CONTENTS
・4K制作に携わり“新たな表現”に気付く
・緻密な “画”の作り込みに注目
・ハリウッド映画のような質感表現に挑戦
・『サイレント・ヴォイス Season2』のココに“太鼓判”
・番組情報
4K制作に携わり“新たな表現”に気付く
BS 4Kの民放局のなかでも、4K制作ドラマに果敢に挑んでいる「BSテレ東 4K」。特に注目の番組が、4月11日より毎週土曜日21時から放送中のドラマ『サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻 Season2』です。今回は、プロデューサーを務める森田 昇氏に、4K番組の魅力について語って頂きました。
- テレビ東京 コンテンツ事業局ドラマプロデュース部長の森田 昇氏にお話を伺いました。(写真は、プレス向けに行われた「新4K8K衛星放送 放送設備等視察ツアー」にて登壇した際の様子。)
森田氏は、1997年にテレビ東京に入社後、『TVチャンピオン』などバラエティを経て、『復讐するは我にあり』や、『嬢王』、『怨み屋本舗』などのドラマを担当。そして4Kでの制作を経験したことで、HDとは異なる“新しい表現の可能性”に気づいたとのこと。
「ドラマ『プリズンホテル』では、4K収録ということで、一般的なテレビドラマではあまり使用しない単焦点レンズやシネレンズを用いて、映画さながらの映像表現にチャレンジしました。また、ドラマ『極道めし』でも、料理や食材の紹介シーンにクローズアップやスローモーションを駆使して4Kカメラで撮影しました。4Kであれば、料理や湯気の質感、そして食べ物に対して皆が心に思う心象風景まで描き出せるため、今まで気づいていなかった表現や見えていなかった新しい世界が4Kによって広がりました。」
緻密な “画”の作り込みに注目
『サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻 Season2』は、行動心理学という特殊な技術を用いて事件を解決していくミステリードラマ。栗山千明演じる“閻魔さま”こと行動心理捜査官・楯岡絵麻が、1:1の心理戦で自白を引き出していきます。しかし、よくある刑事ドラマとは敢えて趣向を変えているところが見どころです。
「刑事ドラマでよくみられる、屋外シーンを加えて映像にメリハリをつけたり、聞き込みや現場百回などの証拠を集めて真相に迫り、最後は情で落とすといったセオリーをあえて外して、取調室のテーブル上だけで真相に至るように心がけています。主人公の生活感や過去も極力排除をして、視聴者には事件のみに集中してもらい、アッと驚くどんでん返しに至るというのが基本コンセプトです。」
実際に放送を視聴すると、緻密な “画”の作り込みに驚かされます。カット割りから、多彩なアングル、そしてクローズアップまで、取調室のテーブル上だけで撮影のバリエーションがとにかく豊富。4K撮影に用いたカメラは、映画撮影に用いられるソニーのCineAlta 4Kカメラ「PMW-F55」、さらに俯瞰撮影には4K Go Proを用いて、回転装置を自作するなど、ワンシチュエーションに様々なアイデアが盛り込まれています。
- Season1に引き続き、主人公の楯岡絵麻を演じる栗山千明さん。行動心理学を駆使し、被疑者の自供率100%を誇る取り調べのスペシャリスト。「私が嘘を見抜けない人間はいない」と豪語するその手腕に注目です。
(C)「サイレント・ヴォイス」製作委員会2020
ハリウッド映画のような質感表現に挑戦
映画を彷彿とさせる4K/HDRの映像美は圧巻です。例えば、取り調べを受ける役者の背景、窓の逆光による眩しさが時間経過とともに変化する演出は、HDRならではの映像表現。視聴者に向けて楯岡絵麻が呼びかけるシーンでは、作品の世界から急に自分に呼びかけられているような錯覚さえ起こすほど高い没入感を得られます。
「過去の作品で得た経験から更に踏み込み、ハリウッド映画やアメリカの連続ドラマのような質感に挑戦しました。また、被写界深度が非常に浅い画作りのため、ピントのズレは難しく、特にクローズアップを多用するため、そのヨリに耐えられるように、衣装・メイクさんたちにも苦労をかけました。何よりの救いは、超ウルトラのクローズアップにしても栗山さんの美しさが際立っていたことですね。」
主人公の楯岡絵麻が駆使する行動心理捜査官の説明も簡潔で、人間がウソをつく時に、約0.2秒だけ表れる微細運動の“マイクロジェスチャー”や、唇をなめたり、貧乏ゆすりをしたりする“なだめ行動”といった動きの一つ一つを、鮮明な4K/HDRで観ると作品の世界により入り込めます。サイレント・ヴォイスのSeason2では、地方アイドル暴行事件やゴーストライター事件、部活での体罰、スターの薬物過剰摂取、ネットで支持される新時代の政治家など…今の時代を現す曲者揃いの被疑者たちが登場。ドラマもいよいよ佳境を迎えますが、4K/HDRの映像世界にも注目です!
- Season2ではさらに手強い被疑者たちが毎回登場します。“警視庁のエリート刑事”や“天才音楽家”、“ネット社会に絶大な支持を得る若手政治家”…など、嘘を得意とする強力キャラクターが次々に絵麻と対決。
(C)「サイレント・ヴォイス」製作委員会2020
『サイレント・ヴォイス Season2』のココに“太鼓判”
- 行動心理学という特殊な技術を用いて相手の嘘を見抜く女性刑事の活躍。しかし、よくある刑事ドラマとは異なり、①画変わりしない、②捜査活動を積み重ねない、③犯人を情で落とさない、④主人公の背景を描かないことが特長です。その設定から、アッと驚くどんでん返しに注目です。
- 4KのLOG収録、様々なレンズの使用、そしてスモークを全開に炊くなど、取調室という変化のない場所だからこそ、視聴者を飽きさせない映画さながらの質感を実現。また、ほぼワンシチュエーションの中に、カット割が同じにならないように部屋のなかでも俯瞰からの撮影や超アオリのカットなどが盛り込まれています。
- 特長的なクローズアップはもちろん、広い画の空気感など、Season1同様に、引きとヨリの画のメリハリに注目です! また、時間経過を現す窓から入り込む外光などの色や広がりは、とてもHDRらしい画作りです。そこに絡むロスコでの蠢くスモークも、見応えのある4K映像になっています。
番組情報
『サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻 Season2』
●放送チャンネル:BSテレ東4K ●放送日:2020年4月11日(土)から毎週土曜日21:00~21:55 放送中 ●ジャンル:国内ドラマ ●映像:4K/HDR ●音声:2ch ●出演:栗山千明、馬場 徹、宇梶剛士、野村修一、椎名香奈江