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レビュー

  • JMGO「N1シリーズ」 【PR】3色レーザー搭載プロジェクター、JMGO「N1シリーズ」3機種の画質をチェック! アップデートされた映像モードを検証

    取材・執筆 / 大橋伸太郎
    2023年11月15日更新

    • VGP審査委員長
      大橋 伸太郎

<この記事はPRを含みます>

JMGO「N1シリーズ」は、いずれも革新的な3色(RGB)レーザーを搭載。Android TVやオーディオブランド製スピーカー、ジンバル式の構造で設置の自由度も高く、大画面の迫力と感動を自由に持ち運べるスマートプロジェクターです。ここで注目したいのは、数々の特許技術を投入しクオリティにこだわったという「高画質」。最新のファームウェアアップデートにて、この秋にさらに進化したという映像モード、そして3モデルそれぞれの画質の特長を、オーディオ・ビジュアルのプロの目線でじっくり検証しました。

“映画画質”をより引き立てる、新しい映像モード

JMGOの「N1シリーズ」は、ロングスロー、モバイル、超短焦点の後にやってきた第4のプロジェクターといっていいでしょう。ジンバル式の支持機構を持ち、水平360度・垂直135度の広い投写範囲を実現、四囲の壁から天井まで室内の全てをスクリーンに変えます。

日亜化学工業のRGBレーザー光源によるMALC(光学)エンジンを搭載。とても明るく、そして2色レーザーよりも圧倒的に色域が広く、息を飲むような鮮やかな映像を描き出します。モバイル自由自在のコンパクトな筐体には、途方もないパワーが秘められていました。

しかし春に視聴した範囲では、すべてのポテンシャルを発揮できている状態ではなく、パッケージングの完成度、ことに映像モードの設定はまだまだこれからといった印象でした。

そこで、この夏以降時間をかけて調整を重ね、N1シリーズ3機種の画質モードがアップデートされることになりました。専門家の監修を受けて、標準モードのパラメーターを見直し、さらなる画質向上を果たしました。このたびアップデート後のN1シリーズ3機種をいちはやく入手できましたので、さっそく映像の進化を確認してみましょう。

課題ソフトは、コダック35ミリフィルム撮影(4Kデジタルスキャン)で日本人女優4人のスキントーンと自然光撮影の明暗描写がポイントの『海街diary』(2Kブルーレイ)、高解像度広色域の『ハウス・オブ・グッチ』(イタリア盤/4K Ultra HDブルーレイ)、8Kビデオ撮影で暗部階調がプロジェクターの試金石となる『8K空撮夜景 SKY WALK』(4K Ultra HDブルーレイ)です。

  • 音元出版の視聴室にて取材を行いました。N1シリーズは3機種ともAndroid TVを搭載しているため、プロジェクター単体でも作品視聴が可能ですが、今回はレファレンス用にPANASONIC「DMR-ZR1」をプレーヤーとして使用しています。
  • 映像モードの名称は、アップデート前と変わらず「ダイナミック」「ビビッド」「標準」「ゲーム」「オフィス」「ユーザー設定」の6つ。しかし映像モードの画づくりが進化しています。今回は「標準モード」を主軸に視聴しました。

「N1」〜穏やかなバランスと広色域が美しい

N1シリーズのベーシックというべき製品がエントリーモデルの「N1」。DMDデバイスがほか機種と比べると0.33インチとやや小さく、解像度は2KフルHD。持ち運びやすいサイズとお求めやすい価格を実現するために、レーザー光源の出力も800CVIAルーメンに抑えられていて、やや暗く感じられますが、反面ノイズが少なく、マイルドで眼に優しい画質ともいえるでしょう。

  • 2Kレーザープロジェクター
    JMGO
    N1
    ¥138,160(税込)
  • N1は本体の重さ約2kgとシリーズのなかでもっとも軽量。片手でらくらく持ち運ぶことができるコンパクトなサイズ感です。

