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実例

  • リビングシアターCASE43
    夢の“スピーカーに囲まれたリビング”を叶えた
    壁掛けや壁面埋め込みを導入して9.1chシステムを実現

    取材・執筆 / 竹内純(ホームシアターファイルPLUS編集部)
    2022年11月28日更新

ホームシアター在りきで設計

子どもの頃からオーディオやテレビが好きだったというご主人。社会人になると早速、手ごろな価格のアンプやスピーカーでサラウンドシステムを組み楽しんでおられました。転勤が多かったこともあり、ホームシアターを実現することはできずにいましたが、第一線を退いて生活も落ち着いたことで新築を決意。お子さんも独立して「ようやくホームシアターの夢が叶えられる!」と設計段階からホームシアター在りきで実現しました。

  • お子さまが独立され、夫婦二人で存分にホームシアターを楽しまれておられます。ご主人は念願だったホームシアターの実現へ向け、本誌の前身である「ホームシアターファイル」誌から数えて約8年にわたり愛読され、夢を膨らませてきました。2021年9月、パワーアンプを追加で導入し2ch再生環境の強化を図りました。ご主人は「徐々にグレードアップしていきたい」と語ってくれました。
  • 機器を収めるラックは、北海道音更町のウッドショップでご主人が見初めた一枚板で、リビングテーブルと一緒に作ってもらったもの。「美しく収まっている機器を眺めているだけで楽しくなります」とリビングルームのもうひとつの自慢の顔です。

「ずっと前から構想していた主人の夢。頭の中はいつもホームシアターのことでいっぱいなんです」とやさしく見守る奥様。以前はマンションで大きな音が出せなかったので、戸建てなら気兼ねなく大きな音を出せるからと新築にも大賛成でした。「リビングルームでスピーカーに囲まれ、好きな音楽も楽しむことができてとても幸せです」と映像や音楽のある暮らしを満喫しておられました。

  • 断熱層の性能を損ねてしまうことから、スピーカーの天井への埋込みが厳しいため、フロントハイト、リアハイトを起用した9.1chサラウンドシステムにより、立体音響の効果を十分に高めています。
  • 後ろ側の様子。約16畳のリビングルームに、要望に応えて9.1chのスピーカーを配置。姿の見えない左手のリアスピーカーは、後でお見せするように収納スペースに移動することができます。

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B&Wで統一した9.1chシステム

「スピーカーに囲まれたリビングルームが夢でした」と話すご主人の要望に対し、インストールを手掛けたFIST Sound旭川・園田幸一氏は“所有感をくすぐる”9.1chのシステムを提案しました。壁掛けのフロントハイトスピーカー、壁面埋め込みにしたリアハイトスピーカーなど、アイデアを凝らして完成させました。スピーカーはご主人の憧れだったB&Wのピアノブラックで統一しています。

  • スピーカーはご主人の大の憧れだったB&Wで統一。フロントスピーカーには「702S2」をチョイスしました。

大好きだったコンサートへ行く機会もめっきり少なくなるなか、よく楽しまれているのがWOWOWの音楽ライブ。「まるでその場にいるようでPCやテレビで観るのとは段違いです。しかも、好きなアーティストが間近で見られます。ワインを飲みながらでもお構いなしですし、週末の大きな楽しみです」と笑顔をのぞかせる奥様でした。

  • リアスピーカーのB&W「PM1」(写真左)はリビングルームのなかほど、視聴するソファの斜め後ろにスタンドを用いて設置します。また、側面のサブウーファーを設置するスペースに収納することができ、ホームシアターを使用しないときには動線をより広く確保することができる工夫が凝らされています。(写真右)
  • フロントハイトスピーカーのB&W「707S2」。「B&Wのスピーカーは壁掛けや天吊りができないため、壁掛けに合う金具をPA関係から見つけてきました。建築業者とも綿密に打ち合わせの時間を設け、壁掛けを実現しています」(園田氏)

日常を異空間に変える魔法の場所

北海道日本ハムファイターズのゲームも楽しみにするコンテンツのひとつ。「昨シーズンは札幌ドームにも一度しか観に行けず、スタジアムでは声を出すこともできませんでした。しかし、家ならいくらでも大きな声で声援できますから」と新庄剛志BIGBOSS率いる今シーズンの活躍に今から胸を躍らせていました。

「主人が何か調べているときは必ずホームシアターのことなんです。考えている姿を見ていると本当に楽しそうで」と話す奥様。コロナ禍で注目が高まるホームシアターに対してご主人は「悩んだり、寝られなかったりしたときにもホームシアターは気分転換になり、頭の中を切り替えることができます。日常を異空間に変える魔法の場所ですよ」とその存在を賞賛されました。

  • プロジェクターはソニー「VPL-VW255」を壁の中にキレイに収納しています。左右の延長線上にはリアハイトスピーカーを埋め込むアイデアが特徴的。多くのスピーカーに囲まれながらも、リビングルームの落ち着いたスタイリッシュな雰囲気を壊さないようという園田氏のアイデアです。「横長のスペースに対し、B&Wのブックシェルフは縦置きになるため、横置きが可能なセンタースピーカー『HTM6』を選びました」と園田氏。
  • スクリーンは天井を掘り込み、目立たないように埋め込んで設置しています。
  • スクリーンとラックがある正面の裏側には、機器の配線などが容易に行えるスペースが設けられています。
  • インストールを手がけたFIST Sound旭川の園田幸一氏。

写真/吉田哲昭

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M邸ホームシアター概要

ROOM DATA
●住宅形態:戸建/新築 ●家族構成:夫婦 ●ホームシアターの広さ:約16畳 ●画面サイズ:120インチ+65インチ ●サラウンド:9.1ch ●インストール内容:機器設置、システムプランニング ほか

SYSTEM LIST
●プロジェクター:ソニー VPL-VW255 ●スクリーン:キクチ SES-120HDCW ●液晶テレビ:ソニー KJ-65X9500E ●AVプリアンプ:ヤマハ CX-A5200 ●マルチchパワーアンプ:ヤマハ MX-A5200 ●ステレオパワーアンプ:PRIMARE A35.2 ●フロントスピーカー:B&W 702S2 ●センタースピーカー:B&W HTM71S2 ●リアスピーカー:B&W PM1 ●フロントハイトスピーカー:B&W 707S2 ●リアハイトスピーカー:B&W HTM6 ●サブウーファー:B&W ASW610
※上記システムは2021年取材当時のもののため、一部生産完了になっている機器もあります。

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