ホームシアターにおけるビジュアル機器の花形は、なんといってもプロジェクター。近年、国内ブランドからハイエンドやミドルクラスのモデルがリリースされるだけでなく、リビングにも導入しやすい明るくカジュアルなプロジェクターが海外ブランドから多数登場するなど、プロジェクターのシーンが大いに盛り上がっています。そこで本稿では、4K/HDR対応モデルはもちろん8Kモデルまで、今注目すべきプロジェクターを一挙にクオリティチェック。ホームシアターライフをさらに豊かにしてくれるモデルを見極めます。
CONTENTS
・映像機器で実績をもつブランドの入門機が集結
・VIEWSONIC「PX748-4K」
・ACER「H6800BDa」
・LG ELECTRONICS「HU70LS」
・BENQ「TK850i」
・EPSON「EH-TW7000」
・XGIMI「HORIZON Pro」
・リビング使用で有利なモデルが並ぶ
・測定から見るプロジェクターの特徴
・SPEC
・REFERENCE
映像機器で実績をもつブランドの入門機が集結
映像コンテンツの4Kが進み、テレビも4Kモデルが主流となった現在、4Kの波はプロジェクターにも広がりを見せていて、近年では10万円台のエントリーモデルでも4K/HDR対応モデルが続々と登場しています。
また、光源が従来の高圧水銀ランプ(UHE)に加え、LEDを採用したモデルが登場し、大幅な長寿命化、小型化や静音化が実現するなど、プロジェクター自体も変革の時を迎えています。エントリーモデルでは、スピーカーの内蔵、動画配信サービスに対応するモデルなども誕生しています。プロジェクター1台で映像コンテンツを存分に楽しめるモデルも登場しており、新規導入や買い替えなどの絶好のタイミングです。
本稿のPART1「エントリークラス(20万円未満)」では、プロジェクターブランドとして人気が高く、またPCモニターなどもラインアップしたビジュアル機器のブランドとしても実績を持つブランドから、10万円台のモデルを集め、クオリティをチェック。画質、そして光の成分のスペクトラムの測定も検証しました。
- PART1「エントリークラス(20万円未満)」では、全6モデルのクオリティをチェックしました。エントリークラスのモデルは、ホームプロジェクターの中でも比較的に小型で設置しやすいモデルから選べるのも特長です。
VIEWSONIC「PX748-4K」
- VIEWSONIC
「PX748-4K」
¥OPEN(実勢価格¥129,800前後)
スマホ映像も楽しめるスタンダード機
ビューソニックは、プロジェクターやPCモニターの開発で実績をもつグローバルブランドです。「PX748-4K」は、水銀ランプ(UHE)光源のDLPタイプで、最大4000ルーメン(ANSI)の明るさも実現しています。HDMI入力端子は、HDR10/HLGのHDRフォーマットに対応。USB Type-C入力を採用しているため、スマホやタブレットの映像も手軽に表示できます。10Wのスピーカーも内蔵しているのも特長です。
- 映像のモードは、「カラーモード」の項目から選択が可能で、「明るい」「スポーツ」「標準」「ゲーム」「映画」の他、ユーザー自身で設定をカスタムしたプリセットを保存できる「ユーザー設定1」と「ユーザー設定2」を備えています。
- 4K Ultra HDブルーレイや動画配信サービスで採用されているHDR10、放送番組で採用されているHLG、2つのHDRフォーマットに対応しています。設定を「自動」にしておけば、入力されたHDRフォーマットを認識し、最適化した映像を出力します。
- 入力端子は、HDMIを2基、USB Type-Cを1基搭載しています。PX748-4Kはスピーカーを内蔵しておりますが、ステレオミニ出力端子も搭載しているため別途スピーカーなどに出力して楽しむこともできます。
輝度が高く光の表現が鮮やか
