音質とデザイン性を高次元で両立する名門
Harman Kardon――そのブランドを知らないオーディオ愛好家はいないでしょう。1953年にSidney HarmanとBernard Kardonによって設立された同ブランドは、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久コレクションに選ばれた「SoundSticks II」に代表される、美しいデザインと音響技術を融合させる製品を半世紀以上に送り出し続ける名門です。
現在は、同じハーマンインターナショナル(株)に属するJBLブランドがパワフルでプロフェッショナル向けのサウンドに特化しているのに対し、Harman Kardonは、エレガントなデザインと家庭環境でのリスニング体験を重視した製品という哲学を掲げています。
そんなHarman Kardonが送り出した、映画と音楽をリビングに届ける最新のサウンドバーが「Enchant 1100」。11基のスピーカードライバーと独自の「MultiBeam」技術により、リビング空間全体を包み込む立体的な音響体験を提供する、もっとも洗練されたサウンドバーという位置付けです。
- サウンドバー
Harman Kardon「Enchant 1100」
¥OPEN(実売¥129,800/税込)
ミニマルなワンボディに独自技術を集約した
実際に筆者の自宅リビングにHarman Kardon「Enchant 1100」をセットしてみると、その外見はHarman Kardonらしいデザイン哲学を感じるものです。大画面化の進むテレビに合わせてサウンドバーも大型化が求められる今日、「Enchant 1100」は65インチテレビにもマッチする幅1150mmまで拡大しながらも、高さは65mmのスリムデザイン。ワンボディで完結しています。
スピーカー本体はミニマリズムを追求したフォルム。ファブリック素材の採用によって、リビング空間に設置しても主張しすぎることなく溶け込みます。フレームには85%のリサイクルプラスチック、ストリップ部分には100%のリサイクルアルミニウムと、上質さとともにサステナブルなライフスタイルという要望にも応えています。
- 筆者宅のリビングに「Enchant 1100」をセッティング。外装はラウンドシェイプを採用したミニマルデザインで、高いインテリア性を備えています。アルミ/プラスチック/ファブリックはリサイクル素材を採用したサステナブル設計
- 本体の左右側面に搭載されている30度のホーンを採用したシルクドームトゥイーターは、外観も美しい仕上がり。後述の「MultiBeam」技術におけるビームフォーミングに用いるため、音質にも大きく寄与しています
サウンド面では、ハーマングループ独自の音響技術が多数投入されているところもポイント。11基のスピーカードライバーによる5.1.2ch構成で、2つの上向きスピーカーがDolby Atmosによる立体音響を実現。壁反射を用いて部屋全体に豊かな音場を広げる「MultiBeam」技術ならびに、内蔵マイクによる自動キャリブレーション機能の採用は「どんな部屋でも最適な音響体験を楽しめる」というブランド思想に一致するものです。また、ハーマン独自の「PureVoice」技術も搭載し、映画やテレビの会話シーンでは、自動的に声を明瞭に再生します。
- スピーカーの合計出力は315W。ドライバーは計11基で、構成は25mmトゥイーター×3/55×90mm楕円形ウーファー×6/70mmフルレンジハイト×2。ドルビーアトモスやDTS:Xといった3Dサウンドの再生に対応し、左右に1基ずつ、上向きに搭載されたフルレンジドライバーが3Dサウンドの効果を最大化することで、リビングのような広い空間かつ複数人でも、設置環境や試聴位置に左右されにくい音質を実現
- 「MultiBeam」技術は、音を壁反射させることで左右後方のサラウンドサウンドを生み出す独自の音響技術。「Enchant 1100」では本体内蔵マイクを用いたキャリブレーションをおこない、設置環境に合わせてサラウンド効果がより高まるよう補正します
もちろん、リビングにおける機器との接続性も行き届いています。HDMIケーブル一本で簡単にテレビと接続でき、キャリブレーション含む設定も数分で完了しました。『Harman Kardon One』アプリを使えば、スマートフォンからサウンドの細かなカスタマイズや、音響の最適化がおこなえ、日常使いにも非常に便利です。またWi-Fi接続(2.4GHz/5GHz)に対応しており、AirPlay/Chromecast/Spotify Connectといった音楽リスニング向けのネットワーク機能をサポートしています。
- 主な入出力端子にHDMI(eARC)×1/HDMI×1/光デジタル×1などを備えます。映像面では4KならびにHDR10/ドルビービジョンのパススルーに対応。接続状況は前面のインジゲーターに「HDMI」「Bluetooth」のようにソースに準じる形で表示され、一見でもわかりやすい設計
自宅リビングでの視聴体験を劇場級に進化!
