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レビュー

  • PANASONIC 満足度120%の実力派モデルをチェック!
    PANASONICで選ぶ4Kテレビ Best3
    VGPアワードの審査員がお薦めモデルをレビュー

    取材・執筆 / 折原一也
    2022年3月31日更新

    • VGP審査員
      折原一也

高画質&高音質でホームビューイング

映画もスポーツも、そして音楽ライブも大画面テレビで楽しむ、ホームビューイングをコンセプトに掲げている、国内屈指のテレビブランドのパナソニック。有機ELと液晶の両方で4Kテレビをラインアップしており、液晶テレビはインチサイズが幅広いだけでなく、レコーダー機能を搭載したモデルや新たな提案のレイアウトフリーテレビなど、スタイルも異なるテレビを揃えています。

いろいろと選べることも魅力的なのですが、高い機能性を確保しながらも丁寧に画質と音質を追求し、“ハイクオリティでホームビューイング”を楽しめる実力機を、クオリティレビューと共にご紹介したいです。今回取り上げるモデルは、4K有機ELテレビのハイエンドである「JZ2000 series」、4K有機ELテレビのスタンダードクラス「JZ1000 series」、そして4K液晶テレビの最上位シリーズである「JZ950 series」です。

  • 映画やスポーツ、音楽ライブからアニメまで、迫力ある画と音で楽しめるホームビューイングのコンセプトを打ち出している4Kビエラ。対応するネット動画のコンテンツも豊富です。

パナソニック・ビエラは、「オートAI画質」や「オートAI音質」といった映像コンテンツと視聴環境に応じた最適化技術や、ドルビーアトモス対応のスピーカーなど特長的な技術を導入。HDR10+やドルビービジョンといったHDRフォーマットへの対応、HDMIが4K/120p、VRR、ALLMに対応している点、転倒防止スタンドを搭載するなど、細かい機能面も見逃せないポイントです。

  • テレビの底面がテレビボードなどに真空に近い状態で吸着する、パナソニック独自の「転倒防止スタンド」を搭載しており、揺れや子供がぶつかったりしてもテレビを倒れにくくしています。

「JZ2000 series」~4K有機ELのハイエンド~

  • 4K有機ELテレビ
    PANASONIC
    「TH-55JZ2000」
    ¥OPEN(実勢価格¥390,000前後)

パナソニックのラインアップのなかで、4K有機ELテレビの最上位となるのが「JZ2000 series」であり、高画質と高音質を徹底追求したこだわりのモデルです。最大の特長は、パネルの発光性能を向上させるため、独自に設計と組立てを行った第2世代の「Dynamicハイコントラスト有機ELディスプレイ」。新素材を用いた貼り付け構造と、バックカバー一体型放熱プレートも採用し、圧倒的な高コントラストを実現しています。

さらに独自のパネル制御「Dot Contrast パネルコントローラー Pro」によって、明部の色を階調豊かなに表現します。サウンド面では、前向きのスピーカーにワイドスピーカーを加えた5.1ch、さらにイネーブルドスピーカーの2chを加えた構成で、実用最大出力125Wを実装。テクニクスによるサウンドチューニングも採用され、テレビとは思えない迫力の音質で、ドルビーアトモスを楽しめます。

  • JZ2000 seriesに採用された「Dynamicハイコントラスト有機ELディスプレイ」は、独自設計・組立て、新素材の貼り付け構造、さらにバックカバー一体型放熱プレートを合わせ込んだことで、4K有機ELビエラ史上において最高峰の高コントラスト表現を叶えました。
  • テレビ単体のスピーカーで、ドルビーアトモスにも対応するJZ2000 series。前向きで設置されたフルレンジに、横方向の音の広がりを表現するワイドスピーカーを2ch、さらに高さ方向の音場表現を実現するイネーブルドスピーカーも搭載しています。

コントラスト表現が強烈で質感も圧巻

実際に「TH-55JZ2000」を視聴してみると、画と音ともに最上級の体験を届けてくれます。映画『TENET テネット』は、完璧な漆黒から、眩しい爆発までコントラスト表現が強烈。Netflixで視聴した『クイーンズ・ギャンビット』も、立体感や陰影の表現、肌の質感から精細感までパーフェクト。照明下で視聴した放送番組も画質もノイズが少なく、画面全体を高精細ながらナチュラルな色再現でバランスよくまとめてくれます。サウンドは、画面の奥から音の空間が広がってきて包み込まれるような臨場感、情報量が豊富でリアリティの高いセリフの音、そして定位感も優れており、テレビの内蔵スピーカーの次元を超えたサウンドです。4Kビエラ史上で最高のホームビューイング体験が味わえます。

  • 「TH-55JZ2000」の画質・音質傾向
  • 映像モードにある「オートAI」を選択すれば、映像コンテンツや視聴環境の明るさに合わせて、自動で映像調整を行ってくれます。また、オートAIによる映像の変化量は、「オートAI-画質調整」で調整でき、0~+10の数値から変化量を選べます。
  • 音声モードにも、視聴しているコンテンツや視聴環境の明暗に合わせてオートで音質調整を行ってくれる、「オートAI」モードを用意。こちらも映像モードの際と同様に、「オートAI-音質調整」の項目でオートAIによる音質の変化量を調整することができます。

