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  • イクリプスのサブウーファー「TD520SW」で本格派シアターのさらなるアップデートを目指す ホームシアター機器入れ替え騒動[Part2]サブウーファー編

    取材・執筆 / 遠藤義人
    2024年9月27日更新

    • ホームシアター・コンシェルジュ
      遠藤義人

前回13年ぶりにAVアンプを入れ換えたホームシアターユーザーのpopoさん(仮名)。AVアンプをデノン「AVC-A1HD」から、マランツ「CINEMA 30」へ新調してニッコリするも、「どうせならちゃんとしたい」とさらなるアップデートを決意。アトモスは興味ないといっていたので4K対応か?と思いきや、次に気になったのはサブウーファーでした。

前回までのあらすじ>13年ぶりのAVアンプ入れ換え

CINEMA 30の機能を活かして2台設置を試みる

2011年、新築のpopo邸にあるホームシアターは、防音/音響工事専門会社アコースティックエンジニアリングの長濱さんの手によってルーム・イン・ルームとされた完全防音仕様。popoさんの趣向に合わせて、調音も施された贅沢な専用ルームとなっています。

最近までそのサウンドに不満はなかったものの、動作が怪しくなってきたためAVアンプをマランツ「CINEMA 30」に入れ換えました。サラウンド5chすべてをバイアンプ駆動する「5.1ch Full Bi-Amp」モードを使えば、BOWERS & WILKINS「Nautilus 800」シリーズによる5.1chのポテンシャルを引き出してくれると考えたからです。

  • AVアンプ入れ替え後のシアタールームでさっそく映画を楽しむpopoさん
  • 「5.1ch Full Bi-Amp」を設定すると、「CINEMA 30」が内蔵する11ch分のパワーアンプのうち10chを使いきることができます

これで一安心と思いきや「どうせならちゃんとしたい」と、こんどはサブウーファーの入れ換えが話題になりました。

いまあるサブウーファーはイクリプス「TD725sw」。位相特性や時間軸といったインパルス応答にこだわるイクリプスのサブウーファーは、銃撃戦やアクション映画がとくに好きなpopoさんのチョイスとして迷いはありません。これから入れ換えるとしたら、「TD725SWMK2」でしょうね・・・わたしがそうpopoさんに投げかけると、さっそくスマホで調べたpopoさんの反応は・・・。

  • 「シャープなフォルム、マットな突き板仕上げが気に入っていた」(popoさん)というECLIPSE「TD725sw
  • TD725SWMK2」は「TD725sw」の後継モデル。エンクロージャー容積が26%アップしているほか、ドライバーユニットにも全面改良が施されています

「これよりもデカいんですか! しかも51kgって・・・」

私の顔も引きつります。入れ替えのお手伝いはしますよと言ってはみるものの、重さはもとより抱えるのがなかなかしんどいのは、わたしが編集部員だった頃から身に染みています。

そこで提案。マランツ「CINEMA 30」は、複数のサブウーファー接続を前提としたモードも持っています。それに「TD725SWMK2」が一台550,000円なのに対し、一回り小さい「TD520SW」は一台286,000円。ならば、この「TD520SW」を左右2台配置すれば、新しいことに挑戦しつつ、スペックダウンせず無理なくアップトゥデートできるのでは? と。

  • ECLIPSE「TD520SW」は「TD725SWMK2」と同時に発売されたモデルで、一回りコンパクトなサイズ感。これを2台設置することに

アクション映画好きのオーナーも大満足の完成度

popoさんの出張などが重なり、半月ほどして、ようやく「TD520SW」が2台、popo邸に搬入されました。

  • 届いた「TD520SW」をさっそくシアタールームで開封
  • 「TD520SW」導入とともに、「CINEMA 30」の電源ケーブルも含め、SAECのPC-Triple C導体を採用した「PL-3800」に交換

左右対称に設置が済むと、さっそく設定を行います。「TD520SW」の背面のLPF(ローパスフィルタ)は「切」にして、サブウーファー内部でフィルターを通ることによって生じる時間軸の遅れを防止。

AVアンプ「CINEMA 30」側でもスピーカー設定でサブウーファー「2台」に設定。すると「(サブウーファー)モード」のメニューが現れ、「スタンダード」(初期値)と「指向性」を選択できます。

  • ちなみに2台を左右に設置する場合「CINEMA 30」では「サブウーファー1」が左、「サブウーファー2」が右
  • 「指向性」モードは、いわば近傍のスピーカーとリンクする形で低音が鳴るため、さらにレイアウト「左右」(初期値)「前後」の選択肢が登場します。たとえば左右2台の場合は、左に置かれたサブウーファー1はFL/RLの左側の低音をサポート

ここでpopoさんはブルーレイ『ダークナイト』を、サブウーファーモードを切り替えながら再生します。冒頭のIMAXにはじまり、銀行強盗の銃撃戦、そしてジョーカーとバットマンが対峙するシーンまでを見終えると、明確に「スタンダードモードにします」と決断されました。

そのままブルーレイ『ヒート』の20分にわたる銃撃戦を鑑賞して確信し、こちらを振り向いて、ニッコリと満足そうに応えました。

  • 「CINEMA 30」には、サブウーファーが複数ある場合、全部のサブウーファーの音量を一括して調整できます。ECLIPSEの場合はリモコンで調整できますが、リモコンがない製品でもいちいち各サブウーファーの裏側に回ってボリュームを調整しなくてもいいわけです

さて、いかがでしょう? 左右に同じサブウーファーが並んで見た目にもいいですね!

  • サブウーファーの入れ替えもぶじに完了!

・・・って、あれれ?? と気づいた方は鋭い! この写真、よく見ると、サブウーファーが2台になった代わりに、センタースピーカーが居なくなっています。

そうなんです。実はNautilusのスピーカー自体に不具合があり、この日はその対応にも追われていたんです・・・。というわけで[読者popo邸Part3][ティーエス・プロPart3]合併号へと続きます。次回は[ティーエス・プロPart1]から。お楽しみに!

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