。

4Kチューナーの内蔵、ストリーミング動画配信への対応はもちろん、音質面でも力の入った高音質技術が採用されており、Ultra HDブルーレイ(以下、UHD BD)、4K放送、4K動画配信コンテンツを臨場感豊かな画と音で楽しむことができるのです。4K有機ELテレビのトップグレードでしか味わうことができないクオリティをぜひ楽しんでください。

  • 「4K有機ELテレビ ハイグレードクラス編」では、ソニー、東芝、パナソニックのトップモデルを集め、サイズを65型に揃えてクオリティを検証しました。液晶のハイグレード、そして有機ELのスタンダードクラスを凌ぐ画と音が体感できます!

SONY 「KJ-65A9G」~“映画らしさ”を極めた逸品!

  • SONY
    KJ-65A9G
    ¥OPEN(実勢価格¥550,000前後)

ソニーの最上位「A9G」シリーズには、制作者の意図を忠実に再現するという強い意思を込めた称号とも言える「MASTER Series」の名が冠せられています。設計思想や技術内容はもちろん、出荷時のキャリブレーションもより念入りに行い、手にした全てのユーザーに「高画質」を約束してくれるのは心強い限りです。

映像エンジン「X1 Ultimate」による高画質化処理、HDR映像の輝きをさらにアップ「ピクセル コントラスト ブースター」など、技術力の高さはまさにトップクラス。画面から音を発する「アコースティック サーフェス オーディオプラス」、各種配信サービスへの高度な対応など、音質および機能や使い勝手もハイレベルです。

  • 映像モードは、スタンダードクラスの「A8G」シリーズと変わらず、「スタンダード」、「シネマ」、「ゲーム」、「フォト」など、全7モードを設けています。また、ドルビービジョンが入力された場合は、明るい視聴環境に適した「ドルビービジョンブライト」、暗室に最適な「ドルビービジョンダーク」が選べます。
  • 詳細設定では、「HDRモード」や精細度とのノイズ処理のバランスを調整する「リアリティークリエーション」、映像の明るさを判別して最適化する「自動コントラスト補正」などの機能を、細かく調整することが可能です。
  • Android TV機能を搭載しているKJ-65A9Gは、ネットワークを繋げた時からさまざまなストリーミング動画配信を楽しめたり、オリジナルのポータルアプリ「My BRAVIA」によるお薦め動画やコンテンツを活用することができます。
  • 今回取材したモデルの中で、唯一「eARC」に対応したHDMI入力(入力3)を搭載しています。また、本モデルは「センタースピーカーモード」に対応しているため、背面にスピーカーケーブルを繋げられる端子を装備。電源ケーブルは着脱が可能で、スタンダードクラスのA8Gシリーズと差別化が図られています。

没入感の高さと色再現性が極上

『マリアンヌ』では、色彩表現が的確であるため、暗部の色もきちんとコントロールされており、グラデーションに色転びもなく滑らか。目が行きがちな人物の表情も極めてナチュラルに再現。解像度の高さで被写体をくっきりと描き、背景のボケも美しく表現されます。映像の世界観に違和感なく没入できるのが魅力です。

『アリー/スター誕生』をDolby Visionで再生すると、ステージシーンのスポットライトに明度差が見て取れ、幾重にも重なる様子が立体感として感じることができたのも発見。音質は映画の重低音でやや曖昧になりがちですが、放送視聴時は声の低さも出しつつ、しかも明瞭なのは好印象でした。

  • 「KJ-65A9G」の画質・音質傾向

TOSHIBA 「65X930」~放送番組の高画質も録画も敵なし!

  • TOSHIBA
    65X930
    ¥OPEN(実勢価格¥550,000前後)

画質面では2019年仕様の新世代有機ELパネルを採用し、画質エンジンは「レグザエンジン Professional」や独自の高度な「AI超解像技術」を搭載。HDR10+およびドルビービジョンにも対応し、幅広いHDRコンテンツをより良い条件で映し出すことができます。最上位モデルならではの特長は、全チャンネルを録画して時間を遡るような感覚で再生できる「タイムシフトマシン」機能の搭載。音質面では、最上位モデルにふさわしいこだわりを詰め込んだ「有機ELレグザオーディオシステム PRO」に注目です。もちろん、各種ストリーミング動画配信サービスにも対応しています。

  • 東芝の4Kテレビは、「ピュアダイレクト」モードを搭載しています。HDMIから入力されたプログレッシブ映像を、4:4:4で映像処理することで、コンテンツが本来持っている情報を最大限に引き出し、映像出力する方法を備えています。
  • リモコンの「画面表示」ボタンを押すと、現在入力されている映像信号の方法が細かく表示できるのも東芝の4Kテレビの特長です。設定内に「詳細機能設定」の項目があり、「信号フォーマット詳細表示設定」をオンにすることで、常時見られるようになります。
  • 音声設定では、「おまかせ」「ダイナミック」「標準」「映画」などの音声モードを選べるほか、微小信号を再現して精細感の高いサウンドにする「サウンドリマスター」機能や、「低音強調」、音声帯域別で細かく調整できる「イコライザー」機能などを設けています。
  • 「65X930」は、HDMI入力を全7基搭載しており、今回取材モデルの中でも最も端子数が豊富です。入力1がARCに対応しています。本モデルは、タイムシフトマシンに対応しているモデルのため、タイムシフトマシン用の外付けHDDが接続できるUSB入力を2基備えています。電源ケーブルは着脱が可能で、3芯タイプを採用しています。

