CONTENTS
・超短焦点プロジェクター用スクリーンのトップランナー
・白昼のリビングルームでも明るい映像を楽しめる
・驚きの明るさと高い精細感沈み込みも充分な暗部表現
・DIYでできるパネルタイプの設置方法
・視野角の広さを求めるなら“スターブライトCLR”
・SPEC
超短焦点プロジェクター用スクリーンのトップランナー
ホームシアター用プロジェクターのもう一つの主流として急速に台頭した超短焦点プロジェクター。従来のロングスロータイプは、基本的に投写距離次第で画面サイズが変わり、プロジェクターからスクリーンまでの光路を遮るものがあってはいけないことも悩みの種でした。スクリーン直下に光源を置く超短焦点プロジェクターは、そうしたホームシアターを始める上での障害をことごとく解決しました。そして今、超短焦点プロジェクターの時代の第二幕が開幕しようとしています。しかし、それはプロジェクターの変革によってではありません。スクリーンの進化によってです。
超短焦点プロジェクターの時代に、対応スクリーンをいち早く出したブランドのひとつがエリートスクリーンです。世界の映画産業の中心、北米に本拠地を置き、 常のホワイトマットタイプの画質で高い評価を得ていますが、上方(天井照明など)から入射する光をメカニカルにカットし、下方(プロジェクター)からの光をロスなく反射して視聴者に届ける超短焦点プロジェクター用スクリーンの「スターブライトCLR」で一躍時代のトップランナーになりました。そのエリートスクリーンの超短焦点用スクリーンの第二弾が「フェネル」です。
- 超短焦点プロジェクター用スクリーン
ELITE SCREENS
「AR100H2-FALR3」
¥178,000(税込)
白昼のリビングルームでも明るい映像を楽しめる
スターブライトCLRの幕面が光吸収面と映像反射面を組み合わせた三角断面形状の水平の溝が並んでいたのに対し、フェネルは“フレネルレンズ”の構造を採用しました。かつてはリアプロジェクションテレビのスクリーンに使用された構造であり、非球面の同心円状の溝を持つ幕面で光を広く拡散する効果があります。スターブライトとフェネルはそれぞれ特長が異なります。スターブライトは上の光を低減し下からの光をそのまま反射しますが、横から入射する光は低減しないので、その分視野角が広いです。フェネルは下方からのプロジェクターの光をスクリーン正面へと反射させるため、視聴位置で観ると非常に明るい映像が楽しめますが、視野角がスターブライトほど広くありません。上方からの入光に強いことは同じです。
- フェネルの幕面構造は、一番後ろから、スペックル抑制層/カラーレ層/拡散層/カラムレンズ層/スペックル抑制層/フレネルレ層/反射層/ブラックバック層の8層にもなる幕面で構築されており、外光の低減をさらに高めています。
- 新たな幕面のフェネルは、多数の半円を描くように溝を設けることで、下からくる超短焦点プロジェクターの光はスクリーン正面にいる視聴者へと向かって反射できる仕組みになっています。リビングの天井照明などの上や左右からくる光の反射を低減することで、照明が明るい環境でも暗くならない映像を実現しています。
これらの特長から、2つのスクリーンの用途提案がみえてきます。広い部屋にて大人数で観る、またスクリーンの正面からずれた位置からも視聴するならスターブライトが得意ですが、3人までの少人数で、天井照明が付いた白昼のリビングでも明るい映像が見たいならフェネルがお薦めです。また、フェネルは幕面に硬度があるため、現状のラインアップはパネルタイプのみとなっていますが、DIYなどでも設置可能です。
驚きの明るさと高い精細感沈み込みも充分な暗部表現
フェネルのクオリティをチェックするため、100インチの「AR100H2-FALR3」(ゲイン1.3)と、隣に75インチのスターブライトCLR(ゲイン0.6)を置いて比較視聴しました。75インチのスターブライトCLRに対し、フェネルは100インチと拡大率が高く不利のはずですが、むしろ明るくなっています。天井のLEDダウンライトは明るいままの状態ですが、『宮古島』は明るい環境を忘れて楽しめます。フレネルレンズと聞くと、往年のプロジェクションテレビの中央が明るく周辺部で精細感が甘くなる映像を思い出すかもしれませんが、今回のフェネルは抜群の精細感。 体を横に動かしても明るさの変化は少なくなっています。フレネルレンズ方式も進歩しているのです。フェネルは横からの光を低減するため、横に窓があるリビングなどでは、入射光の低減効果も期待できます。天井照明の照度を少し絞って暗くして『8K空撮夜景 SKY WALK』を観ると、夜景の黒も十分沈みかなりいい感じの暗部が現れます。明るい分、フェネルは映像に鮮鋭感があり、回帰特性の違いで色域が広く感じます。
超短焦点プロジェクター用スクリーンとして、新たに登場したフェネル。評価の高いスターブライトと共にラインアップすることで、二人で見るか、大勢で見るか、照明や入射光をものともしない明るさを取るか、視野角の広い見やすさをとるか、しっかりと違いで選べる選択肢が増えました。エリートスクリーンの二刀流が、 短焦点プロジェクターの時代をいっそう加速させるでしょう。
DIYでできるパネルタイプの設置方法
- 今回、柱材とアジャスターを活用し、それを突っ張り棒としてリビングルームに設置しました。床から天井までの高さ、スクリーンの横幅などを考慮して、板材やスクリーンを引っ掛けるネジ位置などを調整していきます。
- スクリーンを引っ掛けるためのネジの位置は、超短焦点プロジェクターの投写距離や投写される光が床からどれほどの距離に位置するかを、プロジェクターの取扱説明書などで必ず確認してから決めましょう。
- ネジ位置が決まったら、スクリーンのパネル部分を引っ掛けるだけで完了。スクリーンの設置は、幕面の歪みや傷付きを防ぐために、また左右のネジ位置を確認しながら同時に引っ掛けられるよう、二人以上で設置することが望ましいです。
- パネルタイプのスクリーンは、新築ならばインストーラーに依頼して壁に埋め込んでもらうのが理想的ですが、既存マンションなどでは自身で突っ張り棒などを使いこなすことで、DIYによる設置も検討してみてください。部屋とのインテリアマッチも考慮するならば、木材をペンキなどで塗装して活用することも可能です。
視野角の広さを求めるなら“スターブライトCLR”
エリートスクリーンでは、超短焦点用スクリーンの幕面として「スターブライトCLR」もラインアップ。ゲイン0.6±10で、視野角は160度を実現。広視野角のため、広いリビングでもさまざまな視聴ポイントで輝度低減の少ない映像美を堪能できます。電動巻き上げタイプ、電動立ち上げタイプ、パネルタイプを揃えています。
- 超短焦点プロジェクター用スクリーン
ELITE SCREENS
「スターブライトCLR」
SPEC
「AR100H2-FALR3」
●インチ:100 ●ゲイン:1.3±10 ●視野角:90度 ●アスペクト比:16:9 ●画面サイズ:2214W×1245Hmm ●外形寸法:2244W×1275H×25Dmm ●質量:17.2kg