「JZ1000 series」~初めての4K有機ELにお薦め~

  • 4K有機ELテレビ
    PANASONIC
    「TH-55JZ1000」
    ¥OPEN(実勢価格¥310,000前後)

4K有機ELテレビのスタンダードモデルとしてラインアップされている「JZ1000 series」は、65型と55型のパネルに「ハイコントラスト有機ELディスプレイ」を採用しています。このパネルも、パナソニックが独自設計・組立てをおこなった特別仕様が施されています。バックカバー一体型放熱プレート、さらに「Dot Contrastパネルコントローラー」も搭載しており、スタンダードモデルとは思えない高画質へのアプローチが施されています。スピーカーは、実用最大出力30Wによる力強いサウンド、高剛性のスピーカーボックスによって迫力ある低域再生を実現した、「ダイナミックサウンドシステム」を搭載。ドルビーアトモスにも対応します。

  • JZ1000 seriesには「ハイコントラスト有機ELディスプレイ」を搭載。4K有機ELテレビのスタンダードモデルにも、独自設計・組立てを採用しており、さらにバックカバー一体型放熱プレートも投入しています。また、パネル制御技術「Dot Contrastパネルコントローラー」も搭載することで、高コントラストを実現しています。
  • 高さ方向の音場も再現できる立体音響フォーマットのドルビーアトモスに対応しています。また、15W・フルレンジのスピーカーを2基搭載しており、独立した音声処理回路によってHi-Fiグレードを感じさせるパワフルな音場表現を叶えています。

色乗りがディープで解像感が自然

「TH-55JZ1000」は、スタンダードモデルと言っても、画質・音質ともにハイレベルに作り込まれています。映画『TENET テネット』では、エッジに癖がなく素直な解像感で、色乗りがよくディープながら、バランスのよさも持ち合わせた現代的な画質。Netflixで視聴した『クイーンズ・ギャンビット』でも、階調が滑らかで沈み込みもよい暗部表現で、色の深みと解像感の自然さも良好です。コントラスト感もしっかりしていて、満足度の高い映像美を味わえます。放送番組に対してもノイズ処理が優秀。大画面でも自然で、色も適度な濃さで演出します。サウンド面でも、想像以上に低音のパワーがあり、映画とマッチします。セリフの音もクリアで、十分な質感表現を成し得ています。

  • 「TH-55JZ1000」の画質・音質傾向
  • HDRトーンマップ設定で「トーンマップ設定」をオンにすれば、映像コンテンツに含まれるメタデータに応じて、自動で最適化なHDR調整を行ってくれます。映像モードが「Dolby Vision IQ」「Dolby Vision ダーク」のときは設定できません。
  • JZ1000 seriesは、「スタンダード」「ミュージック」「快聴」「スポーツ」「ユーザー」のモードを用意しています。ドルビーアトモスを再生する場合は、音声調整内にある「Dolby Atmos」の項目をオンに設定します。

「JZ950 series」~液晶パネルも独自設計~

  • 4K液晶テレビ
    PANASONIC
    TH-55JX950
    ¥OPEN(実勢価格¥270,000前後)

4K液晶テレビの最上位モデルが「JX950 series」です。55/65/75インチといった大画面を中心に揃えています。最上位にふさわしいプレミアム液晶ディスプレイが採用されており、独自設計で自社工場にて組み上げた特別仕様の高輝度ディスプレイとなっています。ディスプレイ内部の部分構成が最適化されていることも特長です。近年の液晶テレビはバックライトのコントロールも重視されますがJX950 seriesはバックライトのエリア制御だけでなく、従来モデルよりもエリアを細分化した独自の映像信号処理も用いた、「Wエリア制御」を導入することで、さらなる高コントラストを実現しています。

  • JX950 seriesには、「プレミアム液晶ディスプレイ」として、独自設計構造、自社工場での組み上げによる特別仕様の液晶ディスプレイを搭載しています。さらに従来モデルでは放熱の問題によりバックライトのLED量に制限があった中、JX950 seriesでは放熱設計を強化したことで、バックライトLEDを増量させています。
  • シーンの明暗によってバックライトの明るさを部分毎に駆動させる「バックライトエリア制御」、さらに細分化されたエリアでの映像信号処理によって明るさをコントロールする「エリアコントラスト制御」、このふたつの制御機能によって、高コントラストを実現しています。

明部の煌めき感を力強く表現

4K液晶テレビならではの特長を持ち合わせている「TH-55JZ950」。映画『TENET テネット』やNetflixの『クイーンズ・ギャンビット』では、明るくメリハリのある映像表現に大きいアドバンテージを感じられます。暗いシーンの表現は難しそうですが、明部の煌めき感などは液晶らしい力強い光の表現を堪能できます。放送番組は、ナチュラルな雰囲気と色表現の鮮やかさを備えており、こちらもバランスが優秀。ノイズリダクションも破綻のない表現です。サウンド面は、パワー感のある低音、映像との一体感が際立ちます。包み込まれる音のスケールも広く、BGMも馴染みがよいです。放送番組で重視されるセリフの質感もナチュラルな印象です。

