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実例

  • ホームシアターグランプリ2022[インストール編]
    専用室シアター部門の優秀実例を発表!
    オーナーの遊び心を具現化する提案力が光る

    取材・執筆 / ホームシアターファイルPLUS編集部
    2022年4月28日更新

雑誌で紹介した実例の中から選ばれる

「インストール編」は雑誌「季刊 ホームシアターファイルPLUS」に掲載したホームシアター実例の中から、これからシアタールームを作りたいと願う皆様の参考になる実例を厳選して紹介するアワードです。コロナ自粛の影響をうけ、2年ぶりの開催となりました。

以前までは読者投票で決めていたインストール編ですが、今回から装いも新たにし、数多くのホームシアターを取材してきた本誌編集スタッフが厳選します。対象物件は5号から11号までに掲載した47件。雑誌掲載する上で、その数以上のホームシアター例から選んでいますので、いわば本アワード受賞物件は、その年のベスト・オブ・ベストと呼べる優秀実例です。

<対象となる事例>
「ホームシアターファイルPLUS Vol.5」から(2020/6/25刊行)
「ホームシアターファイルPLUS Vol.11」まで(2021/12/25刊行)
以上に掲載された新規取材の47例が対象となります。

<選ばれる3つの部門>
●コンセプト部門
●リビングシアター部門
●専用室シアター部門

  • 金賞は、部門ごとに空間デザインやクオリティ、インストール、生活スタイルなど様々な観点を鑑みて選出されます。金賞に選ばれた実例の中から合議を経て、その年を代表するナンバーワンの事例に「総合金賞」が授与されます。

コンセプト部門はこちら>>>ホームシアターグランプリ2022[インストール編]コンセプト部門の優秀実例を発表!

リビングシアター部門はこちら>>>ホームシアターグランプリ2022[インストール編]リビングシアター部門の優秀実例を発表!

専用室シアター部門 総合金賞 熊本県田中邸(ダイナミックカスタマイズ)

心に刻まれた映画体験を具現化
二人三脚でつくった映画館

  • インストール編 専用室シアター部門
    総合金賞
    熊本県田中邸(vol.10 P.150~153掲載)
    インストール/ダイナミックカスタマイズ
    〒861-8039
    熊本県熊本市東区長嶺南1-2-15ヘンリーハイツ1F
    TEL:096-383-6109
  • ドルビーシネマをイメージした黒と青が基調の空間となっており、美しい映像を観るための迷光対策も万全です。本物の映画館を目指し、オーナーとインストーラーの二人三脚で具現化したシアターです。

元々映像制作の仕事に携わっていたこともあり、生粋のシネフィルである田中さんが「ドルビーシネマ」というコンセプトのもとつくり上げた究極の個人劇場が、専用室シアター部門の総合金賞に輝きました。劇場への憧れを具現化したのは、ダイナミックスカスタマイズの小山信一郎氏です。スクリーンは音響透過型、140インチの大画面。スピーカーも劇場でお馴染みJBLのスタジオモニターを中心としたドルビーアトモス7.1.6ch仕様となっています。

  • 映画館のような体験が可能な電動サウンドスクリーンは140インチ。オーエスの「サウンドマット(WS103)」を採用しています。
  • スクリーンを上げると現れるスピーカーはオールJBL。メインとなるフロントスピーカーは青いバッフル板が美しいJBLのスタジオモニター「4367WX」です。スピーカー下の床面にもインストーラーの技が光ります。硬いタイルで仕上げることで、振動対策を施しているのです。

それ以上にこの物件が素晴らしいのはレイアウトです。AVアンプなどの機器類は視聴位置後方にマシンセクションを設けて収めることで、映像への没入感を高めています。内装にも田中さんのこだわりが満載です。「ドルビーシネマの黒とブルーLEDにインスパイアを受けました」と語るように、天井や後方の壁は黒にして迷光を防ぎつつ、側面は青いクロスで仕上げています。極めつけは間接照明。照明の色を変えられるようになっており、ドルビーシネマのようにブルーに灯すこともできるのです。
オーナーとインストーラーが知恵を出し合い、二人三脚でつくり上げたこだわりの家庭劇場。その「圧倒的な映画体験」への憧れは、編集部の共感を呼ぶ結果となりました。