映画は、縦方向のカラーブレーキングと暗部の浮きがありますが、輝度の高さ、暗部の浮きも青味を帯びない点でDLPのよさも感じさせてくれます。画作りの方向性として、誇張が無く、解像感や色表現がナチュラルな部分に好感が持てます。夜景映像は、全体的に黒浮きがありますが、輝度の高さにより、窓や街路灯などの光源がキラキラと鮮やかで、見映えする映像を楽しめます。音楽ライブでは、スピーカーの音質も確認。モノラルながら地盤のしっかりとしたサウンドです。
- PX748-4Kの画質傾向/映像コンテンツの相性
- PX748-4Kの測定による傾向
UHE光源のモデルとして典型的な傾向です。RGBの成分がなだらかで、広色域ではないですが、明るい映像が期待できます。実際に明るさの測定値を見ても、小型な入門機として健闘している印象があり、UHE光源の特長を活かしています。
ACER「H6800BDa」
- ACER
「H6800BDa」
¥OPEN(実勢価格¥150,000前後)
動画配信サービスやミラーリングも対応
エイサーは、PCをはじめ、プロジェクターでも実績のあるブランドです。4K/HDR対応モデルの「H6800BDa」は、UHE光源のDLP対応、最大3600ルーメン(ANSI)の明るさを確保しています。Android OSを搭載しており、Wi-Fiの設定を行えばYouTubeなど動画配信サービスも楽しめます。また、ミラーリング機能も備えているため、スマホなどの映像もワイヤレスで出力できます。100インチ画面時の投写距離は3.3~3.7と少し長めで、天吊りや棚置きでの設置に適しています。
- 映像モードの調整項目である「ディスプレーモード」では、「明るさ」「標準」「ムービー」「ゲーム」「フットボール」など、さまざまな映像モードを備えています。
HDR信号が入力された場合、HDRまたはHLGのモードに固定されます。
- H6800BDaは、10Wのスピーカーを内蔵しており、映像コンテンツの音を内蔵スピーカーから出力したい場合は、項目をオンに設定。音量は、設定項目からだけでなく、リモコンからも調整が可能です。
- HDMI入力端子を2基搭載。音声出力は、ステレオミニだけでなく、光デジタル音声も装備しており、H6800BDaで動画配信サービスを楽しむ際の音を、別のオーディオ機器から出力することができます。
メリハリのある画で音楽ライブを演出
映画は、カラーブレーキングや暗部の浮きがありますが、明るさ重視の傾向です。コントラストは抑え気味ですが、画の印象を変えてしまうような派手な方向とは異なり、作品に入り込みやすい優しい画作りが特徴的です。夜景映像は、設定で輝度(ブライトネス)を下げると、暗部が落ち着いて階調が表れ、光の煌めき感もアップして立体感が高まります。音楽ライブは、メリハリのある映像で、本機の得意な部分がよく表れます。明るい部屋でも見られる画作りも本機ならではポイントです。
- H6800BDaの画質傾向/映像コンテンツの相性
- H6800BDaの測定による傾向
広色域よりも映像の明るさを重視した意図がくみ取れる、UHE光源らしいスペクトラムの数値です。3600ルーメンに違わず明るく、黒の輝度も健闘しており、コントラスト性能も同様のコンセプトのモデルと比較して優れています。
LG ELECTRONICS「HU70LS」
- LG ELECTRONICS
「HU70LS」
¥OPEN(実勢価格¥178,800前後)
独自光源の4ch LEDが特長的
DLP方式のモデルで、光源は独自の4ch LEDを採用しており、一般的なRGBの3chに、青色発光のLEDを用いて緑色も出力し、明るさと色調を調整するというダイナミックグリーンを加えたもの。LEDは現時点で青色の発光効率が高く、省エネと高輝度を両立するためのアイデアと考えられます。明るさは最大1500ルーメン(ANSI)でHDR10対応。独自のwebOS搭載で同社ならではの使い勝手で動画配信サービスなどを利用でき、マジックリモコンも付属しています。3W+3Wのステレオスピーカーも搭載。
