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レビュー

  • 【PR】VAVA「VA-LT002」 超短焦点プロジェクターの真価を引き出す
    クオリティアップ術を徹底検証してみた!
    スクリーン/電源関連アクセサリー/HDMIケーブルでチェック

    VGP 取材・執筆 / 大橋伸太郎
    2021年7月2日更新

    • VGP審査委員長
      大橋 伸太郎

新時代モデルのポテンシャルを探る

4K超短焦点プロジェクターというジャンルは、ホームシアターを進化させ、その眺めを変えました。壁際に置くことで設置スペースをコンパクトにできるミニマムな投写システムが登場したことで、プロジェクターの光路を確保するための気遣い、目の前や肩越しにファン音の存在を意識する煩わしさから解放されました。

  • プロジェクター
    VAVA
    「VA-LT002」
    ¥OPEN(実勢価格¥300,000前後)

そんな中、注目度を増しているのが、レーザー光源とDLP方式を採用したVAVAの4K/HDR対応モデル「VA-LT002」です。最大150インチの映像を投写することが可能で、100インチの投写距離はわずか18.2cm、120インチでも27.9cmという驚きの距離です。突起物がなくプレーンでシンプルな外観ながら、「ALPD 3.0 テクノロジー」が採用されたレーザー光源を点灯させてみると、2500ルーメンの強力なパワーで明るい大画面映像が映し出されます。他にも、「Harman Kardon」チューニングのスピーカーや超静音設計、Android OS搭載など、注目すべきトピックが満載です。

  • VA-LT002は、4Kの高解像度はもちろん、最新の高画質機能であるHDRにも対応しています。高輝度設計で明るく、豊かなコントラストを表現することもできます。
  • 角は丸みを帯び、ボディラインは直線的なシンプルな筐体です。搭載されているレーザー光源は2500ルーメンという非常に明るい仕様になっています。

では、VA-LT002の真価はどれほどのものか。今回はスクリーンとの組み合わせをはじめ、電源周りの使いこなし、さらにHDMIケーブルを交換して、新時代のプロジェクターの秘めたポテンシャルを探っていきましょう。最初に壁投写で視聴してみると、4K/HDRによる精細感が高く、明るい映像を楽しめます。視聴距離2mから観る対角約130インチほどの大画面は圧巻。吸い込まれるようなパノラマ感は、しばし無言になってしまうほどの迫力です。とはいえ、明るいシーンでは壁紙のテクスチャーや色味をどうしても拾ってしまいます。

  • 壁投写してみると、短い設置距離で圧倒的な大画面を楽しめ、超短焦点プロジェクターならではの魅力を味わえます。明るいシーンの映像では、織物調の壁紙の質感や色味が気になるかも? そこでまずは、これを解決する手段を探っていきます

スタンダードスクリーンを組み合わせる

  • スクリーン
    ELITE SCREENS
    「Electric92XWH(スペクトラム マックスホワイト)」
    ¥47,800(税込)

画質が素直で素性のよさを発揮

そこでまず、標準的なスクリーンを組み合わせてみました。選んだのはエリートスクリーンの「Electric92XWH」です。入門者に最適な92インチの電動タイプで、ホワイトマット幕面で色付きがなく、ゲイン1.1と明るく使いやすいスクリーンです。92インチの枠にはまるように近づけたので台形歪みが生じますが、台形補正+画面をオーバーシュートさせて歪みをちらしてセッティング完了。VA-LT002は画質のパラメーターが豊富で調整範囲が広いですが、スクリーン使用の場合は「標準」でOK。HDRのあり余る光のパワーに驚嘆で、コントラストと彩度を下げたほど。画質は素直で、みなとみらいの夕景で色付き、赤いかぶりがなく、早くも素性のよさを発揮されます。『TENET』は黒が沈み彩度の高い映像に引き込まれます。IMAX撮影シーンは映画館にいるような錯覚すら覚えます。

  • 今回は、スクリーンの両サイドにテンションポールを設置して吊るす簡易的な設置方法で視聴しました。そのため歪みで画面が波打ってしまいましたが、壁投写では味わうことができなかった「精細感」と「HDR感」が表現できていました。

超短焦点用スクリーンを組み合わせる

  • スクリーン
    ELITE SCREENS
    「FTE100H2-CLR(ケストレルテンションCLR)」
    ¥298,000 (税込)