フィルム撮影の『海街diary』とはマッチングがよく、新しい標準モード・デフォールトでバランス良好な画が出ます。人物(俳優)の描写では、喪服の黒の表現がポイント。RGB「自動」で黒が沈みますが、「フル」にした方がフィルムらしい柔らかい黒階調が生まれます。「MEMC」はフレーム補間OFFの方が自然ですが、ローカル線が横移動するシーンで被写体のがたつきが目立つため「弱」を選びました。

『ハウス・オブ・グッチ』の明るくカラフルな映像は、新しい標準モードでもやや物足りず、コントラストと彩度ほか、関連の詳細設定は画像のとおりの調整でウェルバランスが得られました。シビアな視聴環境で上級機の映像に近づけようとするより、持ち前の穏やかなバランスと広色域の美しさを活かして、ベッドルームや子供部屋を活躍の場に選ぶのがいいかもしれません。

  • 映像設定の項目は3機種で共通。画像はN1で『ハウス・オブ・グッチ』を視聴した際の設定です。映像モードを「ユーザー設定」にしてバランスを調整。具体的な数値はあくまで参考ですが、高解像度広色域の映画作品を視聴する際は、デフォルトからコントラストと彩度を調整してみるのがお薦めです。
    ※背景映像は作中映像ではありません。以下の画像も同様です。
  • 関連の詳細設定の項目も3機種で共通。ノイズ軽減機能やフレーム補間機能なども備えています。

「N1 Pro」〜明るさを活かし画質を作りこむ

「N1 Pro」は輝度が1,500CVIAルーメンに向上。DMDが0.47インチにグレードアップします(N1 Ultraも共通)。するとN1の素性のよさとポテンシャルが歴然と現れました。新標準モードをベースに若干の調整でバランスのいい画が出ます。

  • 4Kレーザープロジェクター
    JMGO
    N1 Pro
    ¥195,360(税込)
  • N1 Proからは自動障害物回避・スクリーンフィット機能を搭載し、設置性を向上。投写推奨の最大サイズが120インチになることもあいまって、100インチ超えの大画面を得やすくなります。

N1 Proの標準モードで視聴した『8K空撮夜景 SKY WALK』は、明るさの余裕でコントラストが拡大し黒が沈み、暗部が階調豊か。東京の夜景に透明感と奥行きがあり、夜の底の町並みも立体的です。『海街diary』は明るさが向上したことにより、画質を好みに合わせてつくりこみやすくなりました。

ガンマは映像によって少し調整してみてもいいでしょう。「暗」(2.4乗)だとドンシャリな映像になるため「中」(2.2乗)にしてみたところ、自然光フィルム撮影の柔らかい質感が生まれました。

『ハウス・オブ・グッチ』では、N1 Proでは、N1よりも精細感が向上した印象を受けました。表示解像度はフルHDですがHDR信号の入力に対応しているため、主演女優レディー・ガガ演じるパトリツィアの虚栄と野心を象徴するイタリアンジュエリーのギラギラした輝きも出ます。

しかし、明るいぶん、暗室でシビアな視聴をすると、少しだけカラーブレイクが目立ちます。薄明かりの残るリビングでの利用など、明るさを活かした使い方がよいでしょう。あるいはProの名の通り、可搬性と広範囲の投写を活かしたプロジェクションマッピングやインスタレーションなどへの利用もお勧めできます。

  • N1 Proで『ハウス・オブ・グッチ』を視聴した際の、大橋先生の映像設定。N1の視聴時と比べると、コントラストと彩度が明るさの向上に合わせて少し抑えめに設定してあります。
  • N1 Proで『8K空撮夜景 SKY WALK』を視聴した際の映像設定。黒の沈み込みや暗部の階調表現をサポートしたい際は、コントラストと彩度を調整してみるのが吉。

「N1 Ultra」〜素性に優れニュアンス表現も豊か

「N1 Ultra」は4K解像度で最大輝度2,200CVIAルーメンの強力なスペックを誇ります。

  • 4Kレーザープロジェクター
    JMGO
    N1 Ultra
    ¥283,360(税込)
  • シリーズのハイエンドモデルであるN1 Ultra。解像度、明るさともに強力ですが、動作音はほかモデルと同じ26dB以下。パワフルで使い勝手もいいモデルです。

