PART1はこちら＞＞＞テレビに組み合わせたい“推し”スピーカー フロア型を徹底レビュー PART1

テレビ周りのサウンド強化において設置性と音質のバランスで考慮すると、“フロアスタンディング型”のスピーカーは理にかなった存在です。設置するスペースは必要ですが、テレビラックの空きスペースやスピーカースタンドを必要とせず、そのままセッティングできます。また昨今はインテリアにマッチしたデザイン性やフォルムを持つモデル、テレビの横に置きやすいスリムなキャビネットを採用したスピーカーも多くなってきています。もちろん、デザイン面を考慮しながらも、ピュアオーディオとしての実力を兼ね備えています。

そこで本稿では、ぜひテレビと組み合わせてほしい“推し”のフロア型スピーカーをご紹介。初めて本格的なスピーカーを導入してみたい方にお薦めの入門機から、ペア50万円を超える高級モデルまで集めてクオリティチェックを実施しています。

PART2は、ミドルクラスとしてペア25万円以上35万円未満の製品を４機種選んだが、各ブランドとも中核を担う実力の高いモデルが並びます。クオリティの高さに加え、各々のブランドが持つ個性と背景を上質なサウンドに落とし込んだ、魅力溢れる製品ばかりです。サイズ感やフォルムにも幅があり、ユーザーの個性に合わせたチョイスも楽しめるでしょう。

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• スピーカーの試聴取材では、UHD BDプレーヤーのパナソニック「DP-UB9000」からプリメインアンプのブルーサウンド「POWERNODE 2i」までHDMIケーブルで接続し、プレーヤーからの音を再生。テレビからの音を試聴する際は、テレビからPOWERNODE 2i（ARC対応）までHDMIケーブルで接続しています。
  ＜試聴コンテンツ＞
  音楽ライブ：BD『ONLINE LIVE 2020 -Arena Travelers-／Official髭男dism』（『Universe』付属BD）
  映画アクション：4K Ultra HDブルーレイ『エクスペンダブズ3』
  映画ドラマ：4K Ultra HDブルーレイ『君の名は。』

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• PARADIGM
  「PREMIER 700F」
  ￥275,000(税込／ペア)
  マルチch展開：○
  イネーブルド：×
  サブウーファー：×

自社設計で磨き抜かれた中核機

1982年に創業したカナダのパラダイムは、現在に至るまで自社設計・製造にこだわり、高性能なスピーカー作りに勤しんできました。長年培ってきたノウハウを集約した中核製品群が「Premierシリーズ」であり、本機は2モデルあるフロア型の下位機種です。独創的な位相調整用「PPAレンズ」をトゥイーターとミッドレンジのユニットグリルに設けており、キャビネットも重厚かつ堅牢な構造です。25mmの磁性流体採用X-PALドーム・トゥイーターと140mmのカーボン注入ポリプロピレンコーン・ミッドレンジ、ARTエッジ採用した140mmカーボン注入ポリプロピレンコーン・ウーファーを2基搭載した3ウェイ・4スピーカー構成となっています。

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• トゥイーターとミッドレンジには、特徴的な穴あきレンズである特許技術「PPA(パーフォレイテッド・フェーズ・アライニング)」を採用し、色付けの無いサウンドを確保。ウーファー部には特許技術「ART(アクティブ・リッジ・テクノロジー)エッジ」を搭載しました。

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• スピーカーターミナルは、バイワイヤリング、バナナプラグの接続に対応。堅牢なプラグで金メッキ仕様を施すことでS／Nを高めています。バスレフポートはスピーカー背面の中央部に設けています。

音像が引き締まり鮮やかで明瞭

空間性が高く、音像は引き締め鮮やかに表現し、弦楽器はハキハキとしてエッジは強め。アクション系はSEの低域の響きをタイトに締め、爆発音はアタック中心で銃声は弾筋もくっきりと描かれ、立ち上がりも早いです。BGMは厚みあるストリングスを一本一本明瞭に引き立たせます。ドラマ系ではセリフの締まりがよく、輪郭を明確に描き、口元の潤いもよく、肉付きも自然です。息継ぎもハキハキとして鮮明で、虫の音も軽快に浮き立ち、空間の広がりを自然に表現です。音楽系ではボーカルの口元をメリハリよく描き、ホーンセクションやギターもキレ良くエッジが立っており、高解像度で爽やかな傾向です。

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• 55インチ・テレビの隣に設置

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• 音質傾向表1
  6軸で評価、MAX10点、0.5刻み

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• 音質傾向表2
  ☆で評価、MAX5点、0.5刻み

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• SONUS FABER
  「Lumina III」
  ￥275,000(税込／ペア)
  マルチch展開：○
  イネーブルド：×
  サブウーファー：×

