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実例

  • ホームシアターグランプリ2022[インストール編]
    コンセプト部門の優秀実例を発表!
    未来を感じさせる提案性に優れた実例が登場

    取材・執筆 / ホームシアターファイルPLUS編集部
    2022年4月25日更新

雑誌で紹介した実例の中から選ばれる

ホームシアターグランプリ「インストール編」は雑誌「季刊 ホームシアターファイルPLUS」に掲載したホームシアター実例の中から、これからシアタールームを作りたいと願う皆様の参考になる実例を厳選して紹介するアワードです。コロナ自粛の影響をうけ、2年ぶりの開催となりました。

以前までは読者投票で決めていたインストール編ですが、今回から装いも新たにし、数多くのホームシアターを取材してきた本誌編集スタッフが厳選します。対象物件は5号から11号までに掲載した47件。雑誌掲載する上で、その数以上のホームシアター例から選んでいますので、いわば本アワード受賞物件は、その年のベスト・オブ・ベストと呼べる優秀実例です。

<対象となる事例>
「ホームシアターファイルPLUS Vol.5」から(2020/6/25刊行)
「ホームシアターファイルPLUS Vol.11」まで(2021/12/25刊行)
以上に掲載された新規取材の47例が対象となります。

<選ばれる3つの部門>
●コンセプト部門
●リビングシアター部門
●専用室シアター部門

  • 金賞は、部門ごとに空間デザインやクオリティ、インストール、生活スタイルなど様々な観点を鑑みて選出されます。金賞に選ばれた実例の中から合議を経て、その年を代表するナンバーワンの事例に「総合金賞」が授与されます。

リビングシアター部門はこちら>>>ホームシアターグランプリ2022[インストール編]リビングシアター部門の優秀実例を発表!

専用室シアター部門はこちら>>>ホームシアターグランプリ2022[インストール編]専用室シアター部門の優秀実例を発表!

コンセプト部門 総合金賞 三重県T邸(NEXT)

音、光、空気までデザイン
五感を刺激する空間「ZERO」

  • インストール編 コンセプト部門
    総合金賞
    三重県T邸(vol.10 P142〜145掲載)
    インストール/NEXT
    〒464-0061
    愛知県名古屋市千種区向陽1-11-14 池下ホームズ1F
    TEL:052-757-3355
  • NEXTがこれまで追求してきたリアルな体験をさらに先鋭化させた空間「ZERO」を、住まいに導入したT邸。音、光、空気までデザインされ、もはやホームシアターという枠組みでは語ることができないほどです。

コンセプトが魅力的で心を打つ事例に対して授与する「コンセプト部門」。その総合金賞に輝いたのは、NEXTが提案する「ZERO」を住まいに導入したT邸でした。ZEROとは、同店がこれまで追求してきたリアルな体験をさらに先鋭化させた空間のことです。5Gの到来により映像と音楽の楽しみ方が変わり、コロナウイルス禍にあって自宅での過ごし方に大きな変化が生まれました。このような時代にあって「リアル」とは何なのでしょうか。そうした問いにNEXTが出した答えがZEROなのです。

T邸のリビングに一歩入ると、目の前には大きな空と海が広がります。ホームシアターというとスクリーンを想像しがちですが、ここT邸にはそもそもスクリーンというものがありません。フロアゼロから広がる大パノラマに自然の風景が映し出され、あたかも自然と一体のように感じられます。

  • 映像投写面の壁に採用されているのは実はキクチの業務用スクリーンです。NEXTの店内に展開した体感スペースZEROのスクリーンのアスペクト比16:9に近づけるため、勾配天井にしています。
  • スクリーン面の反対側にはガレージまで延びる中庭が広がっています。夜になるとブルーの照明が愛車を華やかに演出してくれます。

そして、まるで森のなかにいるかのように澄み切った空気と爽やかな香り。柔らかなあかり。音と映像だけでなく、空気、香り、光までデザインすることで、日常を離れてリフレッシュできるようになっています。
ホームシアターという枠組みではもはや語ることのできないZERO。自然と同調し、感性が研ぎ澄まされる贅沢な空間です。

