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レビュー

  • いまこそテレビでホームシアターを!
    サウンドバー特集 2021 AUTUMN PART1
    3万円未満(スタンダードクラス)

    VGP 取材・執筆 / 高橋 敦
    2021年10月20日更新

    • VGP審査員
      高橋 敦

従来以上に価格とクオリティを両立した「3万円未満」

いわゆる「おうち時間」を満喫するために、放送コンテンツやブルーレイだけでなく、動画配信サービスをテレビの大画面で視聴できる環境を整えた!なんていう方も増えているはず。しかし画面サイズや画質のクオリティが跳ね上がると、映像の迫力と比べて、音響のスケール感に不足を感じることも増えてしまっているのではないでしょうか?そこでおすすめなのが「サウンドバー」導入です。

今回は、「サウンドバー特集2021 AUTUMN」と題し、一定水準を超えた高音質を備える10製品をセレクトして、横並びの比較テストを実施。PART1では、低価格とハイクオリティをこれまでにないレベルで両立した「3万円未満」のスタンダードモデルをチェック。ぜひ、製品選びの参考にしてみてください!

  • 昨今の大画面テレビは、放送およびその録画機能に加え、YouTubeやNetflixといったストリーミング映像配信にも対応しています。そのいっぽうで薄型化も進んでいて、容積を確保することができず、どうしても音がプアーになりがち。しかしサウンドバーがあれば、さまざまなコンテンツを臨場感たっぷりに楽しめます。また、スマホの音楽をワイヤレスで楽しめるのも魅力です。
  • 音元出版の試聴室にサウンドバー10機種を持ち込み、横並びで試聴をおこないました。ちなみにテレビには東芝の4K液晶テレビ「Z670K」、プレーヤーにはパイオニア「UDPLX800」を組み合わせてテストをおこなっています。
  • 映画は『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』と『ボヘミアン・ラプソディ』(ともにUltra HDブルーレイ)を、アニメは『シン・エヴァンゲリオン劇場版:II』(Amazonプライム・ビデオ)をチェック。そのほかスピーカーの素性を確認するために、Bluetooth接続での音楽再生で音質も検証しました。

DENON「DHT-S216」〜原音をストレートに再生

  • DENON
    「DHT-S216」
    ¥OPEN(実勢価格2.2万円前後)

もちろんバーチャルサラウンド技術「DTS Virtual:X」にも対応しますが、それを含めた音響処理をオフにして原音をストレートに再生する、「Pure」モード再生への注力も大きな特長。コンテンツに収録された音をそのまま楽しみたい方は特に注目すべきモデルです。コンパクトボディに、トゥイーターとミッドレンジを2 基ずつ搭載。底面には75mmサブウーファーを2 基配置し、低域再生能力の確保にも余念がありません。くっきりとしてゴツさもある力強い音像が持ち味で、映画でもアニメでも、アクション作品との相性は特に良好です。

  • 「DHT-S216」の音質傾向
  • Wi-Fi -
    Bluetooth ○
    HDMI(ARC) ○
    ドルビーアトモス -
    DTS:X -
    アプリ -

YAMAHA「SR-B20A」〜自然な音場が持ち味

  • YAMAHA
    「SR-B20A」
    ¥OPEN(実勢価格2.6万円前後)

スピーカーを上向きに配置することで筐体の幅や奥行きも十分に抑えているのが特長。テレビ台に置いた際も存在感を主張しません。それでいてサブウーファーはデュアル構成、「DTSVirtual:X」対応など、サウンド面での基礎体力も確保。また、この価格帯にしては珍しく専用アプリも用意し、本体の小さなLEDだけでは操作状況の視認が難しいという、低価格帯サウンドバーの弱点も補われています。音像も音場も自然さが持ち味で、台詞、人の声を主役とするドラマやアニメなどのコンテンツとの相性は特に抜群です。

  • 「SR-B20A」の音質傾向
  • Wi-Fi -
    Bluetooth ○
    HDMI(ARC) ○
    ドルビーアトモス -
    DTS:X -
    アプリ ○

POLK AUDIO「REACT」〜アレクサ搭載で操作もラクラク

  • POLK AUDIO
    「REACT」
    ¥OPEN(実勢価格2.9万円前後)

インテリアにマッチしやすいスリムなサウンドバーです。オーディオ面の仕様で特徴的なのは、低域の補強にサブウーファーではなく、ウーファーの大口径化とパッシブラジエーターの組み合わせを採用していること。そのおかげか、低域だけではなく幅広い中低域の充実を感じられ、男性の声の厚みから効果音的な重低音まで好感触。ジャンルの得手不得手の少なさが持ち味です。機能面ではAlexaによる音声操作や機器連携への対応がポイント。リモコンでのサウンドモード変更時にも、変更後のモードを音声でフィードバックしてくれます。

  • 「REACT」の音質傾向
  • Wi-Fi ○
    Bluetooth ○
    HDMI(ARC) ○
    ドルビーアトモス -
    DTS:X -
    アプリ -

高橋敦が選んだベストバイは?

PART1では「3万円未満」の価格帯から、低価格ながらテレビの音の強化には十分な性能を持ち、Bluetooth接続による音楽再生機能にも対応する全3モデルをレビューしました。

3万円未満では、重低音やサラウンドよりも、どんなコンテンツでも重要度の高い、人の声の感触を重視するのがよいでしょう。自然な音調のヤマハ「SR-B20A」は、まさにそこが強みです。

SPEC

DENON「DHT-S216
●総合出力:非公開 ●スピーカー構成:2.2ch ● 接続端子:HDMI出力×1、HDMI入力×1、光デジタル音声入力×1、ステレオミニ×1、サブウーファー音声出力×1 ●外形寸法:890W×66H×120Dmm ●重量:3.5kg

YAMAHA「SR-B20A
●総合出力:120W ●スピーカー構成:2.2ch ● 接続端子:HDMI出力×1、光デジタル音声入力×2、サブウーファー音声出力×1 ●外形寸法:910W×53H×131Dmm ●重量:3.2kg

POLK AUDIO「REACT
●総合出力:非公開 ●スピーカー構成:2.0ch ● 接続端子:HDMI出力×1、光デジタル音声入力×1、USB×1 ●外形寸法:864W×57H×121Dmm ●重量:2.9kg

PART2はこちら>>>いまこそテレビでホームシアターを!サウンドバー特集 2021 AUTUMN PART2