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レビュー

  • MAGNETAR「UDP900」 MAGNETAR「UDP900」家庭劇場が待望した至高のユニバーサルプレーヤー【PR】 日本独自のGUIを採用した再生専用機を視聴レビュー

    取材・執筆 / 大橋伸太郎
    2024年7月9日更新

    • VGP審査委員長
      大橋 伸太郎

ホームシアターファンが本当に待ち望んでいたユニバーサルプレーヤーが、ついに日本上陸を果たしました。「卓越性の追求」をコンセプトに、大手ブランドのOEM事業で培ってきたノウハウを全て投入、高剛性シャーシ採用し、アナログ/電源回路設計までこだわり抜いた究極の再生機がベールを脱ぎます。

  • Ultra HDブルーレイプレーヤー
    MAGNETAR
    UDP900
    ¥OPEN(実勢価格¥550,000前後/税込)

日本ユーザー向けの美しく快適なOSD

MAGNETAR「UDP900」がVGPアワードでホームシアター大賞を受賞しました。OPPO Digitalやパイオニアが退場してすでに久しく、ホームシアターファンがずっと渇望していたユニバーサルプレーヤーです。しかも、待った甲斐のある性能と機能を引っ提げていたのだから当然の受賞ともいえます。

耳慣れないブランドに当惑を覚えたのも事実でしたが、日本メーカーのDVDプレーヤーのOEM生産も多く手がけてきたそうで、製品の研究開発と生産に関して20年以上の経験を持つといいます。

日本に導入される製品は、4K Ultra HDブルーレイからSACDまで対応する高級機。その製品像から、輸入販売元のエミライの綿密な提言がうかがえます。日本導入にあたり、エミライがカスタマイズした独自のフォントデータを搭載して、OSDのユーザーインターフェースを一から作り直しています。

定評があったOPPO Digital「UDP-205」が生産中止となってからも愛用者が多いのは、OSD画面の美しさと完成度、操作の快適性が一因であることを理解しているからです。

  • かつて一斉を風靡した再生機、OPPOブランドを取り扱ってきた輸入代理店エミライが監修したという、美しい日本フォントを採用したOSD(オンスクリーンディスプレイ)もMAGNETARプレーヤーの魅力のひとつ
  • GUIは今後もアップデートをおこない、日本のユーザーが求める再生環境に順応していく予定とのこと。今後も長く使うことになりそうなディスクプレーヤーだけに、うれしい配慮です
  • UDP900は、オーディオ・ビジュアルの総合アワード「VGP」映像音響部会にて、ホームシアター大賞と部門金賞を獲得しました

物量投入を徹底し細部までこだわり抜いた

それではUDP900の内側に踏み込んでみましょう。心臓部のディスクドライブメカにはソニー製481AAAレーザードライブを採用、幅広いディスクへの再生対応ができ、高速かつ正確な読み取りを実現します。ピックアップ部に衝撃吸収構造を採用し、完全密閉構造でレーザーピックアップの寿命を担保しました。

DACには、2ch出力用にはUDP-205にも採用されていたESS「ES9038PRO」を搭載。7.1ch用には「ES9028PRO」を搭載しています。高精度、超低位相ノイズを実現した温度補償タイプのTCXO水晶発振器を搭載し、低ジッター対策を徹底しました。

アナログオーディオ基板に4層PCB回路基板を採用し、コンデンサーはハイファイオーディオグレード。各チャンネル独立配線で設計しました。アナログステレオ出力に、XLRバランスを装備しています。

映像処理系をみると、プロセッサーにはMediaTek製クアッドコア・プロセッサー「MT8581」を搭載しており、UDP-205と構成の近似性は高いように感じます。電源部も入念で、メインボード用のスイッチング電源とアナログオーディオ回路用に、リニアトランス電源の2基を搭載。後者は高純度無酸素銅線を使用したトロイダルトランスを金属シールドに収めて、エポキシ樹脂を充填したピュアオーディオグレードとなっています。

機構面もよく考えられており、メインボード、2chアナログ出力部、7.1ch出力部、ディスクドライブ、パワーモジュールの5セクションの回路を完全分離、振動と相互干渉で発生するノイズを抑えました。2chアナログ回路下部にメインボードがあり、そこからのノイズ飛び込みをアルミパネルでシールドするなど周到に作り込まれています。