  • CADOのアロマディフューザーの香りによって清々しさを演出。除菌・消臭剤「A2 Care」の噴霧器で部屋の除菌・消臭も行っています。
  • 2階にあるベッドルームでもArtcou sticsの埋め込みスピーカーによる5.1chを楽しめるようにしています。左側の壁にある四角い箱は実はサブウーファーです。Artcousticsのインウォールタイプを採用しています。
  • マランツのAVアンプ「NR1711」を使い、ダイニングには音楽配信を実現。Tさんの希望でBGMスピーカーのユニットはあえて露出させています。
  • インストーラー/青山浩久氏

コンセプト部門 金賞 静岡県H邸(ホームシアターのトムテック)

日々の疲れを癒やす寝室シアター

  • インストール編 コンセプト部門
    金賞
    静岡県H邸(vol.9 P.22~25掲載/リビングシアターCASE24
    インストール/ホームシアターのトムテック
    〒169-0075
    東京都新宿区高田馬場1-16-15-1F
    TEL:03-3200-4450
  • 写真左部の造作ヘッドボードでリビングと寝室とをゆるやかにゾーニングしつつ、上部にAV機器類を整然と収納。ケーブル類もボード内に隠されており、見た目もすっきりの寝室シアターです。シアターに一部屋確保するのが難しくとも、アイデア次第で如何様にもなることを示す好例です。

寝室にホームシアターがあれば一日の終わりを楽しく演出してくれます。しかも、ゴロゴロ寝ながら観られるから、万が一寝落ちしてしまっても安心です。そんな夢のような暮らしをリノベーションで叶えたHさんに、大いなる賛辞の声が寄せられました。

インストールを手がけたのはトムテックの森文孝氏。間取り刷新により、リビングと一続きになった寝室に機器が剥き出しにならないように設置しています。特に、ヘッドボードを活用し、機器類を収めたアイデアは、読者にとっても参考になるのではないでしょうか。
スピーカーは極力埋め込み設置して見た目をスッキリさせつつも、トップとリアスピーカーに高低差を設けるなど、クオリティの追求も抜かりありません。どんな空間でも工夫次第でホームシアターをつくれるのです。そのことを示してくれた好例といえましょう。

  • マンションを寝室とリビングが一続きになった間取りにリノベーション。ホワイトで統一された内装と調和するように機器が設置されています。
  • 間仕切りとAV機器置き場を兼ねるヘッドボードの裏側は、クローゼット兼ドッグケージになっています。
  • インストーラー/森 文孝氏

コンセプト部門 金賞 茨城県高橋邸(ホームシアター茨城クァンタム)

誰にも気兼ねしない6畳間の秘密基地

  • インストール編 コンセプト部門
    金賞
    茨城県高橋邸(vol.10 P.42~43掲載)
    インストール/ホームシアター茨城クァンタム
    〒302-0128
    茨城県守谷市けやき台3-12-7
    TEL:0297-45-0099
  • ダークトーンの空間に90インチを導入した本格スクリーンシアター。サブウーファー以外の5ch分のスペーカーをすべてビルトインするなど、空間を広く感じさせるアイデアが満載です。6畳間とは思えない開放感を感じさせます。

以前から映画やスポーツ、海外ドラマやゲームまで様々なエンタメを楽しむオーナーの高橋さん。自宅を新築する機会に、誰にも気兼ねしないで楽しめる部屋がほしいと考えていたのだそうです。とはいえ、大家族の高橋さんご一家にとって、広い趣味部屋の確保は難しく、6畳間を確保するのがギリギリだったといいます。

ですが完成したホームシアターはどうでしょう。機器のほとんどが埋め込み設置か造作家具に収納されており、6畳間とは思えない広さを感じる空間となっています。プロジェクターも壁ギリギリまで寄せる設置とし、この部屋最大サイズの90インチを実現。遮光だってできます。狭小空間だからと迫力を犠牲にせず、むしろ床に何も置かないことで没入感を向上させるアイデア、インストールのコンセプトが素晴らしい実例です。

