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実例

  • 専用室シアターCASE18
    リノベーションで映画館さながらの防音室
    機器えらびは画と音のクオリティから空間デザインまで考慮

    取材・執筆 / 井田有一(ホームシアターファイルPLUS編集部)
    2021年8月4日更新

ダイケンの建材をふんだんに使用した本格的な防音室

「学生の頃、東京に住んでいたので、よく名画座に行っては3本立てで映画を観ていました(笑)。そんな私ですから『映画館を自宅につくる』という憧れをずっと持っていました」。そう話すオーナーの野村さん。新作はもちろんですが、青春時代を彩った80年代の日本映画や、当時よく観た70年代のアメリカ映画など、まさに名画座で上映される作品をこよなく愛するシネフィルであります。一方、本誌前身の雑誌である『ホームシアターファイル』も昔から愛読するなど、テレビシアター歴も約20年になるベテランです。

そんな野村さんが、素敵な専用ルームを作ったのは2018年秋のこと。ご両親の高齢化に伴って、家全体のリフォームを行ったそうで、その際にできた空き部屋を夫婦のために有効活用しようと、ホームシアターリノベーションを行ったといいます。

  • ひと目で映画好きとわかる誰もが羨む空間です。ミニバーも併設しており、お酒を飲みながらゆっくりすることも多いそうです。
  • 機器は造作家具に美しく収納されていますが、スピーカーは音質的な側面はもちろん、空間デザインの観点から敢えて露出させて空間のよいアクセントにしました。
  • ダイケンの建材をふんだんに使った本格的な防音室です。高齢のご両親との二世帯住宅のため、主に家庭内防音を目的として施工してもらいました。実際に大音量を出しても問題なく、野村さんも大満足のご様子です!

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4K・120インチ&5.1.4chのドルビーアトモスも

部屋の広さは約11畳。スクリーンサイズは壁いっぱいの120インチです。プロジェクターには4K解像度のソニー「VPL-VW255」を使い、スピーカーは5.1.4ch構成としてドルビーアトモスに対応するなど、劇場と遜色ないスペックを実現。さらに防音仕様まで備えるなど、誰もが羨む空間を完成させました。

リフォーム工事は木造建築に定評がある住友林業ホームテックに依頼。階下の両親の部屋まで音が届かないようにする「防音」を最優先としつつ、アンプなどの機器を入れる壁面収納の造作、お酒を飲めるミニバーまで、トータルでコーディネートをしてもらいました。

  • プロジェクターはソニー「VPL-VW255」。天吊り金具はユニバーサルタイプを採用しました。できるだけ支柱を短くすることで圧迫感が出ないように狙ったのと、将来より大型モデルに交換することになっても違和感が出ないように工夫したポイントです。
  • 天井に掘り込みをいれ、スクリーンケースが隠れるように設置しています。
  • 窓は遮光でき、照明も調光できるので、利用シーンに合わせて部屋の雰囲気を演出できます。なお、天井に設置しているスピーカーはLINN「CLASSIK UNIK」。

機器を実際に視聴して丁寧にセレクト

一方、ホームシアターのインストールは、アバック名古屋店の明石昌洋氏に頼みました。図面作成時の相談だったこともあり、明石氏がまず計画を練り上げ、防音室にベストな配管指示図面を作成。機器は実際に視聴したり、アワードの評価なども参考にしたりしつつ、ひとつひとつ丁寧に二人三脚で決めていきました。その際、フォーマットなどのトレンドに左右されにくいスピーカーなどは予算配分を厚めにし、全体のバランスを取っていったそうです。

「やっぱり映画は画面が大きい方が楽しいですね。4Kプロジェクターの購入は初めてでしたが、解像度の高さに驚きました。CGやVFXを多用した作品との相性もいいですが、私はDVDなどで思い入れのある作品を観るのも味わいが出て好きですね。解像度が甘めな映像が逆に名画座で観ていた時のフィルムライクな感じがして懐かしさと共に楽しめます」(野村さん)。誰にも気兼ねせずに思いっきり映画を楽しむ。そんな長年の夢を実現した野村さんの笑顔は、実に晴れやかなものでした。

  • AVアンプやサブウーファーは造作家具にキレイに収納されています。事前に明石氏が機器の寸法などのアドバイスを行ったといいます。そのため、排熱などの処理もきちんとされています。
  • フロントスピーカーは評判がよかったからと、店舗で試聴して決めたMonitor Audio「Silver 300」。
  • 視聴位置後方の様子。ソフトラックにはぎっしりと盤が収まっていますが、これらはまだ一部。またシネフィルらしく様々な作品のフィギュアも並ぶなど、遊び心満点の部屋です。
  • パーソナルチェアはEKORNES「Stressless® レノ」をご主人と奥様用に2脚用意。「『ホームシアターグランプリ』で金賞を取っていたので買いましたが、腰痛持ちの私でも楽に長時間座っていられます」と、野村さん。
  • インストールを手がけたアバック名古屋店の明石昌洋氏。

写真/佐藤日出夫

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野村邸ホームシアター概要

ROOM DATA
●住宅形態:戸建/リフォーム ●家族構成:二世帯 ●ホームシアターの広さ:約11畳 ●画面サイズ:120インチ+55インチ ●サラウンド:5.1.4ch ●インストール内容:機器設置、システム ●プランニング、造作家具アドバイス ほか

SYSTEM LIST
●プロジェクター:ソニー VPL-VW255 ●スクリーン:キクチ SE-120HDWA ●有機ELテレビ:パナソニック TH-55FZ950 ●Ultra HDブルーレイレコーダー:パナソニック DMR-UBZ2030 ●Ultra HDブルーレイプレーヤー:パイオニア UDP-LX800 ●AVアンプ:ヤマハ RX-A3080 ●フロントスピーカー:Monitor Audio Silver 300 ●センタースピーカー:Monitor Audio Silver C150 ●リアスピーカー:LINN CLASSIK UNIK ●トップフロントスピーカー:LINN CLASSIK UNIK ●トップリアスピーカー:LINN CLASSIK UNIK ●サブウーファー:Monitor Audio Bronze W10

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