  • ドルビーシネマのブルーLEDにインスパイアされ、オーデリックのスマートフォンアプリにより、照明の色を変えられるようにしています。田中さんイチオシの色はもちろん青!
  • 映像への没入感を高めるため、インジケーターが光るAV機器類はすべて視聴位置後方のマシンセクションに収めています。
  • 隣室への音漏れを防ぐため、前室を設けています。前室は大量のソフトコレクションの収納スペースも兼ねており、機器類のメンテナンスや入れ替えも容易に行えるようになっています。
  • インストーラー/小山信一郎氏

専用室シアター部門 金賞 北海道斉藤邸(Fist Sound旭川)

クローゼットの奥に驚きの個人劇場が!

  • インストール編 専用室シアター部門
    金賞
    北海道斉藤邸(vol.9 P.18~21掲載/専用室シアターCASE21
    インストール/Fist Sound旭川(アバック旭川店)
    〒070-0027
    北海道旭川市東7条3丁目1-16
    TEL:0166-29-1230
  • 約6畳間の壁一面に90インチのサウンドスクリーンを採用し、9.1chものサラウンド環境ながら機器が主張しすぎないスマートな空間デザインが特長です。

“隠し扉”から入る。そんな秘密の部屋に入るような仕掛けを施した魅力的な専用室シアターです。約5.6畳という空間を巧く活用する機器選定、レイアウトなどインストール力にも目を奪われる好例です。特に壁一面に張り込まれた約90インチのサウンドスクリーンは、室内にスピーカーを置かないように工夫したポイントであり、狭小・大画面を実現する有効な選択です。生活動線にかかるリアスピーカーはKEFの薄型スピーカー「Tシリーズ」を選択して、圧迫感も低減させています。

2人掛けと3人掛けのソファを組み合わせ、横になれるリラックスしたスタイルを構築したのも、オーナーである斉藤さんのこだわりです。肩肘張らずに使いやすく、画と音のパフォーマンスも高い。狭小専用室のお手本のような実例です。

  • 視聴位置の後方に入り口があります。リアスピーカーはソファとも干渉し、何よりドアからの動線を阻害してしまう可能性もあったため、薄型かつ壁掛けできるKEF「T101」を選択。そのほかのスピーカーはユニソニックで統一しました。
  • ウォークインクローゼットから見た様子です。ドアには姿見がはられており、一見しただけではここに扉があるとは思えない仕上がりとなっています。
  • インストーラー/園田幸一氏

専用室シアター部門 金賞 岩手県S邸(ステックス)

音と映像が寄り添うガレージハウス

  • インストール編 専用室シアター部門
    金賞
    岩手県S邸(vol.10 P.158~161掲載)
    インストール/ステックス
    〒020-0835
    岩手県盛岡市津志田26-3-1
    TEL:019-656-4080
  • ガレージの隣にある約20畳のホームシアター。ミックスカラーのバーチカルブラインドやブルーのラグでアクセントを効かせたモダンな空間です。「いい音で聴きたい」との要望に応え、スピーカーはKEFで統一しています。

大好きなモノをいっぱい詰め込んだ大人のおもちゃ箱、ガレージハウス。詰まっているのは車や自転車だけではありません。ホームシアターまでも叶えた夢のような秘密基地です。ガレージハウスは休息の場であり、Sさんが自分を取り戻すための場。そこで、インストールを手がけたステックスの加藤潤氏は、バーカウンターのあるシアタールームだけでなく、AVアンプの余剰アンプを用い、ガレージとトレーニングルームでも音楽を楽しめるようにしました。

お酒を片手に映画を楽しむひととき。車や自転車をいじりながら、あるいはランに集中しながら、音楽に耳を傾けるひととき。男のロマンがたっぷり詰まったガレージハウス、そこで趣味に没頭できる素敵なライフスタイルを叶えたSさんに、編集部からも羨望の声が上がりました。

