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レビュー

  • 4K/HDRを堪能できる!
    厳選プロジェクターを徹底レビューPART2
    ハイミドルクラス編

    VGP 取材・執筆 / 大橋伸太郎
    2020年8月24日更新

    • VGP審査委員長
      大橋 伸太郎

リビングシアターに最適なミドルクラス

全4回に渡ってお薦めプロジェクターを厳選して紹介していく、特集「4K/HDRを堪能できる! 厳選プロジェクターを徹底レビュー」。PART2では、20万円台のモデルが中心となる「ミドルクラス」から、厳選3モデルのレビューをお届けします。

ミドルクラスには、薄明かりの環境でも楽しむことができる、明るいプロジェクターが揃っています。そのため、リビングシアターに最適です。また、ボディにホワイトカラーを採用したモデルが多く、インテリアにマッチする外観もリビングシアターに適しています。そしてこの価格帯になると、色彩表現にも優れていることがポイント。映画などのコンテンツを高画質で、ホームシアターを本格的に楽しみたい方は要チェックです!

  • 多くのモデルが、高画質を損ねずに投写映像の位置を調整できる「レンズシフト」を搭載していて、設置の自由度が高いのもミドルクラスのプロジェクターの特長。巧みな映像処理技術と高性能レンズが組み合わさって、上位モデルに迫る映像美が楽しめます。

BENQ「HT3550」〜信頼度の高い独自カラーテクノロジー

  • BENQ
    「HT3550」
    ¥OPEN(実勢価格¥200,000前後)

0.47型DMD搭載のDLP。UHPランプを光源に使用し、最大輝度2000lmを実現しています。8群10素子オールガラスレンズを使用。DCI-P3のカラースペースをカバーする「BenQ CinematicColorテクノロジー」により、映画コンテンツも最適なカラーで楽しむことができます。画面位置を垂直方向に10%移動できるレンズシフトや、ズームに自動追従するフォーカスシステム、自動台形補正など、都度設置、天吊設置を含めてユーザーの視聴条件に柔軟に対応します。

  • メタルバレルとセルフレームワークを使用し、8つのグループに構成された10素子レンズアレイを採用。光透過性に優れた最高級ガラスが使われています。独自の低分散レンズコーティングにより色収差を最小限に抑えて、透明度の高い映像も実現します。
  • ピクチャーメニューは、「Bright」「Vivid TV」「Cinema」「D.Cinema」「User」などのモードを搭載。HDR映像が入力された場合は、自動的に「HDR-PRO」のモードが設定されます。

クオリティチェック〜コントラストと階調が豊かで解像感も高い

カラーブレイクが抑えられている上、DLP方式らしい緻密さを感じさせる画質です。4K/HDR コンテンツは、解像感が高くディテールをしっかり描き、コントラストも豊かで階調が豊富。撮影の光線描写にも活かされていてHDRグレーディングの意図が伝わります。ノイズが少なく映像に透明感と奥行きもあるため、実写映画は限りなくリアリティに感じられます。Blu-rayの映画は、しっとり落ち着いたバランス志向で安心して視聴できます。

  • 「HT3550」の傾向表

EPSON「EH-TW8400(W)」〜高輝度と広色域を実現し設置性も随一

  • EPSON
    「EH-TW8400(W)」
    ¥OPEN (実勢価格¥299,980前後)

本体の中央にレンズを配置し、光源にUHEランプを搭載した上位モデルと共通のレイアウトを採用。3LCD方式、0.74型フルHD透過型液晶デバイスから4Kエンハンスメントテクノロジーで、4K相当の高解像度を実現しています。最大輝度は2600lm、色域はDCIをフルカバー。7群16枚レンズシステム、2.1倍電動フォーカス/ズームに加え、電動レンズシフトを搭載し、画面の移動範囲は上下96%、左右47%と広大。さらにタテ台形補正で幅広い設置に対応します。

  • 明るくシャープで、ホットスポットや色収差の少ないカラーユニフォーミティの映像を実現。7群16枚構成の高性能レンズにはエプソンが従来まで培ってきた光学技術が結集されています。
  • 「ダイナミック」「ブライトシネマ」「ナチュラル」「シネマ」「デジタルシネマ」の5つのモードを備えています。HDRフォーマットはHDR10/HLGに対応しており、また映像メニューのダイナミックレンジの項目では、「HDR10設定」「HLG設定」を設けて輝度調整が可能になっています。