初めてのソナス・ファベールに好適

上位機の優雅なデザイン性を取り込んだ、ソナス・ファベールではエントリーに位置する“ルミナ・コレクション”です。「Limina III」は、「アローポイントDAD」テクノロジーを用いた29mmシルクソフトドーム・トゥイーターと、自然乾燥させた数種の天然繊維を用いるペーパーコーンを取り入れた150mmの同軸フェーズプラグ装着・ミッドレンジ、2基の150mmウーファーによる3ウェイ・4スピーカーシステムです。フロントバッフルは7層プライウッドを採用しており、突板間の接合部にはメイプル材を挟み込み、不要共振をダンピングしています。キャビネットには伝統のブラックレザー張り仕上げで、高級感が漂います。

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• ソナス・ファベール独自の「アローポイントDAD(Damped Apex Dome)」テクノロジーを採用したシルクソフトドーム・トゥイーター、同軸フェーズプラグ搭載のミッドレンジなど、“ルミナ・コレクション”のために最適な設計が施されたドライバーを搭載です。

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• バイワイヤリング、バナナプラグの接続に対応したスピーカーターミナルを採用。ネットワーク回路には、独自のパラクロス・トポロジーに基づいたクロスオーバー技術を導入しています。

エナジー溢れる華やかなサウンド

潤い良く艶やかな高域のエナジーが強く、全体的に華やかなサウンドです。低域は密度よく弾力ある描写性。アクション系のSEは鮮明で、銃声や金属音の軋みはメリハリよくハイスピードに立ち上がります。ヘリの音も軽快で、爆発音は高域のアタック感が中心です。BGMは弦のエッジを明瞭に引き出し、ローエンドは太く逞しいです。ドラマ系のセリフはボディを引き締め、口元のハリをクールに描きます。ハキハキとした息遣いで女性の声の艶っぽさがより引き立ちます。音楽系では密度よく締まるリズム隊により音場をクリアに表現。管楽器やギターはシャープなタッチでボーカルも若々しい描写となります。

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• 55インチ・テレビの隣に設置

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• 音質傾向表1
  6軸で評価、MAX10点、0.5刻み

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• 音質傾向表2
  ☆で評価、MAX5点、0.5刻み

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• B&W
  「603S2 Anniversary Edition」
  ￥159,500(税込／1本)
  マルチch展開：○
  イネーブルド：×
  サブウーファー：○

細部まで改善された特別仕様モデル

2018年に登場した第6世代の「600シリーズ」をベースに、シリーズ誕生25周年を記念した特別仕様のモデル。44年間使われていたケブラーコーンと別れを告げ、旗艦機「800D3シリーズ」のコンテュニアムコーンを採用した150mm FSTミッドレンジと、再生上限を引き延ばすなどの改良を加えられた25mmのデカップリング・ダブルドーム・トゥイーター、2基の165mmペーパーコーンウーファーを搭載した3ウェイ・4スピーカーの構成となっています。クロスオーバーも改良され、さらなる透明感を獲得しました。特別仕様モデルにおいても、ブックシェルフ型を2機種、センタースピーカーをラインアップしています。

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• 「600 Series Anniversary Edition」向けにアップグレードされた、デカップリング・ダブルドーム・トゥイーターを採用したことで38kHzまで高域の再生帯域を伸ばしています。またミッドレンジには、上位機種から着実にコンティニュアムコーンを継承しました。

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• バイワイヤリング、バナナプラグの接続に対応したスピーカーターミナルを採用。バスレフポートも、スピーカー背面に設置しています。内部のネットワーク部も改善されており、クロスオーバーの最適化が図られています。

堂々した低域と分離よい中高域表現

堂々としたローエンドの響きと、きめ細かく分離よい中高域の描写によりゴージャスなサウンドを展開します。ボーカルはハキハキとした音離れのよい傾向で、輪郭はクールです。アクション系はＢＧＭを重厚に聴かせつつ、銃声や列車の音などは軽快で締まりよく表現。爆発音もアタックの強さを際立たせる方向性で、セリフもキレよく明瞭です。ドラマ系ではＳＥは落ち着いた傾向となり、セリフも厚みがあり、口元のハリや艶もスッキリと浮き立ちます。特に女性の声は余韻に甘い艶感が残り、印象的です。音楽系はドライなリズム隊が厚みよく表現。ホーンセクションやギターは細くシャープに描きます。

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• 55インチ・テレビの隣に設置

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• 音質傾向表1
  6軸で評価、MAX10点、0.5刻み

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• 音質傾向表2
  ☆で評価、MAX5点、0.5刻み

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• DALI
  「OPTICON6 Mk2」
  ￥159,500(税込／1本)
  マルチch展開：○
  イネーブルド：×
  サブウーファー：×