  • 約30畳のガレージではKEFの薄型壁掛けスピーカー「T301c」による音楽配信を実現しています。Sさんはラジオなどに耳を傾けながら、洗車するのがリラックスタイムになっているのだそうです。
  • シアタールームの奥にはガレージがあり、愛車を眺められるようになっています。視聴位置後方には、お酒片手に映画を楽しめるようにと、バーカウンターも設置。
  • インストーラー/加藤 潤氏

専用室シアター部門 金賞 千葉県T邸(アバック新宿本店)

憧れの機器が彩るプレミアムな映画館

  • インストール編 専用室シアター部門
    金賞
    千葉県T邸(vol.7 P.146~149掲載)
    インストール/アバック新宿本店
    〒160-0023
    東京都新宿区西新宿7-5-9ファーストリアルタワー新宿3F
    TEL:03-5937-3150
  • 天井高は一番高いところで約3.8mもある開放的な空間です。McIntoshのブルーアイズメーターに惚れ込み、JBLのスピーカーとの組み合わせて長年オーディオを楽しんできたというTさんのこだわりが詰めこまれています。

眼前に広がる140インチ張り込みスクリーン、その下に鎮座するMcIntoshのアンプとJBLのスピーカー「Project K2 S9900」が印象的なT邸は、伝説のインストーラー、諏訪勇治氏と飯塚博志氏らが協力してつくり上げた専用ルームです。

視聴者をぐるりと取り囲むサラウンドスピーカー、階段状の座席、ブルーの間接照明、ダークカラーで統一された内装は、まるで映画館然とした佇まいです。ホームシアターとオーディオの確かなクオリティ、快適な操作性、ドラマチックな空間演出。ホームシアターにまつわる要素をすべて最高峰のグレードで実現したT邸は、圧倒的な大画面、音響をわがものにするというホームシアターならではの贅沢を感じさせてくれます。

  • もともと段差があった空間デザインに合わせて、階段上に椅子を設置した専用室。サラウンドスピーカーが視聴者を取り囲むように設置され、抜群の音場を体験させてくれます。間接照明にはテープLEDを仕込みMC462のブルーアイズメーターに合わせて青をデフォルトのカラーとしています。
  • MC462以外のコンポーネントは、段差にできたスペースに収めています。
  • 営業担当/飯塚博志氏(アバック ホームシアター千葉オフィス勤務/写真左)
    インストーラー/諏訪勇治氏(写真右)

専用室シアター部門 金賞 山口県 佐々木邸(サウンドテック)

楽器演奏もできる! 趣味力全開の男の城

  • インストール編 専用室シアター部門
    金賞
    山口県佐々木邸(vol.8 P.150~153掲載/専用室シアターCASE19
    インストール/サウンドテック
    〒747-0808
    山口県防府市桑山2-11-32
    TEL:0835-21-5555
  • 空いた子供部屋をリノベーションして、ブルックリンスタイルの重厚な空間と調和するホームシアターをインストール。防音仕様で音楽や楽器演奏を好きに楽しめる、遊び心にあふれた部屋となりました。

独立した子どもの部屋を趣味の部屋にリフォームした専用室です。なんて素敵なセカンドライフでしょうか。そんな夢の空間を作ったのが、ここ佐々木邸です。室内はレンガ調の壁面など、実にアメリカンヴィンテージな空間。ロックな雰囲気が漂うまさに男の城です。還暦を迎えたことがつくるきっかけになったそうで、仕事や子育てで諦めていたギターやオーディオの趣味を復活し、防音仕様の空間にすべてを結集させました。

スクリーンは100インチ。遮音性能を低減しないように天吊り設置できるイクリプス「TD508MK3」で5.1chサラウンドを構成、勾配天井に見事にインストールしています。プロジェクターも構造的に必要な梁を活用するなど、オーナーとインストーラーとの連携が見事に取れた素晴らしい専用室シアターです。

  • 視聴位置後方にはご主人の趣味であるギターのコレクションが並びます。リアスピーカーはキレイに天吊り設置されているが、実はこの通線はモールで処理しているのです。防音室が完成した後のタイミングでサウンドテックに相談したとのことですが、それを感じさせないほど美しい仕上がりです。
  • 床に鎮座するヴィンテージ機器たちはご主人が自分で修理などして長く愛用している名機たちです。
  • インストーラー/好田和幸氏