クオリティチェック〜明るく自然は色艶やかさで圧倒的な完成度

完成度の高さはクラス随一。UHD BD『ジョーカー』は、映像の自然な佇まいが魅力的です。エッジの表現も素直で、人物はしなやかで自然。クローズアップの陰影もニュアンスが伝わります。シャドウ部の情報も、実写の自然光の変化が素直に表現されていてドラマに没入できます。UHD BDのチェックディスクは明るく自然な色艶。小面積の部分に宿る輝き、階調のなめらかさも魅力です。Blu-rayの映画は艶やかで吹きこぼれる色彩美は、3LCDならではの甘美さが味わえます。

  • 「EH-TW8400(W)」の傾向表

OPTOMA「UHD50」〜専用設計のEDガラスレンズを新搭載

  • OPTOMA
    「UHD50」
    ¥240,000(税抜)

1.3倍ズーム、2群10枚のEDガラスレンズとRGBRGBの6セグメントカラーホイールを搭載。4W(フォーウェイ)4Kシステムで0.47型のDMDから8.3Mピクセルの映像を実現しています。DLPシングルチップを採用することで、パネルアライメント調整がほぼ不要で手間いらず。機構の安定を最大輝度は2160lm、色域はBT.709を100%、DCI-P3を80%カバー。短焦点化に注力し、マニュアル調整によるレンズシフト垂直方向+10%、キーストン補正±40%調整が可能です。

  • 新開発された2群10枚の「EDガラスレンズ」を採用。さらに、BT.709を100%、BT.2020互換、DCI-P3を80%カバーした「RGBRGB6セグメントカラーホイール」を組み合わせることで、立体感や奥行感の表現を高めています。
  • 映像設定のディスプレーモードは、「HDR」のほか、「シネマ」「HDR SIM.」「ゲーム」「リファレンス」「ブライト」「ユーザー」「3D」(3D接続時のみ)など、モード数を豊富に備えています。

クオリティチェック〜ノイズが少なく色彩のバランスも自然

DLP独特の硬さがないナチュラルな映像が魅力。UHD BD『ジョーカー』は、ディテールが細やかで色彩表現のバランスも自然です。暗部のノイズの少なさ、なめらかさも好印象でした。UHD BDのチェックディスクは、500,000対1を実現した余裕のある明暗のコントラストが印象的で、都会の夜景を美しく立体感豊かに描き出します。Blu-rayの映画は、女優のスキントーンの違いがこれまでより分かりやすく、経験の積み重ねを感じさせる円熟したプロジェクターです。

  • 「UHD50」の傾向表

3LCDとDLPの違いで得意なコンテンツも分かれる

4K/HDRの高画質コンテンツを、いずれも高いクオリティで楽しめたミドルクラス。DLPを採用したBENQ 「HT3550」とOPTOMA 「UHD50」の2モデルは、長年のノウハウから生まれた巧みな映像処理技術で、DLP特有のカラーブレイクの発生もよく抑えられています。DLPの鮮鋭感に対して、EPSON「EH-TW8400(W)」が採用する3LCDの艶っぽさは対照的でした。デジタル描画のコンテンツが中心ならDLP、フィルム旧作まで含む映画コンテンツが中心なら3LCDがおすすめです。

SPEC

BENQ「HT3550
●投写形式:DLP ●投写デバイス: 0.47型DMD ●表示解像度:3840×2160 ●レンズ: 1.3倍ズームレンズ ●光源: 水銀ランプ ●投写サイズ: 30型~300型 ●明るさ:2,000lm ●騒音:30dB(静音モード時は28dB) ●内蔵スピーカー出力:5W+5W ●消費電力:350W ●主な入出力端子:HDMI×2、オーディオ出力×1、USB-A×1 他 ●外形寸法:380W×127H×263Dmm ●質量:約4.2kg

EPSON「EH-TW8400(W)
●投写形式: 3LCD ●投写デバイス: 0.74型ワイドポリシリコンTFT液晶パネル ●表示解像度:3840×2160 ●レンズ: 2.1倍ズームレンズ ●光源:水銀ランプ ●投写サイズ:60型~300 ●明るさ:2,600lm ●騒音:20dB(最小) ●消費電力(待機時):373W(0.30W) ●主な入出力端子:HDMI×2、USB-A×1、LAN×1 他 ●外形寸法:520W×170H×450Dmm ●質量:約11.2kg

OPTOMA「UHD50
●投写形式:DLP ●投写デバイス: 0.47型DMD ●表示解像度:3840×2160 ●レンズ: 1.3倍ズームレンズ ●光源: 水銀ランプ ●投写サイズ: 30型~300型 ●明るさ:2,160lm ●騒音:25dB(エコモード時) ●内蔵スピーカー出力:5W+5W ●消費電力(待機時):348W(0.5W以下) ●主な入出力端子: HDMI×2、3.5mmオーディオ入力×1、3.5mmオーディオ出力×1、USB-A×1、光デジタル×1 他 他 ●外形寸法:393W×282H×118Dmm ●質量:5.3kg