ホームシアターの環境づくりに極めて重要なのが、部屋の照明です。LEDの特性を活かしたライン照明は、圧倒的に小型化したうえ、光量もアップしています。ここでは、2024年現在の最新モデルを例に挙げながら、快適な空間づくりに欠かせない“調光”と“調色”の現在についてご紹介します。話を訊いたのは、国内照明メーカーであるDNライティングです。
長寿命&高効率LEDライン照明で明るくスタイリッシュなLDKに
- DNライティングは、LEDモジュールや照明器具類の製造・販売から設計施工まで行う国内照明ブランド。製品の7割は秋田DNライティングによる国産品です
LED照明でも“調光”が実用化
LED照明ならではのライン照明。カッコイイですよね。これが調光できれば・・・と思うところですが、LED照明は長年、光の明るさを段階的に調整する“調光”が難しいとされてきました。実際つい最近までLED照明器具は、電源と調光器を組み合わせた照度の下限は5~3%程度が精一杯でした。
しかし、22年に登場した「調光ドライバー」と組むことで、1%まで下げることができるようになったのです。
- DNライティングによる電源「ELD24320FD」と調光器「PDC1000S」に、調光ドライバー「PDD240D」と組み合わせることで、PWM調光範囲1~100%を実現
予算に合わせてスタイルを選べる
まずLDKシアターを想定した場合、リビング、ダイニング、キッチンといったゾーンごとに照明器具を配置し、食事中・食後の映画鑑賞といったシーンに応じて、各ゾーンの照度を変化できるのが理想的です。
ルートロンなどが提案する「調光器システム」を使うのが一つのアイデアではあります。もっともシアター専用ルームなどでは、もともとそこまで複雑な回路もいらないし、正直費用を抑えてその分機材を購入したいという向きもあるでしょう。
そんな場合は、空間全体は低照度の間接照明ないし周囲を均一に明るくできるアンビエント系の照明でフワリと演出し、機器のリモコン操作や飲食のための照明器具はサイドテーブル等に追加して、必要なときだけ点灯させるというのもいいでしょう。
- 明るさをそこまで必要としないシアタールームでは、従来の40%程度の明るさの低照度タイプ「SFL-P4」を空間全体の照明として配置する手も
- 連結可能なLEDモジュールの低照度タイプ「MC-LED4 D-P5」。前回紹介した「MC-LED4」の低照度タイプで、輝度50%の新製品です
照度調整のみならず“調色”も可能
なおLED照明で調光するメリットは、輝度の調整のみならず“調色”も自由にできる点。これまでの白熱球やハロゲン、蛍光灯などと決定的に違うところです。
DNライティングには、「RGBコントローラー」と「電源」だけで調光と調色ができるモデルも。中間色が何万色も出せるうえ、シーン設定しておくと即座に呼び出せるので派手なシーンチェンジが可能です。
とくにマーベル系の映画がお好きな方や、フィギュアをレインボーカラーで演出して部屋を飾りたい方、サイケデリックな演出がしたい方にはオススメです。
ライン照明は後付け困難なので、これからホームシアターをつくろうという方は、サイズや輝度にたくさんのバリエーションがあることを踏まえて、遠慮なくホームシアターインストーラーや建築家、ハウスメーカーに打診してみてください。
「LED補助券をもらったからランプ交換しよう・・・」ではなく、照明を建築の一環として考えていただいたほうが、毎日幸せなシアターライフが過ごせます。照明は日々の生活そのものを豊かにできるのです。
DNライティングとは
今回話をうかがったのは、1977年創業のLEDモジュールや照明器具類の製造・販売から設計施工まで行うDNライティング。製品の7割は100%子会社である秋田DNライティングによる国産が占めています。
もともとは蛍光灯を製造していましたが、フレキシブルLEDライトをはじめ、LED時代の到来と共に多様な高品質LED照明を生み出しています。最近では収納家具内部に仕込むディスプレイ照明としてのニーズも高まっているそうです。
「フレキシブルに変化する空間」をコンセンプトにした予約制のショールームでは、什器・棚下照明、間接照明が簡易的に再現されており、明るさ・色温度・配光や、設置位置・角度をシミュレーションできます。
- 「照明実験空間 TOKYO STUDIO E139」
東京都品川区西五反田1−3−5
TEL:03-3492-4460
営業時間:10:00〜12:00/13:00〜17:00(要事前予約)
定休日:土日祝
- 「照明実験空間 OSAKA Lab E135」(要事前予約)
大阪府吹田市豊津町54−6
TEL:06-6338-1081
営業時間:10:00〜12:00/13:00〜17:00(要事前予約)
定休日:土日祝