巧みな処理技術と自然さが絶妙

映像は奇をてらわず、ナチュラルで落ち着きを重視した印象。「映画プロ」モードのほか、プロ用モニターを意識した「ディレクター」モードも選択可能と、マニア好みの機能も充実しています。画質面で印象的なのは、放送映像と配信映像の高画質化。これらは圧縮によるノイズやディテールの消失が気になりがちですが、数々の処理アルゴリズムによって端正に再構成され、しかも自然さを保つさじ加減が絶妙です。ソースを選ばず快適に楽しむことができます。音はやや甲高くフォーカスの甘さも残りますが、実用充分の高音質。調整項目が多く追い込みも可能です。

  • 「65X930」の画質・音質傾向

PANASONIC 「TH-65GZ2000」~他で体験できない最上級のコントラスト

  • PANASONIC
    TH-65GZ2000
    ¥OPEN(実勢価格¥600,000前後)

最大の特長は、自社設計・組立の「Dynamicハイコントラスト有機ELディスプレイ」。パネルの発光性能を向上させるために、パナソニックだけのオンリーワン技術をつぎ込んだ、圧倒的なコントラスト性能を誇る孤高のフラグシップです。

光と色の情報を分離して制御する「Dot ContrastパネルコントローラーPro」は、色鮮やかで階調豊かな高画質を狙ったもの。重要な暗部階調はパネル製造時に1枚ずつ測定によって高精度に調整しており、ファンの期待に最大限応えてくれます。サウンドは「Tuned by Technics」で、さらに上部にイネーブルドスピーカーを搭載した世界初のテレビであり、ドルビーアトモスのサウンドを余すことなく楽しめます。

  • 映像の素材に応じてコントラストの自動調整を行うことで、メリハリのある映像表現を可能にしてくれる「コントラストAI」は、オート、カスタム、オフから選択できます。カスタムを選択した場合、「明るさ補正」「黒伸長」「白文字補正」などの設定項目を調整できます。
  • 「ホワイトバランス調整」や「カラーマネージメント調整」など画質の細かな調整が可能なだけでなく、オプション機能では、「4Kピュアダイレクト」「1080p」ダイレクトに加え、「HDMI EOTF設定」や「HDMI YCbCrレンジ設定」など、プロフェッショナルな設定項目も設けています。
  • 視聴する環境やテレビの設置場所に応じて、スピーカーの音場を最適化してくれる「Space Tune設定」では、テレビを部屋の角に置いているか、壁掛けか、壁からテレビの距離、テレビの上端から天井までの距離、テレビを視聴する際のユーザーの視点の位置など、細かく設定し、サウンドキャリブレーションを行ってくれます。
  • HDMI入力端子は全4基搭載し、入力1がARC対応となります。4K録画に対応しており、USB入力1が録画用となっています。電源ケーブルは着脱不可。

力強く引き締まったダイナミズム

圧巻はピーク付近の階調を丁寧に残しつつ、力強い輝きを感じるダイナミズム。平均輝度の高い一般的な画柄も明るく表示し、明るめのリビングでもダイナミックな映像美が楽しめること請け合いです。また、最暗部の光はじめも丁寧に描写し、黒が引き締まりつつ、情報量が多く柔らかな風合い表現は見事。極彩色から暗闇の奥底までリアルに体感できます。

サウンドは『アリー/スター誕生』をドルビーアトモスで確認。素性の良さに加え、広い音場に音が分離して配置されるのでセリフは聞き取り易くニュアンスが豊かなのが好印象で、テレビ1台で最高峰の映像と音を楽しむことができました。

  • 「TH-65GZ2000」の画質・音質傾向

肝入りの技術で個性が分かれる!

いま話題のHDR映像をどれよりも美しく、効果的に楽しみたいのなら、パナソニックの「TH-65GZ2000」がお薦めです。テレビ用の白色発光有機EL素子とフィルターを組み合わせたパネルでは不可能と思えたレベルの高コントラストを実現し、心に沁みる映像美に到達しました。イネーブルドスピーカーも搭載したサウンドシステムもユニークです。映画を見るならソニー「KJ-65A9G」も注目すべきです。巧みな「映画らしさ」の表現力は、同社が培ってきた画づくりのノウハウの結晶と言え、一日の長を感じます。日常の放送番組をしっかり高品位に楽しみたいなら、映像の最適化処理に長け、タイムマシン機能が利用できる東芝「65X930」がお勧めです。どの製品も各メーカーの肝入りで画質・機能ともに充分で、選んで後悔のないレベル。それぞれに個性があるので、重視する点や使い方を把握し、ピッタリの1台を見つけて下さい。