漆黒と色彩表現がプレミアムクラス

上方からの入射光をカットする指向性を持つ、ローゲイン(0.8)のグレイスクリーンが採用された、電動立ち上げ式の超短焦点用スクリーン「FTE100H2-CLR」でチェックします。ケースまでマットブラック一色はVA-LT002のブラックモデルとパーフェクトマッチング。ホイールまでブラックアウトしたメルセデスAMGを連想させる格好よさです。さすがに黒の沈み方は圧巻で、艶やかな漆黒が出現します。画質、外観とも文句なしのナイスペアです。VA-LT002の光源のエネルギーは十分で、スクリーン側がいかに光をバランスよく吸収して自然な画を出すかが重要になりますが、VA-LT002と完璧なバランスです。明るいシーンのHDRのレンジ感、階調の密度も見事。彩度が高く幅広い色彩表現はプレミアムクラスに匹敵します。

  • FTE100H2-CLRは、電動で立ち上がってくれる超短焦点用のスクリーン。立ち上げはリモコンで操作できます。スクリーンの生地も壁際に置きやすい設置性も、超短焦点プロジェクターとナイスマッチングの仕様を備えています。

電源タップを組み合わせる

  • 電源タップ
    KRIPTON
    「PB-150」
    ¥35,000(税抜)

被写体の実存感と奥行きが増す

クリプトンの電源タップは、大電流高ノイズ機器と繊細な信号を扱う小電流機器を分離接続する2回路設計が特長で、コストパフォーマンスモデルが「PB-150」です。電源タップによる画質の変化は予想以上に大きく、背景の映像ノイズが抑えられ夜空の雲の表情が浮き上がり実景の奥行きが増します。ピークを演出的に明るくするのではなく、昼間の港のシーンの白い船体や雲の輝きの純度が上がるのです。夜のシーンで船体を飾る灯火や小面積の輝きが冴え、階調がきめ細かく豊富で被写体の実在感が増します。引き締まって緻密な大画面です。大場所の風景の奥行きも増し、フィルターで撮影した夕景の金色や朱の純度が増し、スクリーンを色とりどりに輝かせてくれます。

  • VA-LT002の電源を壁コンセントから直接取っていたところ、電源タップPB-150から取るように変更しました。大電流用と小電流用がありますが、VA-LT002は大電流用コンセントに接続しました。

電源ケーブルを組み合わせる

  • 電源ケーブル
    KRIPTON
    「PC-HR1500M-Triple C」
    ¥77,000(税込/2.0m)

ノイズが一段と減り、透明感が表れる

導体にPC-Triple C、プラグ部にオーディオグレードの高級対応を採用した、クリプトンの上位クラスの電源ケーブルを組み合わせてみましょう。VA-LT002はまだ爪を隠していました! さらにノイズが減り、洗い清められたようで背景のニュアンスがもう一段増し臨場感が全開。ナイトシーンのさまざまな灯火の輝きはよくできる有機ELテレビのように白々と汚れなく輝きます。黒の深々とした沈み込みも感動的。シーンによってやや引き込み過ぎですが、純度が高くノイズの汚れのない黒なので心地よく映像に酔えます。人肌の透明感も美しく、『スパイの妻』の蒼井優のアップは、しんねりした肌の質感が触れられるようで零れるような色香。

  • VA-LT002の通常の電源ケーブルをクリプトンのハイエンドクラスの電源ケーブルである「PC-HR1500M-Triple C」に変更。プラグ部も堅牢感あり、しっかりとはまります。ケーブルが太いため、取り回しは工夫したいです。

メタル・HDMIケーブルを組み合わせる

  • HDMIケーブル
    WIREWORLD
    「Silver Sphere」
    ¥82,500(税込/3.0m)

映像と音声の一体感が一段と向上

導体にメタル素材を採用したワイヤーワールドの最新HDMIケーブル「Silver Sphere」を接続してみます。Silver Sphereの導体は従来のフラット構造から丸形構造に変わっています。VA-LT002の画質の伸びしろがまだこんなに残っていたのかと感嘆。解像感が向上し、コントラストが鍛え直されたようです。ヴェールを剥ぎ取り映像の地肌を露わにする迫力があります。『スパイの妻』は、暗部の沈潜と明部の切れ味にHDRに肉薄する凄味をちらつかせます。画質がよくなるのは確かですが、音質向上の効果も。「映画」モードで試聴しましたが、量感と広がりが両立されて映像との一体感が一段とアップしています。画質も音質も、HDMIケーブル1本で想像以上に跳ね上げてくれます。

