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実例

  • リビングシアターCASE48
    南欧スタイル、エコ暖炉とアクセントウォールも美しい
    リフォーム&インストールで空間デザインをトータルプランニング

    取材・執筆 / 井田有一(ホームシアターファイルPLUS編集部)
    2023年4月6日更新

南欧スタイルに調和したエンタメ空間に

南欧風のインテリアも美しい、リフォームで作り上げた、リビングのホームシアター事例です。

実はO邸には「防音室」があります。しかも7.1.2ch仕様のホームシアターがインストールされていました。というのも、Oさんは生粋のシネフィルで、20年以上前に建てた家を約4年前にリフォームして、専用室をつくったのです。しかしその防音室は、今はオフィスに変わりました。働き方の変化で、オーナーのOさんは在宅ワークが増えたそうで、防音室が「デスクの置き場所」になりました。そのため、リビングに改めてホームシアター環境をつくることになったわけです。

  • 南欧スタイルの住宅デザインに見事に調和したホームシアター。インストールだけでなくリフォームまで請け負う栗本氏の提案力に脱帽です。
  • スクリーンを下げた様子。ふかし壁とスクリーンのバランスも絶妙で、偏りがない様は実に美しいものです。こうした細部にまでこだわるのが栗本氏です。
  • スクリーンを上げた様子。中央に暖炉があるのでセンターレスの構成です。なおAVアンプなどはシューケース内に格納しているため、機器の露出は最小限です。

「わが家のリビングにはテレビもなく、暖炉があるだけでした。そのため、家族はダイニングで過ごすことが多かったのです。それではもったいないので、有効利用したいと考え、まず古くなった暖炉を交換しようと思ったのです。さらに小さな子どもがいる友人を招いたときなど、親の目が届く範囲で子どもたちが遊べるスペースに最適だと思い、リフォームを決断しました」と、Oさん。

そこで、かつて防音室のホームシアターのインストールを依頼したGENTENの栗本規光氏に改めて相談を持ちかけて、リビングシアターを実現するために、機器のインストールをはじめ、照明や空間デザインまでトータルプランニングを依頼しました。

  • アクセントウォールの一部をふかし、ミラービジョンとバイオエタノール暖炉を美しくビルトインしています。ミリ単位で横幅のサイズを揃えることで統一感が生まれています。
  • 写真上は、バイオエタノール暖炉「EcoSmartFire」。ススや換気設備を必要といないエコ暖炉です。写真下は、リフォーム工事前の様子。中央にある暖炉の交換もリフォームのテーマのひとつでした。

暖炉からFIX窓まで緻密に計算しつくした

完成したリビングは、ため息が出るほど美しいスクリーンシアターに仕上がりました。リフォームとは思えないほど見事に空間と調和しているが、その裏には栗本氏の丁寧な仕事ぶりがあったといいます。まず、Oさんとイメージを共有するため、事前にパース図を作成。古くなった暖炉やFIX窓などを、どのようにリフォームしていくか、ゼロから相談を重ねました。

  • 栗本氏が提案時に作成したパース図。リフォーム前からあったFIX窓を残すかどうかなど、Oさんと栗本氏は事前にゴールのイメージを共有していました。壁裏には、旧暖炉用の煙突があります。エコ暖炉には不要でしたが、ディスプレイの排熱用に転用しているといいます。

ホームシアターも空間の美観を損ねないデザインが優秀で、クオリティの高いプロダクトを厳選しています。特にバイオエタノール暖炉の「EcoSmartFire」を基準に寸法を合わせた、ミラーディスプレイ「INTELUX」。石の素材まで吟味したアクセントウォールに見事にインストールされています。

クオリティと美観のバランスが優秀

スクリーンは大画面と美観のバランスも考慮して120インチを設置。組み合わせるプロジェクターは、輝度が高く昼間でもパワフルな映像を投写できる、エプソン「EH-TW8400」を選んでいます。フロントスピーカーは、佇まいも美しいLINN「AKUBARIK」とし、サラウンドバックスピーカーも機能美に富んだイクリプス「TD508MK3」を天吊り設置するなど、そのすべてに選定理由があるから恐れ入ります。

かくして憩いの場となったリビング。コミュニケーションの潤滑油として、ホームシアターは今後も活躍していくに違いありません。

  • 視聴位置後方の様子。ガラス扉はあるがダイニングキッチンとも繋がる空間であるため、いつもは子どもたちの遊び場にもなっているそうです。プロジェクターなどは下がり天井を設え、天吊り設置としたことで配線が一切見えない美しいインストールを実現しています。ちなみに、サラウンドバックスピーカーのイクリプス「TD508MK3」は、音楽リスニング用に使用していたものを転用しています。
  • スクリーンケースは下がり天井の一部を掘り込んで隠しています。また、電源OFF時は鏡ですが、ディスプレイを付けると映像が表示されるミラービジョン「INTELUX」も導入されています。
  • フロントスピーカーはデザインとサウンドで選んだアクティブタイプのLINN「AKUBARIK」。サブウーファーはハイスピードな低域で人気のイクリプス「TD520SW」を導入しています。
  • 栗本氏は石の素材にまでこだわり、吟味した石材を使いアクセントウォールを作っています。また、ふかし壁の背面には、FIX窓を残しており、優しい自然光が注ぐようにしています。
  • 写真左は、パナソニックの調光装置「リビングライコン」。合計5つのゾーンにわけて、あかりでシーンチェンジできるようにしています。写真右は、各機器の操作が可能なクレストロン。iPadのディスプレイからタッチ操作できます。
  • 4年前につくった防音仕様の専用室。静かな環境だからと、今はワークルームになっています。ホームシアター機材は残してあるので、「子どもが大きくなって、じっくり観たいときは専用室ですね」と、Oさんが語ってくれました。
  • インストールを手がけたGENTENの栗本規光氏

写真/佐藤日出夫

O邸ホームシアター概要

HOMETHEATER DATA
●住宅形態:戸建/リフォーム ●家族構成:夫婦+子ども3人 ●ホームシアターの広さ:約16畳 ●画面サイズ:120インチ+55インチ ●サラウンド:6.1.2ch ●インストール内容:機器設置、システムプランニング、照明デザイン、ホームオートメーション、空間デザイン、リフォーム工事 ほか

SYSTEM LIST
●プロジェクター:エプソン EH-TW8400 ●スクリーン:キクチ SES-120HDCW ●ディスプレイ:INTELUX(特注) ●Ultra HDブルーレイプレーヤー:パナソニック DP-UB9000 ●メディアストリーミング端末:Apple Apple TV ●AVプリアンプ:インテグラ DRC-R1.1 ●マルチチャンネルパワーアンプ:LINN MAJIK 6100 ●フロントスピーカー:LINN AKUBARIK ●サラウンドスピーカー:LINN CUSTOM2K 106C ●サラウンドバックスピーカー:イクリプス TD508MK3 ●トップミドルスピーカー:LINN CUSTOM2K 104C ●サブウーファー:イクリプス TD520SW ●ホームオートメーション:CRESTRON CP4 ●コントローラー:Apple iPad ●調光装置:パナソニック リビングライコン

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