徹底した物量投入がおこなわれた結果、UDP900の質量は15.5㎏に達しました。ちなみにUDP-205は10㎏。機能別にセクションをわけて金属カバーでシールドし、電磁干渉を最小限に止め、アウターはオールアルミボディとダブルシャーシ、ダブルカウンターウェイトプレートの強化構造で振動を低減しました。メカニカルグランドの見地から、高剛性金属製インシュレーターを奢っています。

  • 機能別にエリア分けをして電磁干渉を防ぐ金属シールドを施したり、オールアルミ/ダブルシャーシ強化構造を採用したり、ノイズ・振動対策を徹底した内部設計。ディスクドライブメカはソニー製でSACD対応品。MediaTekのクアッドコアプロセッサー「MT8581」、DACに「ESS9038PRO」「ESS9028PRO」を搭載するほか、メインボードにはTCXO高品位クロックや日本ケミコン製コンデンサーなどを贅沢に配置しました。電源まわりもメインボードとオーディオ回路で独立して給電する「デュアルパワーサプライ構造」を採用。画質と音質のために、細部までこだわり抜かれた設計です
  • UDP900の背面。HDMI出力端子は2系統を装備しており、USB-DACとしても使用できます

再生機の画質音質のクオリティをチェック

UDP-205はクロマレベル高めで、絵画的で重厚な画質が映画ファンにとって魅力です。デバイスに近似性のあるUDP900ですが、『8K東京空撮SKYWALK』のようなビデオ撮影の高画質実景ソフトを観ると、その映像はUDP-205に比べて精細感が主体、ニュートラルなモニター調に寄せたことがわかります。

しかし、映画ソフトを再生した時に本領ががぜん発揮されました。作品固有のルックと自然な一体化を遂げるのです。

『ゴジラ-1.0/C』は、本機の階調の正確さ、なめらかさで写真を見ているかのようなドキュメンタルな迫力に満ちています。暗部階調、黒表現も余裕を感じさせ、冒頭のナイトシーンの黒に深みがあり、映画のダークロマネスクが全開になりました。

圧巻は『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』の1969年のニューヨークのパレードシーン。高品位なカメラで撮影した精細感豊かな高画質映像ですが、時間のフィルターを感じさせるくすみ感のあるシックなカラーグレーディングが施されています。UDP900で観る映像は、ヤニっぽい厚手の色彩の奥からすみずみまで膨大な情報量に溢れていました。

サウンドは、再生専用機らしい作り込みと、アナログ回路重視の設計と物量投入がそのまま音質に現れて、透明感豊かでスケール雄大なピラミッド型のバランス。ドルビーアトモスの移動表現の動的解像力に優れ、『ゴジラ-1.0』のクライマックスは、ゴジラを挑発する震電が高度を変えて周回していく動線が明瞭そのもの。いささかも途切れ、ブレがありません。

また、UDP900はSACDマルチチャンネル再生に対応。ピンクフロイド『狂気』50周年版は、本機のDSDダイレクト出力をデノン「AVC-X8500H」にHDMI入力して聴きました。スピーカー間の疎、ムラ、途切れがなく、オブジェクトの移動がよどみなくスムース。一音一音に質量とニュアンスがあり、濃密な音楽体験にしばし没入できます。

UDP900は、すべてのホームシアター愛好家が渇望していたユニバーサル再生機の来臨といえるでしょう。

  • 視聴をおこなった音元出版の新視聴室「BLACK(ブラック)」にて、UDP900がすでにレファレンスとして日々稼働中です

インストーラー5名がMAGNETARの魅力を語る

高画質・高音質を徹底追求したMAGNETARのユニバーサルプレーヤーは、再生専用機として既存のシステムに組み込むことになります。ここでは、実際に本機に触れたインストーラーのみなさんに、MAGNETARの魅力を語っていただきました。

アナログ音声端子が充実 太く分厚い音も好印象

いまや動画コンテンツもストリーミング再生が増えていますが、クオリティにおいては、現時点でディスクメディアの方が優れています。高額ではありますが、新しい再生専用機の登場を歓迎しています。

