Netflix映画『西部戦線異状なし』、ストリーミング配信の画質と音質をチェック！

ホームシアターファン必見のハイクオリティソフトや配信作品を、プロの評論家が徹底チェック！画質と音質の評価チャート付きでご紹介します。今回はNetflixで配信中の『西部戦線異状なし』です。第95回アカデミー賞で4部門受賞、『プライベート・ライアン』を彷彿とさせる話題作の画質・音質を、伊尾喜大祐氏が徹底的にチェックします。

CONTENTS

・『西部戦線異状なし』
・映像も音響も凄まじくリアル。脅威の戦場体験スペクタクル

『西部戦線異状なし』

●製作：2022年／米・独　●監督：エドワード・ベルガー　●出演：フェリックス・カメラー ●ジャンル：洋画アクション

●ストーリー

第95回アカデミー賞で撮影・美術・作曲・国際長編映画の4部門受賞。第1次世界大戦真っただ中、ドイツ人の少年パウルは家族の反対を押し切り、戦場へ。しかし、次々と戦友を失い、戦うことに意義を見出せなくなっていく。

●本編映像：147分、スコープ、HDR10、ドルビービジョン
●本編音声：ドイツ語ドルビーアトモスほか
●字幕：ドイツ語、英語、日本語ほか
Netflix映画『西部戦線異状なし』独占配信中

映像も音響も凄まじくリアル。脅威の戦場体験スペクタクル

1929年のドイツの同名小説、３度目の映像化作品。地獄のような戦場で疲弊していく若き兵士の物語と、軍司令部による休戦交渉が並行して描かれる重層的なドラマです。6.5K＆4.5K撮影／4K DIマスター映像をドルビービジョンHDRで配信。塹壕の美術セットから軍服、やつれた兵士の表情や黄ばんだ歯、そして緻密な特殊メイクによる死屍累々に至るまで、その徹底したリアリズムは「凄まじい」のひと言。アトモスサラウンド音響も同様で、映画の半分を占める塹壕戦では、無数の銃声・跳弾・爆発、怒号と悲鳴が音場を埋め尽くし、あまりの臨場感に身体がすくみ上がること必至。多用されるシンメトリーのシネスコ構図だけが、辛うじて「これは映画だ」と伝えてくるかのようです。（伊尾喜大祐）