  • 「TH-55JZ950」の画質・音質傾向
  • 映像調整内にある「バックライトAI」の項目をオンにしておけば、映像コンテンツの情報に応じて、LEDバックライトを自動で調整してくれます。調整は、「強/中/弱/オフ」から選ぶことができます。
  • 音声調整内にある「Space Tune設定」では、テレビの設置場所や視聴する位置に合わせて、音場を調整してくれます。「Space Tune Auto」を選択すると、テレビの設置状態やテレビと背面壁や天井からの距離などへテストトーンを用いて測定・解析され、音質調整に反映されます。

唯一無二の完成度の高さを誇る

今回、パナソニック・ビエラの視聴では、4K有機ELテレビのJZ2000 series」/JZ1000 series、4K液晶テレビのJX950 seriesの3シリーズをピックアップしましたが、各々でキャラクターが違うことが明確でした。

JZ2000 seriesは、有機ELの限界を超えた印象を与えてくれる輝度表現と圧倒的な黒の再現性、ワイドスピーカーとイネーブルドスピーカーを投入したことによる音質、いたる部分で完成度の高さを実感させてくれます。テレビ一台で体感できる画質と音質は、他とは一線を画すレベルです。JZ1000 seriesも想像以上に完成度が高く、とても真面目で堅実派です。JX950 seriesは、液晶モデルなので他の2モデルは映像の特性が異なりますが、テレビの明るさを重視する方にお薦めです。

SPEC

[TH-55JZ2000]
●デジタルチューナー数:地上デジタル×3、BS/110度CSデジタル×3、BS4K/110度CS4K×2 ●パネル方式:有機EL ●パネルサイズ:55型(1210W×680H/対角1388mm) ●画素数:3840×2160 ●対応HDR規格:HDR10、HLG、HDR10+、Dolby Vision ●スピーカー:フルレンジ×3、イネーブルドスピーカー×2、ワイドスピーカー×2、ウーファー×1●音声出力:15W+15W+15W+15W+15W+15W+15W+20W ●主な入出力端子:HDMI入力×4、光デジタル音声出力×1、アナログ音声出力入力×1、USB入力×3 他 ●ネットワーク接続:LAN×1、Wi-Fi(2.4GHz、5GHz) ●対応ストリーミング動画サービス:Netflix、Amazon Prime Video、ディズニープラス、YouTube、hulu、U-NEXT、dTV、DMM.com、ひかりTV 4K、デジタル・コンサートホール、DAZN、Abema TV、Paravi、TELASA、Rakuten TV、スカパー!ondemand、TVer ●消費電力:421W(待機時約0.3W) ●外形寸法:1227W×792H×350Dmm(スタンド含む) ●質量:約23.5kg(スタンド含む)

[TH-55JZ1000]
●デジタルチューナー数:地上デジタル×3、BS/110度CSデジタル×3、BS4K/110度CS4K×2 ●パネル方式:有機EL ●パネルサイズ:55型(1210W×680H/対角1388mm) ●画素数:3840×2160 ●対応HDR規格:HDR10、HLG、HDR10+、Dolby Vision ●スピーカー:フルレンジ×2 ●音声出力:15W+15W ●主な入出力端子:HDMI入力×4、光デジタル音声出力×1、アナログ音声出力×1、USB入力×3 他 ●ネットワーク接続:LAN×1、Wi-Fi(2.4GHz、5GHz) ●対応ストリーミング動画サービス:Netflix、Amazon Prime Video、ディズニープラス、YouTube、hulu、U-NEXT、dTV、DMM.com、ひかりTV 4K、デジタル・コンサートホール、DAZN、Abema TV、Paravi、TELASA、Rakuten TV、スカパー!ondemand、TVer ●消費電力:355W(待機時約0.3W) ●外形寸法:1227W×777H×348Dmm(スタンド含む) ●質量:約19.5kg(スタンド含む)

[TH-55JX950]
●デジタルチューナー数:地上デジタル×3、BS/110度CSデジタル×3、BS4K/110度CS4K×2 ●パネル方式:液晶 ●パネルサイズ:55型(1210W×680W/対角1388mm) ●画素数:3840×2160 ●対応HDR規格:HDR10、HLG、HDR10+、Dolby Vision ●スピーカー:フルレンジ×2、イネーブルドスピーカー×2 ●音声出力:15W+15W+15W+15W ●主な入出力端子:HDMI入力×4、光デジタル音声出力×1、アナログ音声出力×1、USB入力×3 ●ネットワーク接続:LAN×1、Wi-Fi(2.4GHz、5GHz) ●対応ストリーミング動画サービス:Netflix、Amazon Prime Video、ディズニープラス、YouTube、hulu、U-NEXT、dTV、DMM.com、ひかりTV 4K、デジタル・コンサートホール、DAZN、Abema TV、Paravi、TELASA、Rakuten TV、スカパー!ondemand、TVer ●消費電力:219W(待機時約0,3W) ●外形寸法:1231W×766H×348Dmm(スタンド含む) ●質量:約28.5.g(スタンド含む)

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