特に音質については、ここまで「太く分厚い音」が出るプレーヤーは従来ありませんでした。アナログ音声端子は、近年AVアンプ側でもオミットされる傾向ですが、やはりハイエンドならさまざまな接続に対応してほしいところ。この点でも隙がなく魅力に感じます(アバック新宿 明石昌洋さん)

  • アバック新宿 明石昌洋さん

音の分離感のよさ 力強さを感じる映像美

振動やノイズに対策するため、剛性の高いボディや高品位パーツを採用した効果が、音質や画質に表れていると感じました。とりわけ音質面は、音の分離感がよく好印象でした。アトモス再生では、トップスピーカーの音がくっきり聴こえてきます。ディスクをかけてポップアップメニューになった時点でもうその違いが感じられるほどです。

映像面では、精細感というよりも力強さを感じさせてくれるタッチ。起動速度や操作の快適性など、再生専用機ならではのメリットもあります(キャビン大阪屋 森田悠司さん)

  • キャビン大阪屋 森田悠司さん

OPPOユーザーも満足できる快適な操作性と美しい映像

MAGNETARのプレーヤー2機種は、どちらもホームシアターファンから多くの支持を集めたOPPO Digitalに近い「快適な操作感」と「こってりとした色乗り」の映像が楽しめるアイテムです。

UDP800でも同社ならではの映像美は味わえますが、よりグレードアップをされたい方には、物量を投入して、表現に艶やかさを纏った上位モデルUDP900がお薦め。ストリーミング全盛の時代ですが、ディスクならではの映像の深みをご体感いただけます(シマムセン 塩見実浩さん)

  • シマムセン 塩見実浩さん

立体音響が臨場感たっぷり S/Nのよさが際立つ

筐体構造や電源まわり、アナログ回路設計まで、オーディオ的に丁寧に作り込まれていて、特にUDP900はプレーヤーとして音質面でのS/Nのよさが際立っています。ドルビーアトモス音源を聴いたときの空間の広さ、チャンネル間の音のつながりがとても自然。

多彩な入出力端子を備えていて、ホームシアターとピュアオーディオの趣味と両立させたい方にも、お薦めできるプレーヤーです。実際に見るとシックな色合いで高級感があり、デザインも好印象です(のだや仙台店 鈴木真則さん)

  • のだや仙台店 鈴木真則さん

シンプルに楽しむもよし マニアックに味わうもよし

最新メディアからSACDまで対応した、待望のフラグシップユニバーサルプレーヤー。刺さるユーザーには深く刺さる、随所にメーカーのこだわりを感じる商品です。アナログまわりのインターフェースが充実しているのも嬉しいポイント。優秀なUIや操作性も相まって高画質、高音質コンテンツの魅力を最大限引き出してくれます。

接続方法や設定によって幅広いシステムのポテンシャルを引き出しますが、シンプルな構成でも十二分に楽しめる懐の深さもあります(ホームシアター工房 名古屋 黒越 慎さん)

  • ホームシアター工房 名古屋 黒越 慎さん

SHOP INFORMATION

  • アバック新宿
    〒160-0023東京都新宿区西新宿7-5-9ファーストリアルタワー新宿3F
    https://corp.avac.co.jp/
  • キャビン大阪屋
  • キャビン大阪屋
    〒060-0001北海道札幌市中央区北1条西3丁目3-8
    https://osakaya.com/
  • ホームシアター工房 名古屋
  • ホームシアター工房 名古屋
    〒464-0858愛知県名古屋市千種区千種3丁目35-8HP吹上ビル5階
    https://www.ht-kobo.jp

SPEC

●接続端子:HDMI2系統、アナログ音声出力(2chXLR/2chRCA/7.1chRCA)、デジタル音声出力(同軸/光)、ヘッドホン音声出力、USB×2、LANほか ●外形寸法:445W×133H×321Dmm ●質量:約15.5kg

●接続端子:HDMI2系統、アナログ音声出力(2chXLR/2chRCA)、デジタル音声出力(同軸/光)、USB×2、LANほか ●外形寸法:430W×90H×312Dmm ●質量:約6.7kg