- HDRの映像信号が入力された際に選ぶことができる映像モードは「あざやか」「標準」「シネマブライト」「シネマダーク」「ゲーム」の5つ。今回のクオリティチェックではシネマダークに設定し、暗室で視聴しました。
- 映像調整をさらにカスタマイズしたい場合は「プロ設定」や「映像オプション」の設定で画質を追い込むことができます。またプロ設定では「ダイナミックコントラスト」や「ダイナミックトーンマッピング」、「超解像」や「ガンマ」などの調整が可能です。
- HDMI入力を2基、USB Type-C、USB-Aなどの入力端子だけでなく、光デジタル音声やステレオミニの出力端子など、豊富な入出力端子を搭載しています。
透明感のある人肌の表現が得意
解像度的には柔らかい印象で、エッジに強調感が見られず、マイルドで心地よい映像。映像機器を世界展開する同社の懐の深さを感じさせます。映画は、明るいシーンでヒトの肌に透明感のある赤味が乗って好ましく、LEDの赤色発色を上手く利用した好例といえます。暗いシーンでも同様の発色を期待したくなりますが、プロジェクターの場合、パネルコントラストや迷光によって黒が浮いてしまうので、原理的に仕方の無い部分でしょう。特筆すべきはカラーブレーキングの感じ難さ。注意深く見ればゼロではないですが、DLPとしては優秀で、4ch LEDの効用といえます。音は低音が控えめながら、高域の伸びが良く、映画BGMも映えます。
- HU70LSの画質傾向/映像コンテンツの相性
- HU70LSの測定による傾向
本機は4ch LEDが特徴ですが、白色の測定を行う限り、他のLEDモデルと比べてスペクトルに大きな差異はありません。明るさは競合モデルより控えめですが、映像にはスペックを追って無理をしていない余裕が見られます。紀行映像は、マッピングも適正で明暗の誇張も感じず、落ち着いた印象です。
BENQ「TK850i」
- BENQ
「TK850i」
¥OPEN(実勢価格¥190,000前後)
抜群の機能性をもつエンタメモデル
DLPプロジェクターのシェアでグローバルNo.1を誇るベンキュー。「TK850i」は、映画コンテンツだけでなく、スポーツ観戦やゲームプレイでの使用も考慮した、同社のなかでもエンターテインメント性を高めたモデルです。0.47型のDLPを搭載し、UHE光源ながら最大3000ルーメン(ANSI)の明るさを実現しています。DLPのカラーホイールは、RGBWの4セグメントで、忠実な色再現を目指していることも、ベンキューならではの特長です。Android TV機能の搭載により各種動画配信サービスに対応、10Wのステレオスピーカーも内蔵しており、プロジェクター単体での楽しめる機能性も充実。
- 「ピクチャモード」では「シネマ」「スポーツ」「明るい」「リビングルーム」などのモードを備えるほか、HDR信号が入力された際に自動的に設定される「HDR10」「HLG」の映像モードを搭載しています。
- 「Cinema Master」の映像調整項目では、色の彩度を調整できる「カラーエンハンサ」や人肌の色調整「肌色」をはじめ、フルHDコンテンツで効果を発揮する超解像技術「Pixel Enhancer 4K」や「Motion Enhancer 4K」などの調整が可能です。
- HDCP2.2対応のHDMI入力端子を2基搭載。HDRフォーマットは、HDR10とHLGに対応します。メディア用のUSB-A入力、光デジタル音声とステレオミニの出力端子を装備しています。
色階調が豊富で暗部も的確に描く
映画は、海の色に繊細な違いが感じ取れるなど、色階調が豊富でリッチ。色域は映像鑑賞用として充分に確保されていて、的確にコントロールされていることも印象的です。夜のバーの室内シーンは、暗部にもしっかりと階調があり、黒いスーツの凹凸やテクスチャまで分かるのは立派。空間を満たすモヤのような表現も繊細かつ柔らかで、8群10枚ガラスレンズの優秀さも感じさせてくれます。カラーブレーキングが目立ちにくいのも特長です。音楽ライブはUHE光源ながらも発色がよく、ビビッドなピンクが映え、飽和感が無く青色への転換もスムーズ。スピーカーはステレオ仕様で音の抜けがよく、映画や音楽も積極的に活用したくなる音質を持ち合わせています。