『8K空撮夜景 SKY WALK』は標準モードをベースに、彩度、ガンマ「中」などの最低限の調整でたちまちバランスのいい画が出ました。セットアップに手がかからないのは素性に優れる証明。灯火の白々と清冽な輝き、暗部の濁りない透明感、都会の夜の表現に広色域を活かした色彩の純度とバラエティがあふれます。Proで目についたカラーブレイクもほとんど気になりません。

『海街diary』も新しくなった標準モードそのままで、いい画が出ました。彩度を抑えた後はガンマの選択くらいで、広瀬すずの黒髪をポイントに画質を追い込むと、さらに納得の完成度に。『ハウス・オブ・グッチ』でも、HDRらしい明暗の効果と階調、撮影のねらいが画面に横溢しました。

本機は標準モードのデフォルトで視聴するなら、ガンマ「暗」だとドンシャリになる傾向があるため、ソースによらず「中」(2.2乗)の選択をおすすめします。優れた光源のパワーと色のピュリティを活かし、映画ソフトでも明るく透明感のあるニュアンス豊かな映像にまとめることで本機の魅力が開花します。

  • N1 Ultraで『ハウス・オブ・グッチ』を視聴した際の映像設定。映像モード「標準」からほぼデフォルトのままですが、ガンマは「中」を選択するのがお薦めです。
  • こちらは詳細設定。素性のよさを活かすため、色温度、コントラスト、色調をまとめて調整するという「Adaptive Luma」はオフに。

異なる画質の個性を暮らしに合わせて選べる

N1シリーズ3機種は、投写のフレキシビリティと優れた設置性能が共通しています。違いはN1 Ultraが4K解像度になること、あとは主に明るさの違いと投写可能な映像サイズです。しかし、穏やかなバランスのN1、環境をものともしないパワーのN1 Pro、はるかに高級なプロジェクターに遜色ない高画質のN1 Ultraと、3機種の個性はそれぞれ異なっています。

それはすなわち、活躍の場所が違うことを意味します。実際にさわって動かして、そして画質にふれて、あなたのN1を選んでみてください。

SPEC

JMGO「N1
●投写形式:DLP ●投写デバイス:0.33型 DMD ●表示解像度:1920×1080 ●レンズ:電動ズームフォーカスレンズ ●光源:レーザーダイオード ●投写サイズ:80〜100型 ●明るさ:800CVIAルーメン ●対応HDR規格:HDR10、HLG ●騒音:26dB以下 ●消費電力:100W以下 ●主な入出力端子:HDMI(eARC)×1、USB-A×1、ステレオミニ音声入力×1 ほか ●外形寸法:187W×165H×191Dmm ●質量:約2kg

JMGO「N1 Pro
●投写形式:DLP ●投写デバイス:0.47型DMD ●表示解像度:1920×1080 ●レンズ:電動ズームフォーカスレンズ ●光源:レーザーダイオード ●投写サイズ:100~120型 ●明るさ:1500CVIAルーメン ●対応HDR規格:HDR10、HLG ●騒音:26dB以下 ●消費電力:150W以下 ●主な入力端子:HDMI(eARC)×1、HDMI×1、USB-C×A、ステレオミニ音声入力×1 ほか ●外形寸法:241W×203H×236Dmm ●質量:約4.5kg

JMGO「N1 Ultra
●投写形式:DLP ●投写デバイス:0.47型DMD ●表示解像度:3840×2160 ●レンズ:電動ズームフォーカスレンズ ●光源:レーザーダイオード ●投写サイズ:100~150型 ●明るさ:2200CVIAルーメン ●騒音:26dB以下 ●消費電力:180W以下 ●主な入力端子:HDMI(eARC)×1、HDMI×1、USB-C×A、ステレオミニ音声入力×1 ほか ●外形寸法:241W×203H×236Dmm ●質量:約4.5kg