VGP phileweb

ガイド

  • 短期集中連載 ホームシアターQ&A
    PART.9「ホームシアターをつくるならリビング?個室?」
    プロが疑問に答えます!

    取材・執筆 / 鈴木秋甫/小山拓郎
    2022年6月22日更新

ホームシアターのプロが、映画館のある家づくりに役立つ知識・ノウハウをお届けしていく連載企画。
後悔しないホームシアターづくりのために、ぜひお役立てください!

ホームシアターをつくるならリビング? 個室?
「まずはリビングから検討してみましょう」

リビングと個室、お互いにメリットがありますが、私はまずはリビングシアターをお薦めします。それは個室が完全に閉鎖してしまう空間だからです。ご主人が部屋に籠もってしまうと、奥様は何をしているかわからず不安に感じます。また、リビングシアターにすると、音漏れが気になるという声も多いですが、ダイワハウスの「xevoΣ」のように高気密住宅なら、よほどの大音量でないかぎり心配する必要はありません。

上の写真はブルックリンスタイルの空間デザインが、スタイリッシュなリビングシアターです。建物はダイワハウス、ホームシアターは熊本のショップ、ダイナミックスカスタマイズの小山拓郎氏が担当しています。オーナーの碓井さんは、まさにご主人が個室に籠もってほしくないという理由と、2世帯で暮らすご両親との憩いの場として使うためにリビングシアターにしています。(大和ハウス工業株式会社 鈴木秋甫 氏)

ホームシアターをつくるならリビング?個室?
「リビングの方が便利、質にこだわるなら個室」

いつ、誰と何を観るのか、といった楽しみたいことから考えてはいかがでしょうか? 親戚や友人を招きたい、家族で観たいならリビングです。一方、近年はプロダクトの進化も目覚ましいため、映画館に肉薄する映像美とサウンドを自宅で再現できます。そんな夢のような部屋をつくりたい方なら個室の方が有利です。ただ後者は相応の予算も必要になってしまうため、当店のお客様では6:4くらいでリビングシアターの方が多いですね。

上の写真も小山氏がインストールした事例。ダイケンの建材を使った防音室です。オーナーの古閑さんはアルトサックスの演奏もできる部屋がほしいと、楽器演奏室とシアターの兼用ルームをつくりました。音漏れも少ないですし、外から雑音も入ってこない。そんな集中できる部屋がほしいからと個室を選んでいます。(ダイナミックスカスタマイズ 小山拓郎 氏)

次のQ&A>>>「ホームシアターをキレイにつくるには?」

前回のQ&A>>>「プロジェクターは暗くない?」

このギモンに回答してくれた専門家

鈴木秋甫 氏
大和ハウス工業株式会社
総合技術研究所 建築技術グループ
性能・ストック研究グループ
一級建築士。大学卒業後、2005年大和ハウス工業株式会社に入社。総合技術研究所にて暮らし方や住まいの健康に関する研究を経て「奏でる家」の提案に携わる。

小山拓郎 氏
ダイナミックスカスタマイズ
インストーラー
熊本県に店舗を構えるホームシアターショップ「ダイナミックスカスタマイズ」の気鋭のインストーラー。住宅メーカーと一緒にホームシアターを提案する「シネマスタイル」で、数多くのファンを生み出している。