- TK850iの画質傾向/映像コンテンツの相性
- TK850iの測定による傾向
UHE光源ですが、メリハリが高いスペクトルです。明るさを追求するだけでなく、純度の高いカラーフィルターによってRec.709比で98%と実用充分な色域確保していることや、鮮やかで色数の多い実映像と符合します。映像鑑賞用途のプロジェクターとしても適した特性を備えています。
EPSON「EH-TW7000」
- EPSON
「EH-TW7000」
¥OPEN(実勢価格¥186,978前後)
3LCDを搭載した入門機の代表格
ホームシアター用プロジェクターの定番ブランドであるエプソン。「EH-TW7000」は、同社の中でも手頃な価格帯で手に入れられる入門モデルの代表格です。UHE光源ですが明るさは3000ルーメン(ANSI)、そして独自の透過型液晶デバイスの「3LCD」方式による色の表現力の高さが持ち味。1.6倍と調整幅が広いズームレンズ、および上下60%/左右24%のレンズシフト機能は、設置自由度を大幅に高めています。HDRフォーマットは、HDR10とHLGに対応。同スペックでスピーカーを内蔵した「EH-TW7100」もラインアップしています。
- EH-TW7000には、明るさと有線した「ダイナミック」、明るく鮮やかな映像投写に適した「ブライトシネマ」、コンテンツに含まれる色表現を忠実に再現する「ナチュラル」、そして映像に適した「シネマ」の4つの映像モードを搭載しています。
- 「オートアイリス」では、映像コンテンツの明るさに合わせて、プロジェクターの光量を調整できます。映像の明暗の変化に対して、光量の追従を「標準」「高速」から選択することが可能です。
- HDMI入力は2基搭載しており、4K/HDR/18Gbpsの入力に対応しています。USB-A入力、ステレオミニ出力を1基ずつ装備。
確かな色階調による立体感が魅力
HDR入力時も映像モードが選べ、画質にこだわるユーザーにも応えてくれます。映画は、ピークを控え目に、明部の階調をしっかりと滑らかに表現。解像度の面でも無理をせず、しっとり滑らかで落ち着いた印象です。原理上も当然ながら、カラーブレーキングと無縁の映像は、長時間になりがちな映画鑑賞にも適します。夜景映像は、黒が浮いて少し青味を帯びるものの、階調の確かさが画にどっしりとした安定感を与えており好印象。また、明るめの夕景は、空のグラデーションに色数が多く、明暗表現との相乗効果により、立体感や奥行感も優秀です。音楽ライブはスポットライトを浴びた部分も色の飽和がなく、色階調による立体感が魅力。総じて、明るめの映像が映えます。
- EH-TW7000の画質傾向/映像コンテンツの相性
- EH-TW7000の測定による傾向
多くのDLPモデルと比較すると、RGBの他に、スパイクのような山が見られません。3LCDによる安定したRGB出力が窺え、色のコントロールにもプラスに働くと考えられます。実際の映像で、明るい部分のグラデーションが滑らかで
リッチな画調だったことと符合します。
XGIMI「HORIZON Pro」
- XGIMI
「HORIZON Pro」
¥197,890(税込)
リビングで使いやすい抜群の機能性
スタイリッシュなデザインやオートで設定できる設置機能など、新機軸の機能も打ち出す気鋭のブランドXGIMI(エクスジミー)。
「HORIZON Pro」は、オートフォーカスや自動台形補正に加え、障害物回避やスクリーンに合わせて映像サイズを自動調整してくれる機能も搭載。0.47型のDMDデバイスを用いたDLP方式、LED光源によって最大2200ルーメン(ANSI)、DCI-P3比110%の広色域も特徴です。HDR10だけでなく、HLGにも対応します。Android TV採用で動画配信サービスとの親和性も高く、Harman/Kardon監修のスピーカーを内蔵しているのもポイントです。