中心的シリーズを第二世代に一新

6年以上に渡って展開してきた、同社の中心的ラインナップである「OPTICONシリーズ」が第2世代へリニューアル。新設計のソフトドーム・トゥイーターは、28mmから29mmへ大口径化。磁気回路も新設計された他、取り付けフランジがアルミダイキャスト製に変更されています。クロスオーバーネットワークの電解コンデンサーもよりグレードが高いものへ刷新され、ウッドファイバーコーンユニットも次世代仕様へと改善。本機はリボン・トゥイーターや2基の165mmウッドファイバーコーン・ウーファーを積んだ4ウェイシステムです。ブックシェルフ型やセンタースピーカー、オンウォールスピーカーも揃えています。

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• リボン・トゥイーターに加え、29mmへと口径を大きくし、磁器回路も新規設計、さらにアルミダイカストの取り付けフランジを採用するなど、大きくブラッシュアップされたドーム・トゥイーターも搭載したことでミッドバスとの自然な繋がりを実現しました。

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• 端子部やジャンパープレートまで、ダリならではのデザインが施されているスピーカーターミナルは、バイワイヤリング、バナナプラグの接続に対応。バスレフポートはスピーカー背面の上部／下部に1基ずつ設けています。

低域の響きも倍音表現もゴージャス

艶やかな倍音表現が特長となる高域の爽やかな音伸びと、リッチでずっしりと響く低域の太さを両立したゴージャスなサウンド傾向。アクション系はBGMの重厚さと弦の澄んだアタックをメリハリ良く表現。セリフやSEの銃声も厚みを伴い、存在感があります。爆発音も派手でどっしりと響きます。ドラマ系はセリフの厚みが落ち着きを生み、口元の艶や潤いがより上品な質感を与えています。空間性も素直で奥行きも捉えやすいです。音楽系は太く逞しいリズム隊の押し出しと、フラッシーで鮮やかなホーンセクション＆エレキギターの描写が好対照です。息継ぎのリアルさとウェットな艶感を持つボーカルの自然な描写もよいです。

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• 55インチ・テレビの隣に設置

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• 音質傾向表1
  6軸で評価、MAX10点、0.5刻み

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• 音質傾向表2
  ☆で評価、MAX5点、0.5刻み

PART３はこちら＞＞＞テレビに組み合わせたい“推し”スピーカー フロア型を徹底レビュー PART3

PARADIGM「PREMIER 700F」
●形式：3ウェイ・バスレフ型
●ユニット：25mm X-PAL メタルドーム・トゥイーター×1、140mm 炭素注入ポリプロピレンコーン・ミッド×1、140mm コーン・ウーファー×2 ●再生周波数帯域：45〜25,000Hz ●クロスオーバー周波数：800Hz／2,500Hz ●感度：91dB ●インピーダンス：8Ω ●外形寸法：212W×1012H×321Dmm ●質量：21.88kg

SONUS FABER「Lumina III」
●形式：3ウェイ・バスレフ型 ●ユニット：29mm アローポイント・DAD・シルクソフトドーム・トゥイーター×1、150mm コーン・ミッドレンジ×1、150mm コーン・ウーファー×2 ●再生周波数帯域：40～24,000Hz ●クロスオーバー周波数：350Hz／3,500Hz ●感度：89dB ●インピーダンス：4Ω ●外形寸法：229W×985H×278Dmm ●質量：16kg

B&W「603S2 Anniversary Edition」
●形式：3ウェイ・バスレフ型 ●ユニット：25mmアルミドーム・トゥイーター×1、150mmコンティニュアムコーン・FST・ミッドレンジ×1、165mmペーパーベース・ウーファー×2 ●再生周波数帯域：28～33,000Hz ●感度：88.5dB ●インピーダンス：8Ω ●外形寸法：320W×1,055H×370Dmm ●質量：24.1kg

DALI「OPTICON6 Mk2」
●形式：2ウェイ・バスレフ型 ●ユニット： 29mmソフトドーム・トゥイーター×1、17×45mmリボン・トゥイーター×1、165mm SMCウッド・ファイバー・コーン・ミッドレンジ／ウーファー×2 ●再生周波数帯域：49Hz～30,000Hz ●クロスオーバー周波数：2,200kHz ●感度：88dB ●インピーダンス：4Ω ●外形寸法：195W×1,001H×330Dmm ●質量：18.7kg

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• プリメインアンプ
  BLUESOUND
  POWERNODE 2i
  ￥OPEN(実勢価格120,000円前後)

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• UHD BDプレーヤー
  PANASONIC
  DP-UB9000
  ￥OPEN(実勢価格210,000円前後)

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• 4K有機ELテレビ
  PANASONIC
  TH-55JZ1000
  ￥OPEN(実勢価格310,000円前後)