<関連記事>

第1回「4K液晶テレビ スタンダードクラス編」
第2回「4K液晶テレビ ハイグレードクラス編」
第3回「4K有機ELテレビ スタンダードクラス編」

SPEC

SONY 「KJ-65A9G」
●デジタルチューナー数:地上デジタル×2、BS/110度CSデジタル×2、BS4K/110度CS4K×2 ●パネル方式:有機EL ●パネルサイズ:65型(1428W×804Hmm/対角1639mm) ●画素数:3840×2160 ●対応HDR規格:HDR10、HLG、Dolby Vision ●スピーカー:フルレンジ×2、ウーファー×2 ●音声出力:20W+20W+10W+10W ●主な入出力端子:HDMI入力×4、光デジタル入力×1、USB入力×3 ●ネットワーク接続:LAN×1、Wi-Fi(2.4GHz、5GHz) ●対応ストリーミング動画サービス:Netflix、Amazon Prime Video、DAZN、dTV、hulu、U-NEXT、Abema TV、ひかりTV 4K、Rakuten TV、TSUTAYA TV、YouTube ●消費電力:482W(待機時0.5W) ●外形寸法:1447W×838H×255Dmm (スタンド含む) ●質量:24.8kg (スタンド含む)

TOSHIBA 「65X930」
●デジタルチューナー数:地上デジタル×9、BS/110度CSデジタル×3、BS4K/110度CS4K×2 ●パネル方式:有機EL ●パネルサイズ:65型(1428W×804Hmm/対角1639mm) ●画素数:3840×2160 ●対応HDR規格:HDR10、HLG、HDR10+、Dolby Vision ●スピーカー:トゥイーター×2、フルレンジ×2 ●音声出力:15W+15W+10W+10W ●主な入出力端子:HDMI入力×7、光デジタル入力×1、アナログ音声入力×1、USB入力×4 ●ネットワーク接続:LAN×1、Wi-Fi(2.4GHz、5GHz) ●対応ストリーミング動画サービス:Netflix、DAZN、dTV、hulu、U-NEXT、Abema TV、ひかりTV 4K、Rakuten TV、YouTube ●消費電力:498W(待機時0.3W) ●外形寸法:1447W×846H×475Dmm (スタンド含む) ●質量:47.5kg (スタンド含む)

PANASONIC 「TH-65GZ2000」
●デジタルチューナー数:地上デジタル×3、BS/110度CSデジタル×3、BS4K/110度CS4K×2 ●パネル方式:有機EL ●パネルサイズ:65型(1428W×804Hmm/対角1639mm) ●画素数:3840×2160 ●対応HDR規格:HDR10、HLG、HDR10+、Dolby Vision ●スピーカー:トゥイーター×3、ミッドレンジ×6、ウーファー×4、イネーブルドスピーカー×2 ●音声出力:20W+20W+20W+20W+20W+20W+20W ●主な入出力端子:HDMI入力×4、光デジタル入力×1、アナログ音声入力×1、USB入力×3 ●ネットワーク接続:LAN×1、Wi-Fi(2.4GHz、5GHz) ●対応ストリーミング動画サービス:Netflix、Amazon Prime Video、DAZN、dTV、hulu、U-NEXT、Abema TV、ひかりTV 4K、Rakuten TV、TSUTAYA TV、YouTube ●消費電力:563W(待機時約0.3W) ●外形寸法:1446W×907H×310Dmm (スタンド含む) ●質量:約40.0kg (スタンド含む)

REFERENCE MODEL

  • UHD BDプレーヤー
    PANASONIC
    「DP-UB9000」
  • HDMIケーブル
    PANASONIC
    「4Kプレミアムハイグレードタイプ」
    RP-CHKX10-K(1m)/RP-CHKX15-K(1.5m)/RP-CHKX20-K(2m)/RP-CHKX30-K(3m)/RP-CHKX50-K(5m)
  • HDMI分配器
    RATOC
    「RS-HDSP4P-4K」
  • 写真左から
    UHD BD
    『ボヘミアン・ラプソディ』
    FXHA-87402/20世紀フォックス
    ●映像:シネマスコープ、HDR10+
    ●音声:英語ドルビーアトモス、英語DTS-HDマスターオーディオ2.0ch 他UHD BD
    『アリー/スター誕生』
    1000743779/ワーナー・ブラザーズ
    ●映像シネマスコープ、ドルビービジョン
    ●音声:英語ドルビーアトモス、英語DTS-HDマスターオーディオ5.1ch 他
  • 写真左から
    UHD BD
    『マリアンヌ』
    PJXF-1093/NBCユニバーサル
    ●映像:ビスタ、HDR10
    ●音声:英語DTS-HDマスターオーディオ5.1ch 他UHD BD
    『The Spears & Munsil UHD HDR Benchmark』
    Scenic Labs
    ●映像:ビスタ、HDR10、HLG、HDR10+、Dolby Vision
    ●音声:音声DTS-HDマスターオーディオ5.1ch、音声ドルビーTrueHD 5.1ch