  • Silver Sphereは丸形構造を採用しており、ケーブル径は約9.0mmで若干太く、ケーブルも硬めです。コネクター部のサイズは22W×13.5H×46Dmm。取材時は、ケーブルにテンションが掛からないよう、壁との距離も確認しながら接続しました。

光ファイバー・HDMIケーブルを組み合わせる

  • HDMIケーブル
    FIBBR
    Pure3
    ¥55,000(税込/3.0m)

明るくバランス感覚に優れた映像

フィバーのHDMIケーブル「Pure3」は、光ファイバーを採用した同社のハイエンドモデルです。光ファイバー・HDMIケーブルは長尺でも4K/HDRが伝送できることもメリットです。例えば、レコーダー/プレーヤーとVA-LT002の距離が3m以上長い場合は、光ファイバーケーブルが最適です。Pure3による画質は、よくコントロールされており、全体のバランスに優れて落ち着いています。短尺と長尺で画質差があると思いますが、長尺の場合は明暗のコントラストが穏やかで、短尺の方が派手な傾向です。メタルよりも明るい方へシフトしていて、見やすさと美麗さを重視した印象です。音質は、劇伴のピアノの音の芯やSEの克明感や粒立ち、響きを損なわず整音の工夫がしっかり伝わります。

  • Pure3は、フィバーの独自技術「BendRobustテクノロジー」が採用されているため、曲げやすく取り回しが非常によいです。ケーブル径は5.0mm、コネクター部のサイズは20W×12H×45Dmm。5.0mや10.0m、それ以上の長尺をラインアップしています。

想像を超える格段上の映像体験

VA-LT002は、カジュアルな壁投写でも没入感がありますが、今回のようにさまざまなアイテムと組み合わせてみると、想像を超える格段上の映像美を体感できました。クオリティアップの効果をしっかりと表現できるということが、VA-LT002のポテンシャルの高さと素性のよさを再認識させてくれます。とくに、ぜひスクリーンと組み合わせてみてほしいです。それなりに高価ですが、超短焦点用のスクリーンと組み合わせれば、より黒も沈み込み、階調豊かでコントラストに優れた映像美が実現できます。ノイズを抑えたい場合は、電源周りの効果が大きく、総じてざわつかない静けさと深い奥行きを生んでくれます。HDMIケーブルも、画と音を一気に向上させたい場合にとても有効です。

  • 今回集めたアイテムをいくつか組み合わせると、VA-LT002が本来持っている映像美を体感することができました。暗部シーンでは、黒の沈み込みが深く、明るい部分はメリハリの優れたコントラスト感で描いてくれます。
  • 明部シーンでは、ただ明るいのではなく、色階調がなめらかになり、落ち着きがありながらも鮮やかさも備えた映像になります。空撮のシーンなどは奥行き感がいっそう増します。

SPEC

[VA-LT002]
●投写形式:DLP ●投写デバイス:DMD ●表示解像度:3840×2160 ●光源:レーザー ●投写サイズ:最大150型 ●明るさ:2,500lm ●内蔵スピーカー出力:30W+30W ●消費電力(待機時):360W(0.5W) ●主な入出力端子:HDMI入力×3、光デジタル音声出力×1、ステレオミニ×1、USB×1、LAN×1 他 ●ワイヤレス機能:Bluetooth Ver 4.2、Wi-Fi(802.11ac) ●外形寸法:533W×107H×368Dmm ●質量:約10.6kg

REFERENCE SOFT

  • [写真左]
    『4K 夜景』
    ¥6,600(税込)/4K Ultra HDブルーレイ
    ビコム/VUB-5701
    [写真中心]
    『TENET』
    ¥8,980(税込)/4K Ultra HDブルーレイ
    ワーナー・ブラザーズ/1000783573
    [写真右]
    『スパイの妻』
    ¥6,380(税込)/BD
    アミューズソフト/ASBD-1249

協力/SUNVALLEY JAPAN