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実例

  • 専用室シアターCASE39
    防音仕様だから周りに気兼ねなく映画鑑賞
    6畳の防音室に100インチ・スクリーンと5.1.2chを実現した

    取材・執筆 / 塚田真由子(ホームシアターファイルPLUS編集部)
    2023年7月5日更新

ダイケンの防音効果を体感して採用

ここは東京都内某所。住宅が密集し、入り組んだ路地も残る歴史ある街です。そんな住宅街にIさんご夫妻の住まいはあります。以前住んでいた賃貸物件は壁が薄かったため、音漏れが心配で大好きな映画や音楽ライブもイヤホンを使って観ていたというご夫妻は、家づくりが決まった後、6畳ほどのスペースを確保してシアタールームとすることに。

隣家のガレージと約50cmしか離れていなかったため、防音建材メーカー、ダイケンを訪れ、そこで実際の防音効果を体感。アドバイスを受けたうえで、トムテックのインストーラー浅田友英氏にホームシアターの設計を依頼しました。 

  • 約6畳の空間に設けられたシアタールーム。映画を観るためにつくった部屋なので、シックなトーンでまとめられています。
  • 写真上/ソニーの4K液晶テレビ「KJ-55X80J」が壁掛けされています。
    写真下/「以前の住まいでも80インチのスクリーンで観ていたため、それよりは大画面にしたかった」というIさんご夫妻の要望を叶えるため、フロントスピーカーはブックシェルフ型を選び、スクリーンの下に置くことで、100インチの大画面を実現しています。壁の横幅目一杯にスクリーンが広がっています。
  • 6畳ほどの空間にイケアのパーソナルチェアが2脚置かれています。動線を考慮すると、リアとトップスピーカーを天吊り設置した浅田氏の判断の妥当性がよくわかります。

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空間を巧みに活かしたプランニング

防音仕様はダイケンの「スタンダード★★防音」グレード。防音工事をすることで、当初の間取りより内寸が狭くなることを考慮した浅田氏は、限られたスペースを有効に使うべく、創意工夫を凝らしました。

フロント以外のスピーカーはフロア置きではなく、KEFの薄型スピーカー「T101」を天吊り設置。埋め込みスピーカーだとせっかくの遮音性能を損ねてしまうからです。フロントスピーカーはブックシェルフを選ぶことで、横幅2.4mの壁を目一杯使い、100インチの大画面を実現させました。

  • 写真左上/プロジェクターはエプソンの4K/HDRモデル「EH-TW7000」を選びました。
    写真左下/壁の横幅は2.42m。100インチのイメージサイズ2214mmは収まる計算ですが、ケースの幅を考慮すると設置できない恐れがあります。そこで浅田氏はケースがコンパクトなナビオ製を選ぶことで、見事100インチを実現させました。
    写真右/フロントスピーカーはデンマークのスピーカーブランド・DALIのスタンダードシリーズ「OPTICON」シリーズのブックシェルフ型「OPTICON 2 Mk2」をチョイス。
  • 機器類はハミレックスのオーディオラック「G-3633」に収めています。ちなみに、センターは「OPTICON VOKAL Mk2」、サブウーファー「SUBE-9N」で、DALIで統一されています。
  • リアとトップスピーカーはKEFの壁掛けスピーカー「T101」を天吊りできるように固定しています。また、天井にはダイケンの天井材「オトテン200W」で仕上げることで、適度に吸音しています。

「住宅密集地に住んでいる以上、音漏れの不安は付き物ですが、防音仕様にしたことで、周りに気兼ねなく映画やライブを観られるという安心感を得られたのが何よりも大きいですね」と満足そうに微笑むご主人。都会の喧騒を離れ、映画や音楽の世界にどっぷり浸れるからこそ、実りある時間を過ごせるのに違いありません。

  • Iさんご夫妻がよく観るコンテンツは映画だったことから、ダイケンではデッドな音環境を提案。残響時間はデッドめの「0.23」くらいを目標値として、事前にシミュレーションを行った上で音響建材を提案していきました。こちらはスクリーン裏の壁で、ダイケンの音響壁材「オトカベL80 グリッドタイプ」などを配置。その裏側には約45mmの空気層が設けられています。一見するとシンプルですが、適切な吸音によって、映画鑑賞に最適な環境に仕上げられています。
  • ドアはダイケンの「アドバンス(A)防音タイプ」を採用。ドアだけで35dBほどの遮音性能を持ちます。
  • 換気口も音漏れの大きな要因。屋外側に取り付けてある防音タイプのフードで音漏れを抑えるとともに、吸排気が一台でできるダイケンの換気システム「DKファンNKミニ」を採用しています。
  • 洋画・邦画問わず旧作が好きだというご主人の好きな映画は『アパートの鍵貸します』と『素晴らしき哉、人生!』。モーニング娘。のライブはご夫婦ともにお気に入り。
  • シアタールームは玄関を入ってすぐにある2部屋の奥側にあります。特に音漏れに気をつけなければいけなかったのは、スクリーンに向かって右側の壁。隣家と50㎝しか離れていないので、隣家の1階はガレージだったことも幸いしたといいます。
  • インストールを手がけたトムテックの浅田友英氏。

写真/広井一成

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I邸ホームシアター概要

HOMETHEATER DATA
●住宅形態:戸建/新築 ●家族構成:夫婦 ●ホームシアターの広さ:約6畳 ●画面サイズ:100インチ+55インチ ●サラウンド:5.1.2ch ●インストール内容:システムプランニング、設計補助図面作成、竣工後の機器設置・設定施工 ほか

SYSTEM LIST
●プロジェクター:エプソン EH-TW7000 ●スクリーン:ナビオ 680-1004KC ●液晶テレビ:ソニー KJ-55X80J ●Ultra HDブルーレイレコーダー:DMR-4W201 ●AVアンプ:デノン AVR-X2700H ●フロントスピーカー:DALI OPTICON 2 Mk2 ●センタースピーカー:DALI OPTICON VOKAL Mk2 ●リアスピーカー:KEF T101 ●トップミドルスピーカー:KEF T101 ●サブウーファー:DALI SUBE-9N ●防音ドア:ダイケン アドバンス(A)防音タイプ

INSTALL SHOP
ホームシアターのトムテック
〒169-0075
東京都新宿区高田馬場1-16-15-1F
TEL:03-3200-4450
営業時間:10:00〜20:00
定休日:年末年始
http://www.e-hometheater.jp/

防音監修
株式会社大建工業
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