  • 視聴位置の様子。中央にゲーミングチェアを配し、ソフトラックは手が届く位置に配置しています。シンプルですが実に使いやすいレイアウトです。プロジェクターは前面吸排気のエプソン「EH-TW8400W」を選択し、壁ギリギリに設置しています。
  • すべてのスピーカーは天井に埋め込んでいますが、指向性を感じやすい高域再生を担うトゥイーター部を視聴位置に向けています。音の定位感をしっかり感じられるインストールです。
  • インストーラー/土屋和之氏

コンセプト部門 金賞 山口県F邸(サウンドテック)

テーマは「異世界」。漆黒のシアター空間

  • インストール編 コンセプト部門
    金賞
    山口県F邸(vol.7 P.154~157掲載)
    インストール/サウンドテック
    〒747-0808
    山口県防府市桑山2-11-32
    TEL:0835-21-5555
  • 敢えて部屋全体を黒くすることで、家の中でも異空間のように感じられるブラックルーム。完全暗室も可能な専用室で、映像世界に没入できます。

オーディオ・ビジュアル体験を最大化するには、どのような部屋が理想なのでしょうか。その回答のひとつが「ブラックルーム」です。画質に影響する迷光対策が施されるだけでなく、視覚の情報を限定することで、映像世界への没入感を高める空間です。

F邸のコンセプトは「異世界」。ブラックルームはまさにテーマに最適な内装となっています。しかもリビングはカフェのようにデザインされた空間のため、対極の漆黒の部屋はアクセントも付き、まるで映画館に来たかのような高揚感さえ与えてくれます。
さらに室内はKEFのRシリーズを中心とした5.2.2chのドルビーアトモス仕様です。映像は4K/100インチという、まさに映画館のようになっています。まだまだ続く病禍であっても、この部屋があれば日々を忘れる一時を過ごせるでしょう。

  • 部屋6面すべてを黒くしたブラックルームです。リアスピーカーは角度調整の自由度が高いイクリプス「TD508MK3」を天吊り設置。トップミドルスピーカーにはKEFの埋め込み「Ci160QR」を選択しています。
  • メインスピーカーはKEF「R11」。迫力のサラウンドを生み出す源です。また天井や壁面には吸音パネルを設置するなど、音響調整も行われています。
  • インストーラー/三宅宏明氏

コンセプト部門 金賞 宮崎県K-CONTAINER(木田電業)

コンテナを住まいに。驚きの離れシアター

  • インストール編 コンセプト部門
    金賞
    宮崎県K-CONTAINER(vol.10 P.50~51掲載)
    インストール/木田電業
    〒889-1801
    宮崎県都城市山之口富吉4192-4
    TEL:0986-57-4305
  • 海上用コンテナを改造して住まいにする「コンテナハウス」にホームシアターをインストールしたK-CONTAINER。20フィートというサイズが決まっている以外は、一般的な住宅と同様に自由に設計することができます。複数組み合わせて空間を広くすることも可能です。

「コンテナシアター」。このワードを見てワクワクしない男性はいないでしょう。ここは木田電業が提案する海上用コンテナを改造して作った離れのシアター空間「K-CONTAINER」の様子です。ホームシアターグランプリは実例を選ぶ賞ですが、このあまりに飛び抜けたコンセプトに称賛の声が集まり、特別に金賞に選出したことをお許し願います。

K-CONTAINERはいわゆるコンテナハウスですので、離れのように活用できる大人の遊び場となっています。内装はもちろんウッドデッキなどのエクステリアの拡張も自由自在です。ホームシアターは狭小空間に最適なクオリティが高く、設置性にも優れたモデルを木田電業では推奨しています。ニューノーマル時代にあわせてつくったユニークな離れ。その発想力に脱帽です。

  • 木田電業のショールームではウッドデッキが併設されていますが、コンテナハウスの室内自体も、ラブソファが余裕で入るほどの空間が確保されています。コンテナ自体はトレーラーで輸送できますが、安全性のために4隅は基礎を作って固定する仕組みとなっています。
  • ホームシアターにはコンパクトでクォリティも高いイクリプス「TD307MK3」などが設置されています。
  • インストーラー/井上祐樹氏