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  • 世界を旅するジャズレーベルから音質も折り紙付きの北欧ジャズCDが登場 日本庭園の円月橋にインスパイアされたECM&レインボースタジオ収録

    取材・執筆 / 遠藤義人
    2024年3月27日更新

    • ホームシアター・コンシェルジュ
      遠藤義人

元「東京JAZZ」プロデューサーの八島敦子さんが立ち上げた「Eight Islands Records(エイトアイランズレコーズ)」。「世界を旅するジャズ」をテーマにコンサートやイベント、コンテンツ制作と奮闘して、はや2周年。このタイミングで、オーディオファンにもうってつけなCD「MOON BRIDGE」が、3月6日に発売されました。

ジャズレーベル「Eight Islands Records」とは?

日本庭園の円月橋が示す「共生」をイメージ

  • Eight Islands Records
    Joonas Haavisto, Kestutis Vaiginis『MOON BRIDGE
    ¥3,300(税込)

本作は、フィンランド出身のピアニストJoonas Haavisto(ヨーナス・ハーヴィスト)と、リトアニア出身のサックス奏者Kestutis Vaiginis(ケスタティス・ヴァイギニス)によるデュオ。ふたりとも国を代表する著名なジャズミュージシャンで、ニューヨークのブルーノート、東京JAZZなど、世界を股に掛けて活躍しています。

  • ヨーナス・ハーヴィストとケスタティス・ヴァイギニスの2ショット

ハーヴィストによれば、アルバムタイトルにある『MOON BRIDGE』は“Moonlight Bridge(月に照らされた橋)”のことではないのだそう。日本庭園でみられる円月橋のように、半月型のアーチと水面に映った姿が合わさって円形になる、つまり自身とヴァイギニスが互いに補完し合って共生するという思想を表しているといいます。

また、紛争の危機にさらされている北欧の平和への架け橋たらんという願いも込められています。

神聖な世界とワイルドな世界を自由に往来

本作には、ハーヴィストとヴァイギニスそれぞれによるオリジナル曲のほか、昨年3月に逝去したサックス奏者/作曲家ウェイン・ショーターによる『Miyako』と、『A列車で行こう』でも知られるピアノ奏者/作曲家ビリー・ストレイホーンによる『Lush Life』の2曲のジャズスタンダードが、冒頭とラストを飾る形で収録されています。

ジャズレーベル「Eight Islands Records」の八島さんは、「このデュオのサウンドは、グランドピアノとフェンダーローズ、そしてソプラノサックスとテナーサックスを縦横無尽に組み合わせることで、神聖な世界とワイルドな世界の間を自由に行き来し、他には真似できない音楽世界を展開している。北欧とバルトのダイナミックな組み合わせがつくりだす水晶のように澄みきったメロディーと哀愁、そしてワイルドなグルーヴを感じてほしい」とアピールします。

  • Joonas Haavisto(ヨーナス・ハーヴィスト)
    フィンランド出身のピアニスト/作曲家。室内オーケストラやビッグバンドでソリストとして演奏し、さまざまなジャズミュージシャンとの共演を経て「Joonas Haavisto Trio」としても活動
  • Kestutis Vaiginis(ケスタティス・ヴァイギニス)
    ワールドワイドに活躍するリトアニア出身のサックス奏者。リトアニア音楽演劇アカデミー、プリンス・クラウス音楽院、アムステルダム芸術学校、そしてマンハッタンの学生時代での作曲活動を経て、モダンジャズとアカデミック音楽を組み合わせたオリジナル作品を演奏

ECMと豊かな教育がノルウェージャズを育てた

オーディオファンとして注目なのは、ヨーロッパのジャズの聖地、ノルウェーのECMレーベルがオスロに設立したレインボー・スタジオ収録であること。それゆえ音質も折り紙付きです。レインボー・スタジオでの収録は、ピアニストのハーヴィストがかねてより憧れていたこともあって直接依頼し、実現したとのことです。

個性を重視した音楽教育が、ノルウェージャズを豊かなものに育てたといいます。八島さんのEight Islands Recordsも、日本ジャズ界にとってそのような存在になることを期待せずにはいられません。

既発作品同様、今回のCDのほか、配信でのリリースも予定されています。LPの発売も期待しましょう!

  • 既発タイトルのLP

作品/コンサート情報

[作品情報]

  • CD『MOON BRIDGE
    Joonas Haavisto(Piano)、Kestutis Vaiginis(Sax)
    ¥3,300円(税込)
    EIRD8008
    セミW紙ジャケ仕様
    STUDIO:RAINBOW STUDIO (OSLO)

収録曲
1. Miyako
2. Waiting
3. Opener
4. Zenobia
5. One Of Those Full Moons 6. Bonus Track
7. Lush Life
© 2023 Eight Islands Co, Ltd. All Rights Reserved.

[コンサート情報]

「METROPOLITAN JAZZ」
ジャズのいまとこれからを東京から世界に発信する新シリーズが起動!

●vol.01「TBN TRIO大林武司/ベン・ウィリアムス/ネイト・スミスSpecial Guestさかいゆう」
【日時】2024年3月10日(日)※終了

●vol.02「菊地成孔とぺぺ・トルメント・アスカラール─ 結成20周年記念巡回公演「香水」─」
【日時】2024年5月2日(木)開場18:30/開演19:00
【会場】東京芸術劇場プレイハウス(東京都豊島区西池袋1丁目8-1)
【出演者】菊地成孔とぺぺ・トルメント・アスカラール
菊地成孔(sax/vo/cond)、大儀見 元(perc)、田中倫明(perc)、林 正樹(pf)、鳥越啓介(cb)、早川 純(bn)、堀米 綾(hp)、牛山玲名(1st vln)、田島華乃(2nd vln)、舘泉礼一(vla)、関口将史(vc)
【チケット価格】全席指定:9,000円(税込)
【主催】株式会社ビュロー菊地/エイトアイランズ株式会社
【制作協力】01creative

●Vol.03「BANKSIA TRIO&FRIENDS」
【日時】2024年6月16日(日)
【会場】I’M A SHOW(東京都千代田区有楽町2丁目5番1号7F)
【出演者】BANKSIA TRIO&FRIENDS
須川崇志(bass)、林 正樹(piano)、石若 駿(drums)とその仲間たち
【主催】エイトアイランズ株式会社
【制作協力】サンライズプロモーション東京/株式会社ディスクユニオン

●Vol.04「TOKYO PIANO NIGHT」
【日時】2024年6月27日(木)
【会場】東京芸術劇場コンサートホール(東京都豊島区西池袋1丁目8-1)
【出演者】小曽根 真、大林武司、壷阪健登、シャイ・マエストロ、アマーロ・フレイタス
【主催】エイトアイランズ株式会社
【提携】公益財団法人 東京都歴史文化会館 東京芸術劇場
【招聘】株式会社オフィス・ダァグ
【制作協力】サンライズプロモーション東京/ユニバーサル ミュージック株式会社/株式会社ディスクユニオン

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