KARIMOKU COMMONS TOKYOのほど近く、東京・西麻布に24年10月下旬オープンしたばかりの「KARIMOKU RESEARCH CENTER」。表参道という立地から東京のサテライト・ショールームという位置づけかと思いきや、家具づくりだけにとどまらない「木とつくる幸せな暮らし」を探究するためのいわば “実験棟” といえる場所です。今回は、このショール—ムの紹介とともに、3月28日(金)まで開催中の展示「KARIMOKU RESEARCH Survey 01:NEW TRADITION」の模様をリポートします。
- B1階のラウンジスペース「THE STUDY」、1階のギャラリースペース「THE ARCHIVE」、2階のアーカイブ「THE MATERIALS LAB」からなるカリモク家具の “実験棟” 「KARIMOKU RESEARCH CENTER」
今回の実験テーマは「NEW TRADITION」
今回の展示のテーマは、NEW TRADITION。伝統的な木のものづくりを探究してきたカリモク家具にとって、そもそも「伝統とは何か?」という根本的な課題をアーティストとともに見直すことで、未来への道しるべとしようという意欲が感じられます。
リサーチャーとして招聘されたロサンゼルスを拠点に活躍するWAKAWAKAの奥田慎一郎は、カリモク家具の工場を訪れたとき、和家具や日本の家庭用家具に用いられてきたシルエットや意匠に心奪われるとともに、高度な塗装技術と張り込みの技術を駆使したアイテムを生み出したいと考えました。
戦後アメリカの影響も強く受けながら進化してきた日本の居間・リビング家具に、現代の欧米の視点を組み込んで再解釈して、今回提示したのが「Atmospherizm(アトモスフィアリズム)」という新スタイルです。
マットがトレンドのいま80年代の光沢や直線を意欲的に持ち込むことで、家具のフォルムのみならず、建物と空間と家具というインテリアのL/M/Sの境界線までも意識させます。
80年代ラウンジの応接セットをアーカイブ
KARIMOKU RESEARCH CENTERの地下にもイベントスペースとなる広大な空間「THE STUDY」が。ソニーの200インチディスプレイによるサイネージと、DYNAUDIOのスピーカーが設置され、今という瞬間を愉しむことの大切さを気づかせる仕掛けです。
会期中は「Karimoku Re:issue by Lichen」が開催中。ニューヨークを拠点に活動するデザインスタジオLichenが、かつてラウンジで高級応接セットとして使われていたソファに目を付け、アーカイブ化しています。
半世紀の技術を五感で。まさに実験見本市
こうした技術の詳細は、2階で学習できる仕組み。
- クッショニングも贅沢。THE FIRSTのリポートでも紹介した「座り心地研究」も
カラー見本や加工見本、製品化前のプロトタイプまで、本社工場で見学しなければ体験できないようなものまで目の当たりにでき、カリモク家具の技術の一端を五感で学ぶことができます。ぜひこの3フロアを巡ってみてください!
- 2階「THE MATERIALS LAB」はカリモク家具がこれまで製作してきた家具のアーカイブや、木工、塗装、多種多様な木材などのサンプルの展示から、ブランド伝統の技術を図書館のように閲覧することができます
[開催概要]
KARIMOKU RESEARCH Survey 01:NEW TRADITION
『KARI KARI MOKU MOKU WAKA WAKA』curated by WAKA WAKA
期間:2025年1月11日(土)~ 3月28日(金) ※日曜閉館、1/12のみ開館
時間:12:00 – 18:00
入場料:無料
会場:KARIMOKU RESEARCH CENTER
東京都港区西麻布2丁目24-2
電話:03-6433-5995
Instagram:https://www.instagram.com/karimoku_research/