では、実際にリビングでHarman Kardon「Enchant 1100」のサウンドを体験してみます。
まず4K Ultra HDブルーレイで再生した『デューン 砂の惑星 PART2』から、ドルビーアトモス制作の音響の見せ場でもあるサンドワームに飛び乗るシーン。広大な砂漠の低音の響きからはじまり、砂煙が迫りその暴風のなか身を投じていく、上下左右と轟音が押し寄せる臨場感を、立体音場でリビングでも再現。なお、リモコンのATMOSボタンで3Dサラウンドの高さ位置の調整、またBASSボタンで低音の音量を調整できるので、リスニング環境に合わせた調整も簡単です。
次に、ディズニープラスの『SHOGUN 将軍』を視聴した際には、5.1chで配信される米国流の戦国ドラマの世界に没頭できました。エピソード1で真田広之演じる吉井虎永が大坂城に参上するシーン。重厚感あるBGMと効果音、迫力ある台詞の深みによって緊迫感あるドラマの世界に引き込まれます。もう一人の主人公、按針が大阪へと向かう船で嵐に遭うシーンは、大波の嵐が耳の後ろまで回り、本機のサラウンドサウンドを体感できました。
さらに「Enchant 1100」なら、日常的な視聴コンテンツである地上テレビ放送も高音質化できます。ニュース番組ではアナウンサーの声の厚みと深みを感じられ、高音質で聴き取りやすいサウンドに。メジャーリーグの野球中継でも、観客の歓声は65インチの画面サイズをカバーする自然な広がり。解説の音声バランスが絶妙に調整され、さらに画面奥に定位するよう。会場の臨場感を感じつつも、実況はしっかりと耳に届く点が特に優れています。
- 「PureVoice」テクノロジーは、同社のデジタル信号処理(DSP)による音響技術。テレビ番組や映画内の台詞や人声の明瞭度を、ほかの音声に影響を与えることなく向上させることができ、視聴環境や音量にされず人の声が聴き取りやすい音質を実現します
また本機は、リビングスピーカーとして音楽リスニングでも活用できます。AirPlayによるワイヤレス接続でスマホからAppleMusicの音楽を流してみると、宇多田ヒカル『BADモード』では低音域のパンチが特に際立ち、ベースラインが部屋全体に深く響き渡る一方で、曲のリズムセクションの重さとグルーヴ感で再現。ナチュラルに空間上に定位する歌声も繊細。このダイナミックレンジの広さが「Enchant 1100」の真の強みです。
レディー・ガガ&ブルーノ・マーズ『Die With A Smile』では、二人のアーティストによるボーカルが絶妙に調和。ガガのボーカルが際立つ一方で、ブルーノ・マーズの柔らかいバリトンボイスは曲全体に深みを加えます。ライブパフォーマンスのような空間に広がるサウンドの臨場感も見事でした。
映画、ドラマ、ニュース、そして音楽といったさまざまなコンテンツを、劇場級の音質で届けるサウンドパフォーマンス。そのすべてを洗練されたデザインとともに実現するHarman Kardon「Enchant 1110」は、家庭での音響体験をワンランク引き上げ、ブランドならではの上質なライフスタイルを提供する、まさに最高の選択肢といえるでしょう。
SPEC
- Harman Kardon「Enchant 1100」
●総合出力:315W ●スピーカー構成:5.1.2ch ●ユニット数:スピーカー合計11基(25mmトゥイーター×3/55×90mmレーストラック型ウーファー×6/70mmフルレンジ×2)●主な接続端子:HDMI入力×1、HDMI出力×1、光デジタル音声入力×1 ●ネットワーク接続:LAN×1、Wi-Fi(2.4GHz/5GHz)●外形寸法:1150W×65H×130Dmm ●質量:約7.2kg ●同梱品:リモコン(電池付属)×1、電源ケーブル×1、HDMIケーブル×1、L型壁掛け用金具(ねじ付き)×2 ほか
(提供:ハーマンインターナショナル)