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  • SCENIC LABS ビギナーでも使える!
    4K/HDR時代のテストソフト
    『The Spears & Munsil UHD HDR Benchmark』

    VGP 取材・執筆 / 鴻池賢三
    2019年9月26日更新

    • VGP審査副委員長
      鴻池賢三

映像機器の元々の性能がわかる貴重なべンチマークソフト

ディスプレイなどの映像機器の性能を正確に把握するためには、べンチマークソフトを利用することが確実な一手。機器の各種設定が正しいか確認するのにも有用で、ホームシアターファンなら常備しておきたいレファレンスソフトです。

数あるべンチマークソフトの中でも、世界的に有名なのが「Spears & Munsil」。この度、遂に4K/HDR映像が収録されたUHD BD版『The Spears & Munsil UHD HDR Benchmark』が登場。収録パターンは実に豊富で、プロでも活用できるレベルながら、ビギナーの方でも十分に楽しめる内容になっています。本項では、筆者が使ってみた際、すぐに役立ったテストパターンや注意点をいくつか取り上げます。

  • Scenic Labs
    「The Spears & Munsil UHD HDR Benchmark」
    Ultra HDブルーレイ
    ¥6,500(税抜)

できるだけ映像機器の元々の性能を試すには、映像モードを「シネマ」や「シネマプロ」など、映像のエンハンス機能を抑えたモードを選択し素の状態に戻すために「リセット」を掛けましょう。暗い環境や明るい環境、蛍光灯や白熱灯など視聴環境で、映像の観え方が変化するため、映像機器によっては「明るさオート」や「明るさ検出」など、視聴環境によって映像の明光を自動的に操作する機能がありますが、それはオフにしましょう。

  • テレビの映像調整項目にある「映像モード」は、「シネマ」や「シネマプロ」など映画視聴用に設けられている映像モードを選択した後、「標準に戻す」などのリセットを実行することがベストです。
  • テレビによっては、視聴環境の照明の明るさに適した映像表示を行うために、「明るさ検出」の機能が搭載されている場合がありますが、テレビの画質傾向をこのソフトで確認する際は「オフ」にしましょう。

「Sharpness」の項目は、シャープネスの掛け過ぎや、不要なオーバースキャンが掛かっていないか一目でわかるため便利です。囲みの枠が全て見えるか、表示される線が滑らかか、4Kの高精細映像の妨げになっていないか確認できます。「Chroma Upsampling Error」は、映像機器だけでなくディスクプレーヤー側の処理のチェックにも役立ちます。青と紫の縞模様が明瞭に表示されていればOKです。8bit/10bitのグラデーションや、フレーム補完時の弊害を容易に検証できるパターンは、映像装置のプロセッシングに関する実力や傾向を把握できます。

  • 精細感などを調整する映像項目の中にある「シャープネス」は、掛け過ぎてしまうと映像の輪郭表現に悪影響を与えてしまうため、画質傾向を確認する前にチェックしておくのがポイントです。

最新のHDRフォーマットで再生できるデモ映像

本ディスクの最大のポイントは、MaxCLLや色域を選択できることです。暗部/明部階調のマッピングの違いが、パターンで定量的に確認できます。「DEMO MATERIAL」は、約8分収録されており、映像のマスターが8Kで撮影され解像感が豊かで、HDR10やDolby Visionなどの各種HDRフォーマットで再生を選択できるのメリットです。

  • 4Kテレビ特集でも、画質チェックの際のレファレンスソフトとして活用した本作。精細感や色再現、動画補間技術の性能など、さまざまな項目をチェックするのにも活躍しました。

筆者もテレビの検証に活用したが、空に浮かぶ雲でピーク付近のクリップ状況など、各社の画づくりの方針が瞬時に確認できるので重宝しました。暗部の光はじめと階調再現、色、解像度、エンハンス処理によるジラジラ感の違いなどが手に取るように分かります。評価用に制作されたレファレンス映像は、 的確な判断を手助けすると共に、眼力も鍛えてくれるはずです。

  • テレビの明るさやコントラスト表現などを調整することで、画質傾向は大きく変化します。雲のディテール、陰影など、ソフトに収録されている本来の映像情報が十分に表示できているかなどを検証することができます。

輝度やフォーマットが選べる!

『The Spears & Munsil UHD HDR Benchmark』は、ただ4K/HDRのテストパターン映像が試せるだけでなく、出力する映像の最大輝度や、HDRフォーマットを選択できる点が特長です。また、最大輝度は600/ 1,000/2,000/4,000/ 10,000(cd/m<sup>2</sup>)の5つ、HDRフォーマットはHDR10をはじめ、SDR/HLG Variable、そしてDolby VisionやHDR10+など、最新のHDRフォーマットが収録されています。

  • ディスクのトップメニューで、映像の最大輝度(Luminance)、HDR映像の色域(HDR Gamut)、また音声コーデックもDolby True HDとDTS HDマスターオーディオから選べます。
  • デモ映像(DEMO MATERIAL)の選べるフォーマットも豊富で、Dolby VisionやHDR10+など最新のHDRフォーマットから、HDR10では最大輝度別に選択できたり、SDRとの見比べもできます。

多数のテストパターンを収録!

「コントラスト(Contrast)」、「色と色合い(Color & Tint)」、「シャープネス(Sharpness)」など、映像機器の性能のチェックや映像調整で基準となるテストパターン映像をはじめ、色空間の変換性能を検証できる「Chroma Alignment」や「Chroma Upsampling Error」、さらに動画のフレーム補間性能も確認することができる「Motion interpolation」など、収録されているテストパターンが豊富です。

  • 「コントラスト(Contrast)」のSDRバージョンでは、ピークホワイトの「1019」から中間レべルの「940」など、白の基準をテストすることができます。
  • 動画のフレーム補間機能の性能をチェックできるテストパターンでは、文字や画像が左から右に流れる映像がスムーズに観えるかなどで検証を行えます。

8Kマスターのデモ映像!

「デモマテリアル(DEMO MATERIAL)」は、映像制作のスぺシャリストであるStacey SpearsとDon Munsilにより8Kで撮影されたデモ映像が収録されています。映像の再生時間は約8分。夜景や夜明けのシーン、細かい描写の風景映像や、動物や花の映像など、見どころ満載のネイチャードキュメントを楽しめる。Dolby Vision、HDR10+など最新のHDRフォーマットを視聴できるのも魅力的です。

  • 太陽の陽が昇るシーンは、暗部と明部の再現が一目で確認でき、HDRによるコントラスト感をチェックできます。また雲の描写や陰影などの描き方もチェックしたいです。
  • 動物や鳥などの映像も収録されており、瞳の輝き、羽毛や嘴の質感、それによる立体感が表現できているかなど、実存感の再現度を検証することができます。

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Scenic Labs
「The Spears & Munsil UHD HDR Benchmark」
Ultra HDブルーレイ
¥6,500(税抜)