- HORIZON Proは、Android TV機能を搭載しているため、さまざまな動画配信サービスと連携しており、プロジェクター1台で楽しめる映像コンテンツが豊富です。
- 「画像補正」の項目では、「キーストーン補正」(台形補正)や「オートフォーカス」など、設置機能の設定が行えます。「起動時自動キーストーン補正」や「ポータブル自動キーストーン補正」をオンにしておけば、電源起動時、持ち運びした先でもオートで台形補正が実行されます。
- HDMI入力端子を2基搭載しており、1基はARCにも対応している他、USB-A入力を2基、光デジタル音声出力とステレオミニを1基ずつ搭載。電源ケーブルは、ノートPCなどで用いられる丸形コネクタを採用しています。
明るく明瞭感のある画調が好印象
映画モードはやや色温度が高めで、明るく明瞭な画調を狙っている印象。コントラスト、精細度、色の濃さ、ほぼ全ての要素で強調感がありますが、明室での視聴だと妥当と思えます。暗室では、黒レベルを上げて暗部階調を見せる方向に調整すると、バランスの良い画に整います。音質は良好で、セリフに厚みがあり、広がりのある音楽表現、迫力も充分持ち合わせています。出荷状態では、フレーム補間がオンになっています。画質、音質、そして機能面においても、リビングで4Kプロジェクターを楽しみたいユーザーを意識したアプローチが垣間見えます。
- HORIZON Proの画質傾向/映像コンテンツの相性
- HORIZON Proの測定による傾向
RGBのLEDを採用しているため、青/緑/赤の山がハッキリとしています。
青色の山が少し高めなのは、色温度設定によるもの。映像は明るく、HDR収録の紀行映像で夕日のオレンジ色が濃くかつパワフルだったり、音楽ライブでステージのライトをビビッドに感じた印象と符合します。
リビング使用で有利なモデルが並ぶ
10万円台が中心となるエントリークラスのプロジェクターに、“引き締まった黒”を求めるのは酷というもので、完全暗室よりも明かりが残るリビングでも綺麗な映像を楽しめるモデルがお薦めです。リビング使用では、UHE光源もまだまだ有利です。この価格帯はDLPモデルが主流になるので、カラーブレーキングを心配されるユーザーは、エプソンの「EH-TW7000」がお薦めです。DLPモデルの中から、画質を優先して選ぶなら、ベンキューの「TK800i」がなかなか好印象。Android TV搭載で、スピーカーの音質も良好です。静音性で選ぶなら、LEDモデルを積極的に選んでみるのも一案です。
測定から見るプロジェクターの特徴
今回のクオリティチェックでは、映画作品『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(4K Ultra HDブルーレイ)、紀行映像『『8K空撮夜景 SKY WALK』(4K Ultra HDブルーレイ)、音楽ライブ『アリアナ・グランデ:excuse me, i love you』(Netflix)の視聴と並行して、スペクトルと輝度の測定も実施しました。
映像はKIKUCHIのスクリーン「SES-120HDSG/K」に投写し、反射光をコニカミノルタの業務用の分光放射輝度計「CS-2000A」で測定。これにより、光源に含まれるRGB成分が分析でき、UHE光源/LED光源/レーザー光源といった光源の違い、そしてより繊細な設計意図も理解できる場合があります。
レーザー光源モデルの特長は、青色レーザー(単波長とも呼ばれる純度が高い青色)を用い、緑色と赤色は蛍光剤で変換することから、青色に針のような鋭いピークが見られることです。ただし山の幅は細く面積としては小さいので、映像の色味が青色に偏る訳ではありません。色純度の高さ、言い換えると色域の広さと、明るさを両立できる方式です。
