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レビュー

  • SONY 「Xperia 1」 まさに手のひらホームシアター!
    スマホXperia 1でシネマ体験
    Netflixをクリエイターモードで徹底レビュー!

    VGP 取材・執筆 / 山本 敦
    2019年7月10日更新

    • VGP審査員
      山本 敦

一流のクオリティにこだわった

スマートフォンは、当初の通信端末としての役割をさらに広げながら、今では日常生活に欠かせないエンターテインメントツールにもなっています。高度なカメラ機能に止まらず、高精細な大画面ディスプレイ、内蔵スピーカーによるイマーシブサウンド(立体音響)にも一流のクオリティにこだわり抜いたスマートフォンがこの夏に誕生しました。それがソニーの「Xperia 1(エクスペリア ワン)」です。まさに手の中におさまるホームシアターと呼ぶべき迫力溢れるコンテンツの再現力に、ホームシアターファンも注目すべきモデルです。

  • Xperia スマートフォンの渾身のフラグシップモデルとして誕生したXperia 1。初のトリプルレンズカメラの採用やシネマ撮影専用機能「Cinema Pro」の搭載、ドルビーアトモスやハイレゾワイヤレス「LDAC」に対応するなど、エンターテイメント性に富んだモデルです。

21:9画面で映画画質を堪能

Xperia 1は4K/HDRの有機ELディスプレイを搭載する世界初のスマートフォンです。ソニーがブラビアの開発によって培ってきたノウハウを、独自開発の映像エンジン「X1 for mobile」に惜しみなく注ぎ込み、ディスプレイの画質を徹底的に追い込んでいます。さらに画面のアスペクト比を21対9として、シネスコサイズで製作された映像コンテンツを切り欠きなく表示できるため、豊かな没入感を引き出せます。ソニーはこの体験を「シネマワイド」と銘打ちながら、独自の新しいコンセプトとして提唱したのです。

  • 4K/HDRに対応した有機ELディスプレイを初めて採用したXperia 1は、同社のテレビ「ブラビア」で培ってきた高画質技術を駆使した「X1 for mobile」を搭載することで、精細感、色域、コントラストをスマートフォンとして極限まで高めています。
  • 約6.5インチの画面を最大限に活かした21:9シネマワイドディスプレイの採用により、映画のアスペクト比とほぼ同等の画面比率を実現。映画作品を視聴する際、画面上下に黒帯の出ない再生を可能にしたことで、スマートフォンで未だかつてない没入感を体感できます。

クリエイターの意図も体感できる

そしてもう一つ見逃せないのが、クリエイターの意図した映像を忠実にXperia 1のディスプレイに反映させるために、ソニーの業務用映像機器の開発チームと共同開発した「クリエイターモード」を映像メニューに新設したことです。ユーザーはディスプレイ設定から通常の「スタンダードモード」と簡単に切り替えながら、画質の違いを比べて楽しむことができます。

  • ソニーが開発する映像制作のマスターモニターの技術を活かし、自然な色再現性、クオリティの高い暗部表現を可能とする「クリエイターモード」を新たに採用しました。Xperia 1の設定項目「画質設定」で、「クリエイターモード」と「スタンダードモード」の選択できます。

Netflixで映像表現力をチェック

今回は4KやHDRをはじめとする高画質コンテンツを数多く配信するNetflixの作品をXperia 1で視聴してみました。Netflixは映像クリエイターの意図を家庭のテレビでも正確に再現するために「Netflix画質モード」の開発を、テレビメーカーと共同で取り組んだり、テクノロジーにも豊富な知見を持つコンテンツクリエイターです。

Netflixが力を入れるオリジナル作品を中心に、Xperia 1の21対9のディスプレイによるシネマワイド体験が活きるコンテンツをピックアップしました。

  • ストリーミング動画配信サービスのNetflixは、オリジナルコンテンツの制作だけでなく、テレビでの視聴時の映像表現を高める「Netflix画質モード」を開発するなど、クオリティを追求した映像の楽しみ方にも注力しています。Xperia 1のクリエイターモードをいち早く導入してる点にも注目です。

映画『ROMA/ローマ』を観る!

