いま見るべき4K Ultra HD BD 『ミッション:インポッシブル／デッドレコニング PART ONE』ほか2作品

4K Ultra HDブルーレイの注目タイトルを、プロの評論家が画質と音質の評価チャート付きで紹介する連載企画。2024年1月は現在発売中の『ミッション:インポッシブル／デッドレコニング PART ONE』と『トランスフォーマー／ビースト覚醒』、旧作リマスターの『激突！』の3タイトルを取り上げます。画質音質の見どころを、伊尾喜大祐氏が自宅のホームシアターで徹底的にチェックしました。

CONTENTS

・『ミッション:インポッシブル／デッドレコニング PART ONE』
・怒涛のアクション！ドルビーアトモス音声は全編で効果をあげる
 ・『トランスフォーマー／ビースト覚醒』
・ロボットの質感を緻密に描き出すドルビービジョン映像
 ・『激突！』
・鮮やかな4K映像と激しいアトモス音声で復活！

『ミッション:インポッシブル／デッドレコニング PART ONE』

『ミッション:インポッシブル／デッドレコニング PART ONE』
¥7,260（税込）
NBCユニバーサル
PJXF-1589
●製作:2023年／米 ●ジャンル:洋画アクション ●本編ディスク:163分、スコープ、ドルビービジョン ●本編音声:英語ドルビーアトモス、日本語ドルビーTrueHD7.1ch ●字幕:英語、日本語
©︎ 2023 Paramount Pictures.

●ストーリー

トム・クルーズの代名詞的なスパイアクション第7弾で、シーズ集大成となる2部作の前編。イーサン・ハントと仲間たちが、人工知能を巡るシリーズ最大の危機に挑む。イーサンの過去を知る因縁の敵も出現し、壮大なバトルが展開。

●監督:クリストファー・マッカリー ●出演：トム・クルーズ ●特典:クリストファー・マッカリー（監督）とエディ・ハミルトン（編集）による音声解説、アイソレーテッドスコア
©︎ 2023 Paramount Pictures.

怒涛のアクション！ドルビーアトモス音声は全編で効果をあげる

実体なきAIとの戦いを、常軌を逸したアクションとイーサン・ハントの小ボケのつるべ打ちで描く超大作。4.5K撮影／4K HDRのドルビービジョン映像は、デジタル撮影のシャープな映像をきめ細かなデジタルグレインが彩って、35mm撮影かと錯覚するほどにフィルムライクです。アトモス音声も全編が聴きどころ。チャプター(CH)2、馬上の銃撃戦と砂嵐の轟音。CH7、ローマでのカーチェイスでは、水平方向に車の移動音、天井ではヘリの飛行音が飛び交う。CH9、パーティーを監視するAIの稼働音。そしてCH12からのクライマックスは、暴走するオリエント急行をイーサンがバイクで追走！込み入ったセリフも多いので吹替版での鑑賞もお薦めです。（伊尾喜大祐）

ドルビービジョン映像は、デジタルグレインが彩ってフィルムライクに。アクションで飛び交うドルビーアトモス音声は全編聴きどころです。
©︎ 2023 Paramount Pictures.

『ミッション:インポッシブル／デッドレコニング PART ONE』画質／音質傾向

『トランスフォーマー／ビースト覚醒』

『トランスフォーマー／ビースト覚醒』
¥7,260（税込）
NBCユニバーサル
PJXF-1585
●製作:2023年／米 ●ジャンル:洋画アクション ●本編ディスク:127分、スコープ、ドルビービジョン ●本編音声:英語ドルビーアトモス、日本語ドルビーデジタル5.1ch ●字幕:英語、日本語
©︎ 2023 PARAMOUNT PICTURES. HASBRO, TRANSFORMERS
AND ALL RELATED CHARACTERS ARE TRADEMARKS OF HASBRO. ©︎ 2023 HASBRO

●ストーリー

1994年のニューヨーク。青年ノアが盗んだ車はトランスフォーマーだった。彼は地球壊滅を企む惑星型トランスフォーマー・ユニクロンとの戦いに巻き込まれていく。動物タイプの「マクシマル」たちが初登場。

●監督:スティーブン・ケイプル・Jr. ●出演:アンソニー・ラモス ●特典:人間物語、90年代の生活、ヒーローたち、悪役たち、カーチェイスほか
©︎ 2023 PARAMOUNT PICTURES. HASBRO, TRANSFORMERS
AND ALL RELATED CHARACTERS ARE TRADEMARKS OF HASBRO.
©︎ 2023 HASBRO

ロボットの質感を緻密に描き出すドルビービジョン映像

惑星サイズの超巨大トランスフォーマー・ユニクロンが地球に接近。迎え撃つのはオプティマスプライムたち、そして動物形態から変形するビースト軍団…という割には、敵も味方も人間も登場キャラクター数が絞りに絞られ、こじんまり感が否めない印象です。これはアトモス音声も同様で、CH12のユニクロン召喚など「ここぞ！」と鳴り響くはずの重低音が遠慮がち。とは言え、CH4やCH10の『ワイルド・スピード』なチェイスシーンなど、派手な移動感を楽しめるシーンもたっぷり。ドルビービジョン映像はさすがのクオリティ。オプティマスたちのボディの使い込まれた質感などがこれまで以上に緻密に描かれ、その存在感に圧倒的な説得力をもたせます。（伊尾喜大祐）

超ロボット生命体の存在感は、ドルビービジョンによって圧倒的な説得力をもって描かれます。
©︎ 2023 PARAMOUNT PICTURES. HASBRO, TRANSFORMERS
AND ALL RELATED CHARACTERS ARE TRADEMARKS OF HASBRO.
©︎ 2023 HASBRO

『トランスフォーマー／ビースト覚醒』画質／音質傾向

『激突!』

●ストーリー

弱冠25歳のスピルバーグ監督が、殺人トラックに追われる恐怖を描いたサスペンス。商談に向かうため、ハイウェイで乗用車を走らせていた男。彼は、前をゆっくりと走っていた古びたトラックを追い越すが、そのトラックは怒ったように彼の車を抜き返して…。

鮮やかな4K映像と激しいアトモス音声で復活！

スピルバーグ25歳の長編デビュー作。元々は74分のテレビ映画である本作が、あまりの評価の高さに本国以外では89分の長尺版が劇場公開されたのは有名な話。今回のUHD BDには89分版に加え、74分のテレビ版もHD画質で特典に収録されています。両者を比較すると画質の進化は一目瞭然。4K HDR化で襲い来るトラックの煤けた車体のディテールも、主人公の車の鮮やかな赤の発色も、荒野を強く照りつける太陽光も、従来のBD版をも軽く超える「圧」の強い映像です。BD版の5.1chからドルビーアトモス化された音響も身の危険を感じる激しさ。前後左右を車とトラックが唸りを上げて走り抜け、頭上からはけたたましいトラックの警笛が！（伊尾喜大祐）