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実例

  • リビングシアターCASE30
    自然素材あふれる天井高4mの大空間シアター
    スピーカーを魅せてシアターもインテリアの一部に

    取材・執筆 / 井田有一(ホームシアターファイルPLUS編集部)
    2022年6月20日更新

“自然と暮らす”がコンセプトのシアター

木材が放つ柔らかい雰囲気を持った誰もが羨むリビングシアターです。漆喰壁を使うなど自然素材にこだわったオーナーのUさんご夫婦、自慢の空間です。設計・施工したのは山口県に根ざした藤本工務店で、ご夫婦は「自然と暮らす」というコンセプトに共感して依頼することにしたとのこと。

ホームシアターはそんなナチュラルな空間と調和するように、設置方法や機器の色にもこだわってインストールされています。担当したのはサウンドテックの三宅宏明氏です。ご夫婦で図面制作の段階から、同店に足を運ぶなどし、図面の細部まで相談したとのこと。「120インチはほしかったので、壁はどのくらい用意すればいいかなど、機器設置だけでなく、図面制作の相談までしましたね」と、ご主人。

  • 視聴位置方向の様子。ソファの後方にはダイニングとキッチンが並びます。スクリーンの大画面にこだわったのも、このダイニングからも視聴する機会がありそうだとのことで、最初から譲れないポイントだったとご主人は語ります。そのため特注にならない最大サイズの120インチを導入したとのこと。
  • テレビを壁掛け設置している壁面は、視聴時の疲労軽減も考慮して濃い色を選択。モルタルを左官職人が手塗りしているというこだわりぶりです。
  • ダイニングの上には秘密基地感たっぷりのロフトも! こちらには畳が敷かれており、収納として活用する以外にも、リラックスできる場所としても活用する予定とのこと。

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機器の隠蔽と装飾の見事なバランス

というのもリビングは28畳、天井高4m超もある大空間。そのため機器レイアウトにはプロの経験が必要でした。U邸シアターがここまで美しく仕上ったのは、この計画段階からの相談が大きな鍵となっています。では、ホームシアターの詳細を見ていきましょう。まずホームシアターには多くの機器が必要となりますが、ここまで隠蔽と装飾のバランスが取れている例は少ないです。センタースピーカーや、AVアンプは寸法を割り出して造作したAVボードに格納。空間全体のベースカラーを白とし、木のテイストを加えました。

そうコーディネートされた空間にアクセントを加えるため、スピーカーのKEF「Q750」は敢えて黒をチョイス。その一方、サラウンドスピーカーは存在を感じさせないようにすべて埋め込みました。そして圧巻の4K映像を投写するソニー「VPL−VW255」を組み合わせています。「二人で映画を観たり、私は主にサッカー観戦、妻はYouTubeの音声を流しながら作業をしたりするなど、ホームシアターは私たちの暮らしに欠かせないものになっています」(ご主人)。
予期せず増えたおうち時間。お二人のようにシアターがあれば笑顔になります!

  • トップスピーカーとサラウンドスピーカーは、勾配天井に合わせて埋め込んでいますが、指向性が広い埋め込みスピーカーKEF「Ci160.2CR」を採用することで、広いリスニングエリアを確保しています。
  • プロジェクターは天井に設置することもできますが、画質を損ねないように、レンズシフトの範囲内で設置できるように梁を活用して天吊り設置。さらにケーブルは梁に溝を掘って見えないように敷設しています。
  • 機器の存在感をできるだけなくしたいというUさんご夫婦のリクエストを受けて、少し深めの下がり壁を用意してスクリーンケースを隠しています。
  • センタースピーカーにはKEF「Q650c」を採用。横幅629mmあるため、市販されているAVボードではなく、新築時に造作したラックに収納しています。なお、センタースピーカーに角度が付けられているのは、画面とセリフとの一体感を出すためです。ここにも三宅氏のアイデアが盛り込まれています。

Uさんのシアターが美しい秘密 〜ケーブルを巧みに隠した〜

ワンフロアでつくる平屋は部屋数こそ少なくなりますが、天井を高くしやすくなるなど広い容積を確保しやすくなるため、時間を共有したい家族にピッタリの家づくりです。ここU邸もまた平屋の家で、リビングの天井は高いところで4mあります。そのため機器の設置が制限されがちですが、事前にケーブル配線用のCD管を天井裏に通したり、プロジェクターは梁に設置できるように台座を用意したりするなど、工務店とインストーラーが連携を取ったことで、ケーブルが一切露出しない見事なホームシアターができたのです。

  • インストールを手がけたサウンドテック三宅宏明氏。

写真/草野清一郎

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U邸ホームシアター概要

ROOM DATA
●住宅形態:戸建/新築 ●家族構成:夫婦 ●ホームシアターの広さ:約28畳 ●画面サイズ:120インチ+55インチ ●サラウンド:5.1.2ch ● インストール内容:機器設置、システムプランニング、造作家具アドバイス ほか

SYSTEM LIST
●プロジェクター:ソニー VPL-VW255 ●スクリーン:オーエス:SEP-120HM(WF302) ●液晶テレビ:ソニー KJ-55X8500D ●ブルーレイレコーダー:ソニー BDZ-ZT3500 ●AVアンプ:デノン AVR-X2600H ●フロントスピーカー:KEF Q750 ●センタースピーカー:KEF Q650c ●リアスピーカー:KEF Ci160.2CR ●トップミドルスピーカー:KEF Ci160.2CR ●サブウーファー:KEF Kube 10b Subwoofer ●プロジェクター天吊り金具:SANUS VMPR1

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