  • 『ROMA/ローマ』
    2018年 メキシコ 134分
    監督:アルフォンソ・キュアロン
    出演:ヤリッツァ・アパリシオ、アリーナ・デ・タビラ 他

陽の光から立体感まで抑揚が力強い

映画『ROMA/ローマ』では、メキシコのボールドな陽の光に照らされた人物の肌につくられる陰影、風景の立体感に力強い抑揚が感じられます。役者がつなぐダイアローグだけでは描き切れない作品の世界観を、クリエイターモードの映像が饒舌に語りかけてきます。スタンダードモードだと陰影にメリハリが付き過ぎてしまい、記録写真のように見えていた映像が、ホワイトバランスをやや暖色系に振ったクリエイターモードでは光の粒子がキャンパスの隅々にまで染み込むような手応えがあります。物語の舞台に引き込む強い生命力がXperia 1のディスプレイからほとばしるようです。

ドラマ『パニッシャー シーズン2』を観る!

  • 『パニッシャー シーズン2』
    2019 アメリカ
    監督:スティーヴ・ライトフット
    出演:ジョン・バーンサル、ベン・バーンズ、アンバー・ローズ・レヴァ 他

陰影の移り変わりを忠実にトレース

ドラマ『パニッシャー シーズン2』もクリエイターモードとの相性がとても良い作品。殺伐としたニューヨークの街を舞台に繰り広げられるハードボイルドなアクションドラマです。陰影の微妙なニュアンスの移り変わりを忠実にトレースできるXperia 1だからこそ、ストーリーの全編に漂う緊張感が引き締まります。肌の質感がきめ細かく、色合いにも艶やかさが乗ります。コントラストはどこかマイルドに感じられる場面もありますが、スタンダードモードに切り替えてみると人物の肌の血色や、明部の輝度がやはり強調気味に見えてしまいます。対して、自然な一体感に富むクリエイターモードの映像には落ち着きと説得力が出てきます。

アニメ『BLAME! (ブラム)』を観る!

  • 『BLAME!(ブラム)』
    2017 日本 106分
    監督:瀬下寛幸
    声の出演:櫻井孝宏、花澤香菜、雨宮天 他

光のきらめきと色彩が鮮やか

アニメ『BLAME!(ブラム)』のようなアニメーション作品を見る場合にはスタンダードモードもお薦めです。HDR制作のアニメらしい鮮やかな光と闇のコントラスト、ビビッドな色彩がほどよく強調されるためです。物語の舞台に広がる漆黒の闇がぐっと締まり、光のきらめきを眩しく引き立てる。Xperia 1の有機ELディスプレイはとにかく土台の画づくりがとても真面目で丁寧。どんな映像ソースも最高のコンディションで楽しめる底力があります。

ディスプレイサイズを超える没入感

新しいXperia 1は基本の画質チューニングがしっかりと練り上げられているため、奥行きの深いドラマティックな映像が、手のひらに乗るサイズのディスプレイの限界を超えて広がるような没入感が味わえます。このXperia 1ならではの「シネマワイド」体験が、きっと多くのホームシアターファンを満足させてくれること間違いなしです。

  • 今回の視聴では、Xperia 1の画質を堪能できるよう、HDR作品を中心に視聴しました。クリエイターモードが活きる作品、スタンダードモードとの相性の良い作品など、ジャンルや作品によってモードを変えてみると、よりXperia 1の映像表現力を堪能することができました。

LINEUP

SONY
Xperia 1
docomo→ブラック/パープル
au→ブラック/パープル/ホワイト/シルバー
SoftBank→ブラック/パープル/ホワイト

  • 写真は左から、ブラック、パープル。

SPEC

●OS:Android 9 Pie ●CPU:Qualcomm Snapdragon 855/2.8GHz+2.4GH+1.7GH オクタコア ●内蔵メモリ(ROM/RAM):64GB/6GB ●対応SDカード:microSD/microSDHC/microSDXC 最大512GB ●ディスプレイ:約6.5インチ 4K/HDR対応 有機EL ●ディスプレイ画素数:3840×1644 ●メインカメラ:26㎜(標準)→有効画素数 約1220万画素/F値1.6、52㎜(望遠):有効画素数 約1220万画素/F値2.4、16㎜(超広角):有効画素数 約1220万画素/F値2.4 ●通信方式:Bluetooth Ver 5.0/Wi-Fi IEEE802.11a/b/g/n/ac ●主な端子:USB Type-C出力×1 ●電池容量:3200mAh ●外形寸法(W×H×D):約72×167×8.2mm ●質量:約178g