ホームシアターの総合誌「ホームシアターファイルPLUS」でも執筆されている伊尾喜大祐さんが、夢の映画館「シン・イオキネマ」づくりを決意! 本連載では、映画館づくりを決意したきっかけから完成するまでの模様を完全密着ドキュメントでお送りします。どのタイミングでどんなことが進行するのか? 映画館づくりにどんな想いがあったのか? 読んだらホームシアターを作りたくなること間違いなし!
機器リプレースも考慮した収納スペースに
さらに議題は、多数のオーディオビジュアル機器や有機ELテレビ、そしてスクリーンを収める壁面収納家具へ。「機器はもちろん、自作ブルーレイやフィギュアなども並べたい」という伊尾喜のわがままを、龍井氏は見事にカタチにしてくれていました。ただ図面を見るとローボードの機材ラック部分の奥行きは約450mmで、大型機器にはやや心許なさそうです。そこに浅田プランを加えることに。
まずラック部分ですが、例えばAVアンプにデノン「AVC-X8500H」を想定すると本体の奥行きは482mm。配線や放熱を考えればラックの奥行きは600mm必要になります。将来的な機材リプレースを想定し、ここは余裕を持った設計にしたいところ。ラック内にはブルーレイプレーヤーやレコーダーなどに加え、センタースピーカーやサブウーファーも収納予定。収納スペースは10個あるので余裕かと思いきや「ホントに? 無線LANのアクセスポイントやEthernetハブ、録画用HDDやApple TV 4K、そしてゲーム機とか、細かいものもいろいろ置くでしょ?」と意地悪な笑顔で浅田氏に突っ込まれ、思わずアタマを抱えることに(笑)。ちなみにフロントスピーカーはデモ機のチェックなどで入れ替えやすいよう、ボード前に露出で設置する方向です。
そうこうする内に、あっという間に時間が尽きてしまいました。今回の打ち合わせでは、天井全体を二重にせず、両サイドを下がり天井にすること。そして、機器類を収める家具は浅田氏の案を取り入れて製作することなどが決まりました。しかし、導入するAV機器もまだ具体的になっていません。特にスピーカーはいくつも候補が渦巻きます。フロントはもちろん、サラウンドスピーカー、トップスピーカーは何を選ぶべきか、今後じっくり精査していきたいところ。加えて、「この防音仕様で本当に大丈夫?」という不安も正直まだ残ります。そこで次回は、多数の建築音響製品を取り扱う建材メーカー、大建工業のショールームを訪問し、より詳しく防音について深掘りしてみたいと思います。
- 浅田氏が提案してくれた壁面収納家具のイメージ。AVアンプやUltra HD ブルーレイレコーダー、センタースピーカーやサブウーファー2台など、さまざまな機器が収められるようにしています。
- 過去に浅田氏が家具のアドバイスをした事例。