ほか、グラフの読み方としては、RGBの山がくっきりしていると色域が広いことを表します。RGBが独立したLEDモデルは、実際の映像もそうした特徴がみられます。UHEモデルなど、山谷がなだらかな波形は、色純度やコントロールが不利な反面、映像が明るく感じます。光源による特性を知っておくと、用途に応じた製品の選び方にも役立つはずです。
- 今回取材したプロジェクターのなかで、UHE光源を採用しているモデルのスペクトラム。
- 今回取材したプロジェクターのなかで、LED光源を採用しているモデルのスペクトラム。
- 今回取材したプロジェクターのなかで、レーザー光源を採用しているモデルのスペクトラム。
SPEC
VIEWSONIC「PX748-4K」
●投写形式:DLP ●投写デバイス:DMD ●表示解像度:3840×2160 ●レンズ:1.3倍マニュアルズームフォーカスレンズ ●光源:UHEランプ ●投写サイズ:30~300型 ●明るさ:4,000lm ●騒音:28dB(Ecoモード時)●消費電力(待機時):310W(0.5W未満)●主な入力端子: HDMI×2、USB-C×1 他●外形寸法:312.0W×108.0H×222.0Dmm ●質量:4kg
ACER「H6800BDa」
●投写形式:DLP ●投写デバイス:0.47型 DMD ●表示解像度:3840×2160 ●レンズ:1.1倍マニュアルズームフォーカスレンズ ●光源:UHEランプ ●投写サイズ:30~300型 ●明るさ:3,600lm ●騒音:23dB(ECOモード時)●消費電力(待機時): 310W(0.5W)●主な入力端子:HDMI×2、USB-A×1 他 ●外形寸法:約315.0W×114.0H×248.0Dmm ●質量:約3.2kg
XGIMI「HORIZON Pro」
●投写形式:DLP ●投写デバイス:0.47型DMD ●表示解像度:4096×2160 ●レンズ:電動ズームフォーカスレンズ ●光源:LED ●投写サイズ:30~300型 ●明るさ:2,200lm ●騒音:30dB ●消費電力:200W ●主な入力端子:HDMI×2、LAN×1、USB-A×2 他 ●外形寸法:218.4W×208.4H×136.2Dmm ●質量:2.9kg
LG ELECTRONICS「HU70LS」
●投写形式:DLP ●投写デバイス:DMD ●表示解像度:3840×2160 ●レンズ:1.25倍マニュアルズームフォーカスレンズ ●光源:LED(4ch) ●投写サイズ:60~140型 ●明るさ:1,500lm ●消費電力(待機時):210W(0.5W)●主な入力端子:HDMI×2、LAN×1、USB×2 他 ●外形寸法:314.0W×100.0H×210.0Dmm ●質量:約3.2kg
BENQ「TK850i」
●投写形式:DLP ●投写デバイス:0.47型DMD ●表示解像度:3840×2160 ●レンズ:1.3倍マニュアルズームフォーカスレンズ ●光源:UHEランプ ●投写サイズ:40~200型 ●明るさ:3,000lm ●騒音:28dB(省エネモード)●消費電力(待機時):350W(0.5W以下)●主な入力端子:HDMI×2、USB-A×1 他 ●外形寸法:380.0W×127.0H×263.0Dmm ●質量:4.2kg
EPSON「EH-TW7000」
●投写形式:透過型液晶 ●投写デバイス:0.61型ワイドポリシリコンTFT液晶 ●表示解像度:3820×2160 ●レンズ:1.6倍マニュアルズームフォーカスレンズ ●光源:UHEランプ ●投写サイズ:40~500型 ●明るさ:3000lm ●騒音:24dB ●消費電力(待機時):386W(0.5W) ●主な入力端子:HDMI×2、USB-A×1 他 ●外形寸法:410.0W×157.0H×310.0Dmm ●質量:約6.6kg
REFERENCE
- レコーダー
PANASONIC
「DMR-ZR1」
- スクリーン
KIKUCHI
「SES-120HDSG/K」
- 分光放射輝度計
KONICA MINOLTA
「CS-2000A」