デスクトップでも本格サラウンドを楽しみたい
昨年末にカーブモニター、LG「34GS95QE-B」を筆者のデスクトップに導入しました。以前カーブモニターの記事でも書いたように、視界を覆うディスプレイで映像コンテンツを鑑賞すると、没入感が格段に上がります。こうして楽しんでいると音もグレードアップしたくなり、せっかくならサラウンドも楽しみたいと思うようになりました。そこでソニーのホームシアターシステム「BRAVIA Theatre Quad(HT-A9M2)」を使ってみることにしました。
本稿ではHT-A9M2を使ってデスクトップでサラウンドを楽しむ方法をご紹介します。スペースが限られる賃貸住まいの方や、再生環境がデスクトップのみという方にもおすすめなので、ぜひ参考にしてみてください。
- ソニー
「BRAVIA Theatre Quad(HT-A9M2)」
¥OPEN(実勢価格¥264,000/税込)
「実は映像コンテンツにもおすすめ? 湾曲モニターでアニメと映画を鑑賞してみた」を読む
ソニー「HT-A9M2」活用方法
「HT-A9M2」はリビングに溶け込むデザインで360立体音響を楽しめるサラウンドシステム。出力はHDMI×1、BRAVIAのアコースティックセンターシンク用出力×1、入力はHDMI×1を搭載し、Bluetooth接続にも対応します。お部屋の四隅に置きやすい薄型デザインとなっており狭い賃貸にピッタリ。操作は付属リモコン若しくは専用アプリ「BRAVIA Connect」から簡単に行えます。
その1 フロントスピーカーを設置
フロントスピーカーは「FRONT(L)」および「FRONT(R)」と表記されているスピーカーを選んで設置をします。デスクトップに置いて設置するので、付属のスタンドをネジで取り付けます。スピーカー本体の底に電源ケーブルを差し込んでコンセントに接続すれば完了です。
その2 リアスピーカーを設置
リアスピーカーは「REAR(L)」および「REAR(R)」と表記されているスピーカーを選んで設置をします。デスクトップ背後の壁に設置するので、付属の壁掛けフックを取り付けます。
リアスピーカーを取り付けたい壁に目星をあてます。今回は、椅子に座ったときの耳の高さよりも60cmほど高く設置すべく、およその位置でマスキングテープを貼りました。より厳密にこだわりたい方は水平器や墨出しレーザーを使いましょう。
筆者の賃貸マンションは壁が「石こうボード」なので石こうボード用のフックを取り付けます。東洋工芸の画鋲型フック“かけまくり”「HHT23M-S2」を使用し、こちらを取り付けていきます。なおフック部分は広がっていますので、スピーカーの壁掛けフックが入る最小の隙間だけに押し曲げておきます。
壁フックにスピーカーを取り付ける際の詳しい方法や注意点はこちらをご覧ください。
「賃貸でもイマーシブサウンドを! 壁掛けフックでスピーカーを設置」を読む
- 東洋工芸
メタルフックWT
「HHT23M-S2」
¥700(税込)
リアスピーカーを石こうボード用のフックに壁掛けします。フックの種類によってはスピーカーが前かがみになってしまうので、リアスピーカーと壁の隙間に発砲スチールや分厚いゴムなどで調整してください。音への悪影響も少ないため、ゴムがおすすめです。
設置してみると、かなりスッキリと壁掛けできました。通常のスピーカーだとキャビネットが壁から突き出てしまい生活動線を圧迫します。薄型のHT-A9M2ならその心配が少なく、配線やスタンドも必要ないので、この視聴スタイルにぴったりです。
リアスピーカーの壁掛けが終われば、本体に電源ケーブルを差し込みコンセントに接続して設置完了です。
その3 セットトップボックスを設置&設定
セットトップボックスのHDMI入力にPC、HDMI出力にカーブモニター、電源ケーブルを接続します。あとは専⽤アプリ「BRAVIA Connect」をインストールして⼿順に従って、Wi-Fi接続、マイク測定等をします。
セットトップボックスの解像度は4K(3840×2160)で出力されるので、カーブモニター上の表示は左右に黒いバーが入ります。そのためカーブモニターのメニューから「設定」⇒「入力」⇒「アスペクト比」を「ジャストスキャン」に設定します。なお、セットトップボックスはBluetooth接続にも対応しているため、ケーブルを使わない方法もあります。
コンテンツを再生してみた
早速コンテンツ再生してみました。今回はNetflixをPCのブラウザから再生しました。
Netflixで映画『すずめの戸締り』を再生。主人公のすずめが自転車を漕いで通学するシーン(3:20~)では、船の汽笛や鳥の鳴き声が空高く突き抜けるように広がり余韻も残ります。セリフは肉質がありながらも明瞭的であり、BGMの中にあるハープのはじく音や荒々しい突風もダイナミズムに伝えてくれるので再現性が高く感じられます。
閉じ師の草太が煙の出てくる扉を封印するシーン(11:40~)をカーブモニターで見ると、広大な水たまりのある廃墟が、画面いっぱいに有機ELらしいコントラスト豊かな発色で表示され、草太やすずめが煙を封印するために扉にめがけて必死に走る姿にも迫力があります。
そこにサラウンドの効果が加わります。草太の力強い詠唱や、扉の鍵をかけた瞬間の煙が消える残像音、扉が閉まるときの低音などが迫力を増し、より作品の世界に引き込まれました。
映画『ラ・ラ・ランド』を再生。LAのハイウェイの大渋滞で人々が車から出てきて歌い始めるシーン(1:01~)では、カーブモニターは画面の端まで視野角に入れることができるので、これまで見落としていた細部も含めた全体を一望できます。さらにサラウンドが加わることで、ミュージカル体験の質がより向上しました。
静と動のメリハリのあるシーンでも効果を発揮します。ミアとセブが車でデートに行くシーン (59:35~)では車のエンジン音と日常の環境音から始まりますが、セブが道を間違えた瞬間に「Summer Montage/Madeline」という曲が流れ、環境音の静けさの中にいきなりトランペットとドラムスが入ってきます。ウーファーを用意しなくても十分低音が響くし、前後から鳴る楽器の音が存分に楽しめます。
デスクトップと相性ピッタリ! 狭小空間にも最適
ここまで設置方法やコンテンツ視聴のレビューをご紹介してきました。HT-A9M2は音質も設置性も良く、操作もわかりやすいので、デスクトップでカーブモニターと組み合わせて楽しむサラウンドシステムとして最適でした。
賃貸の限られたスペースや自宅のデスクトップ環境でサラウンドを楽しむ際は、ぜひお試しください。